月: 2007年7月

事務所検査

今日は引渡しと事務所検査の日でした。事務所検査とは、建て主さんに引き渡すにあたり、事務所のスタッフ全員で、不具合が残っていないか、家の内外をもれなく検査しながら廻ることをいいます。

担当以外の物件を実際に目にする機会は貴重であり、事務所としての設計手法の研鑽の場でもあります。基本設計段階から完成までの進捗状況をある程度知っているので、力が入っていて見せ場となっている箇所に、期待を膨らませながら、見てまわります。今回は、建て主さんがプロの域を超えるような知識やこだわりもっていらしたので、普段はなかなか見ることのできない水槽やオーディオルームもありました。豊かな緑を背景に、のびやかな漆喰の壁を持つ家。いつかHPにてご紹介できればと思います。(青島)


蝉のひと声

自宅から最寄駅への通勤途中、蝉の鳴き声を聞くようになりました。快晴が続きもう梅雨明けかなと思うと翌日は雨になったり、夏になりきれない日々が続きますが、蝉の鳴き声は気象庁のひと声より夏になった気分にさせてくれました。(大庭)


季節もの

サッカーのアジアカップ準決勝、3位決定戦と残念な結果でしたが、テレビで観ているこちらもかなり力の入る試合でした。試合後たかぶった気持ちをクールダウンさせようと夜中に散歩に出たのですが、この季節でこの時間ならではのものに出くわしました。ふ化したばかりのセミです。抜け殻はこの時期たまにその辺の木にくっ付いていますが、まだ黄緑色で羽根もヨレヨレの状態のセミを見るのはおそらく小学生の時以来だと思います。めずらしいものを見つけて結構クールダウンしました。(萩原)

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今年の夏は・・・

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昨日は、半日外で作業をしてかなり日焼けをしました。

雲一つ無い空、じりじりと肌を焼く日差しどう見ても夏!という天気でしたが、今日は薄曇りの梅雨の空。

夏休み(学校の)も始まったというのに梅雨はまだ明けないようです。長期予報では、猛暑の夏から平年並みの夏になったようで良いのか悪いのか。いつの間にか雨不足の話題は聞かれなくなりました。これはよい事のひとつでしょうね。

反面、近々基礎工事が始まる物件が、雨で工事が遅れないか心配で天気予報をチェックする日々がもうしばらく続きそうです。(加藤)


台北に行ってみた

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ひょんなことから招待を受け、去る7月14日最終便にて台風を越え夜の台北に到着しました。時間が遅かったせいか思ったほど気温は高くなく、どういうわけか修学旅行で訪れた伊丹空港を思い出しました。ホテルまではバスとタクシーの併用で向かいましたが思いのほか英語も日本語も通じず運転も荒く、ホテルに着いたときの安堵感は過去にないものでした。ホテル内は何となく八角の香りが漂い、図らずもホテルマンの訛った日本語を聞いた瞬間に台湾に来たことを実感したのでした。

翌日は龍山寺、南門市場、中正紀念堂、国父記念館、故宮博物院、101、夜市などを駆け足で見たのですが、日曜ということもあってか何処に行っても人が多く、さらに皆やたら元気が良いのが印象的でした。特にスーパーに行った時に、手にした数百円のお茶に対してバイト上りで帰ろうとしていた女の子が猛烈にセールストークを仕掛けてきたときには日本は近々台湾に抜かれるのではないだろうかとすら思いました。アジア各国の中では比較的日本に近いのでしょうが全体が煤けた空気を持っており、老朽化した建物の中に時折洗練されたビルが建っていたりする街並は何とも懐かしい感じがしました。見た目は違うのですが、幼稚園から小学生くらいの頃の札幌と似ていたのかもしれません。驚いたのは地下鉄の切符がICチップ化されていたことで、部分的には日本よりも先進的でした。コンビニの袋も有料です。

たかだか48時間弱の旅でしたが初めて訪れる国から得る情報というのは膨大で、どんな国でも機会があれば行ってみるものだと感じました。(柳本)


東京カテドラル聖マリア大聖堂

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6月半ば、「目白バロック音楽祭」の企画で、久しぶりに東京カテドラル聖マリア大聖堂に行ってきました。この日の音楽会はミサ曲を中心にしたヴォーカルアンサンブルで、教会でのア・カペラを生まれて初めて体験することになりました。東京カテドラル大聖堂は60年代半ば、建築家・丹下健三氏の設計により建てられた教会で、二双放物面で構成されたコンクリートの建物です。上空から見ると十字架に見えるこの建物の内部は、杉板型枠で打たれた表面の荒いコンクリートの壁が曲面を描きながら垂直に立ち上がり天井部分で十字型を形成しトップライトになっています。晴れた日はその十字から光が差し込む設計なのですが、40年の歳月を経る間に雨漏り対策として二重のガラスで覆われ、残念ながら現在は竣工当時のような光を見ることはできません。この日、教会に響く歌声を聴きながら目を閉じて十字のトップライトから光が差し込む空間を想像してみました。透明で美しい肉声が残響と重なり合い、やがて高い天井に吸い込まれていく。そしてその天井からは光が差し込み薄暗いコンクリートの教会内部は十字の光に包まれていく―。

f:id:yuiarch:20070724204058j:image:left:w150 カテドラル大聖堂は現在屋根を中心に大がかりな改修工事が進んでいます。9月には40年前と同じ天空から差し込む光を見られる事になりそうです。(中嶋)


雨樋

f:id:yuiarch:20070724114741j:image:right今年の梅雨は雨の日が少なく工事では大分救われた現場がありました。この雨は工事だけでなく設計デザインにも大きく影響してきます。屋根に降った雨を軒樋が受けその雨を数箇所に集めて縦樋で地中まで導きます。建築の外観は軒先で決まるとも言われ設計者が苦労するところです。雨樋は工事の最後の頃に取り付くので取り付いてアチャーという経験は誰しも持っているものです。

私どもが設計する最近の建築では外観の顔部分の軒樋を隠して処理することが少なくありません。時には縦樋も壁の中に上手に隠すことがあります。ただ縦樋を隠すには難しいことが多く特に軒樋から縦樋に導く斜めの勾配のついた樋が案外目立つのです。設計事例を注意深く見ていただければそのことが良く理解できるかと思います。見せてよいデザインはそれなりにやりようがありますが見せないデザインはまさに隠れた苦労なのです。

右の写真は縦樋と斜めの勾配の樋を省略する手法の一つで最初に実験した時のものです。また、事例の昇竜木舎最後の写真にある屋根最下端の左端の軒から10cm程出ている黒い筒はその後の応用例です。ちなみにこの屋根最下端に見える板状の左端から右端まで全てが軒樋です。(藤原)


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犬の散歩をしていて見つけました。恐らくかえったばかりのアブラゼミです。もう夏休みというのに梅雨が明けきらず、セミも調子狂ったのでしょう。道をトボトボ歩いていたので近くに木に移しました。今年はまだほとんどセミの声を聞いていません。まぁ、聞けそうな時間帯に聞けそうな場所には居ないのですが。今年の夏は何をしようか・・・。ごろ寝の夏にならない様に愛犬とも相談です。まずは昨年も見に行った花火大会の場所取りに行ってきました。2週間前というのにいい場所はもうすでになくなっていました。当日までちゃんとキープできたら良いのですが。2週間心配な日が続きます。(石井)


不動産屋にて

先日、ある地域の事務所ビルの賃貸料を調べる機会がありました。不動産屋さんによると、「築年数」と「立地の便利さ」によってほぼ賃貸料は決まるとのこと。採光や眺望、バルコニーの有無など、居住性の良さといった要素は二の次どころか、選ぶ段階でそんなことを気にする人は皆無に近いとのこと。どのビルも効率優先で建設され、どうせ似たり寄ったりだから比較するまでもないということなのでしょう。少しぐらい古かろうが、駅から遠かろうが、人が働く空間として魅力的な建物が高く評価されるような社会になれば、自然に街並みも変わるような気がします。(青島)


日本橋の夕焼け

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日本橋の事務所で一日仕事をしていると、天気の移り変わりや四季の変化に何か感動するというようなことは少ないのですが、先日、この梅雨の夕暮れにビル郡を紅く照らしていた夕焼けは妙に魅力的で、窓越しにしばらく眺めてしまいました。もう夏なんだなと感じました。(大庭)