月: 2007年4月

結設計のホームページを更新しました。

なんと10ヶ月ぶりとなりますが、”気ままに”を更新しました。

是非ご覧下さい。


建築豆知識2

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屋根が葺きあがりました。勾配がゆるく、2棟の屋根(向こう側に見える同じ仕様の屋根)を下屋でつないでいるかなり大きな屋根です(投影面積でなんと約280?85坪あります)。屋根は板金屋さんが工事しますが、薄いとはいえ鉄板ですから細かい加工や完成時の綺麗さには板金屋さんの技術が如実にあらわれます。今回も見ての通りとても綺麗に仕上がりました。

屋根材には表面処理したガルバリウム鋼板(アルミニウム・亜鉛合金めっき鋼板)を採用しましたが、この材料は大変優れもので工場などあらゆる建築物・厳しい腐食環境にさらされる各種産業施設や産業機器、身近なところではレンジ・オーブン・エアコン・自動販売機などの電気機器などいろいろな場面で活躍しています。よくトタン板(溶融亜鉛めっき鋼板)と間違われるのですが、耐久性能で3?6倍、耐熱性、熱反射性、加工性に優れ、しかもアルミニウムの耐食性と亜鉛の犠牲防食作用及び自己修復作用で長期にわたって鋼板を錆から守るメンテナンスフリーに近い材料です。1972年にアメリカで開発された新しい金属素材で今後もさまざまな場面で活躍が期待されます。同じ年生まれの私も耐久性・自己犠牲と自己修復の精神を併せ持つべく今後も精進したいと思います。(石井)


GW

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GWを間近に控え、世間はGWをいかに過ごすかという話題でもっぱらです。天気が良いとどこかにブラリと出かけたくなる季節。写真は・・・江ノ島です。小一時間でぐるりと回遊できる絶好のお散歩コースです。下のほうに小さく釣り人が見えるところが稚児ヶ淵で、海に張り出した屋外のバルコニーから絶景を楽しめる富士見亭という食堂からの眺めです。(おまけですが、「江ノ島ビール」はとてもおいしい!毎年4月23日は『地ビールの日』・『ビールの日』とのこと。ビールをおいしく感じ始める今日この頃。納得です。)ビールはともかく、スタッフの一人にGW何するのと聞いたら、「衣がえをする」なんて悲しい返事が返ってきてしまいました。(青島)


「策略」

現在中国では建設ラッシュにともない、技術や文化の輸入が著しいようです。以前までは中国では英語の「design」を的確に表す言葉がなかったらしいのですが、最近その訳語として「策略」という文字があてられたそうです。わたしは中国語には詳しくないので日本語の「策略」と中国語の「策略」の意味の相違はわかりませんが、新しい建物が建ち続ける中国の都市の写真を眺めながら勝手にその訳語に納得してしまいました。(大庭)


階段

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この斜めに上っていく壁は階段の手摺です。壁を形成する6枚の集成材の壁パネルの上部を工場で斜めにカットしてもらい現場で並べました。さすがに高さが合わず多少ガタガタになるかと思いましたが、精度良く加工が出来ていました。切った小口をそのまま仕上げにして壁パネルが床から立ち上がっているのが分かる意匠としています。かなり存在感のある階段となりそうです。(萩原)


進歩

例えば10年ぶりに冷蔵庫を買おうとして今持っている物とのあまりの違いに驚いたような経験はありませんか?

昨日、メッシの活躍ぶり(4月18日のヘタフェ戦の模様。見ました?)を見ようとYouTubeを眺めていたらひょんなことから13歳の女の子が投稿したギター演奏に辿り着きました。最近の子供は上手だなぁと何気なく見ていたのですが、自分が13歳の頃(いや20歳過ぎた頃でも)に世界中に向けて自分の演奏動画を配信するなど考えられないことでした。さらにそこに書かれた文章を読んでいくと有志製作による練習用の伴奏(楽器用のカラオケみたいなもの)データがインターネット上で無料で配信されているとのこと。そして、10数年前の子供にはなかなか買えなかったミキサーや一部のエフェクターまでもフリーソフトであるようです。引きずり込まれるように懐かしい曲の伴奏データをダウンロードしまくり日曜の午後はあっという間に過ぎ、ヘッドホンを付けていたせいか気が付けば仕事から帰ってきた嫁が後ろに立っていました。慌てて米を炊きました。(柳本)


一輪の花見

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桜は花が終わると、葉桜になり、桜も緑の木の一つになっていきます。

来年の春にまた花が咲くまで、そこに桜があったことを忘れてしまいます。

桜は、春の短い時期だけの存在するかのような不思議な存在です。

この一輪が今年最後の花見でした。


四万温泉

このところ桜の余韻に浸る間もない程の過密なスケジュールに追われ、日付が変わる頃に帰宅する日々が続いています。生活時間に合せてブログのUPも日付が変わることは。。。ありません。

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3月半ばの週末に群馬県の四万温泉に行ってきました。泊まった「積善館」という旅館は江戸時代・元禄の頃に建てられた重要文化財にも指定されている宿です。

http://travel.wpoint.co.jp/sekizen/room/index.html

当然家屋は木造で、繊細な組子でしつらえた書院に目を奪われつつも日に焼けた柱や畳が自宅に居るような落ち着いた気持ちにさせてくれます。客室の炬燵で頂く懐石料理というのも中々新鮮な体験でした。写真右を拡大すると大正ロマンにあふれたアーチ型の窓下(右寄り)には壁に埋め込まれた水槽に金魚が泳いでいる様子が見られます。ここはお風呂なんですけどね。

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そして温泉街から30分程歩いたところにあるのが四万川ダム。私は初めてコバルトブルーの水を見ました。空よりも青い湖面。何の予備知識もなく訪れた事でより衝撃的な感動を得る事になり、その美しさに肌寒い谷風に吹かれる中しばらく釘づけになりました。水中の酸性のイオンが光を反射させる時に青く映るようで、あの色を見られたのも冬の乾いた空気と晴天という条件が揃った偶然のタイミングによるものです。冬枯れた山間にその青はあまりにも美しく幻想的にさえ映りました。右の写真を拡大して水際を見ると水の透明さがおわかりになります。(中嶋)


自然のグローバル化?

和辻哲郎の風土に西洋人と日本人の自然観に対する違いの記述があります。

西洋人は自然を制御していくものと捉え、日本人は自然と自分をなじませていくべきものと捉えています。それは桂離宮や修学院離宮の庭とベルサイユ宮殿の幾何学的庭園とを思い浮かべれば理解できます。

先日いつもの事ながら世の中に数歩遅れて桜広場の五分“散り”桜を見に行きました。そこの桜は新鮮ではあるのですが何かが違うなと思い、その後数日経ってわかりました。

桜広場の桜の配置設計手法は日本のそれではなく西洋の手法の踏襲だからだと気がつきました。

確かにグローバル化された無国籍風な高層都市幕張ベイタウンにはこの手法の方が合うのかもしれません。

しかしこのような桜の下では西行法師も

“願わくは 花のしたにて 春死なん そのきさらぎの 望月の頃”

とは詠まないのだろうなという気がしました。藤原

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またまたメキシコ

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ピラミッドと言えばエジプトギザのピラミッドが有名ですが、古代アメリカのにも大きなピラミッドがあります。写真はテオティワカン遺跡「月のピラミッド」に登って「太陽のピラミッド」とメインストリート(死者の大通り:幅45m、長さ4km)を見下ろしたところですが、そのスケールに圧倒されます。クフ王のピラミッドが高さ138.8m(完成時146.6m)・底辺:230.4mと巨大な建造物ですが、この太陽のピラミッドも高さ65m・底辺222m×225mで高さは半分ですが底辺はほぼ同じ、同規模の建造物です。実際このピラミッドは神殿の基台でこの上部に神殿が乗っていたらしいの(なぜかこ部分分は木造だったようです)で完成当時は圧巻の建物だったと思われます。ちなみに日本の仁徳天皇陵は全長約486m。前方部は幅305m、高さ約33m・後円部は直径245m、高さ約35m。お墓としてはエジプト・ギザのクフ王のピラミッドや中国の秦の始皇帝陵よりも大きく、世界三大墳墓の一つだそうです。日本も昔は大したものだったのです。(石井)