月: 2008年3月

東久留米の住宅

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結設計のホームページを更新しました。

設計事例に「東久留米の住宅」を追加しました。

建主さんは、ご両親と娘さんのおとな三人、そして、大切な家族の一員である犬2匹と猫1匹です。長く住み慣れた南向きの敷地は、四季の彩りを楽しめるよう樹種豊かに慈しまれてきた庭が印象的でした。そこで、古い家の位置は動かさず、植栽をできる限り残し、敷地が持つ豊かさを最大限に活かす建替計画としました。東西に大きく架けた屋根は、通りへの圧迫感を与えぬようアプローチの軒の高さはできる限り抑え、また、生活時間帯の異なる家族が自然と集うような、ゆったりとしたおおらかな空間を包んでいます。南側の大開口は、冬は陽射しを取り込み、夏は庇で直射を防ぐ配慮をしています。

是非ご覧下さい。

また、閲覧上の不都合等ありましたらお知らせ頂けますようお願い致します。(柳本)


階 段

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建築の中で階段というパーツにわたしは特に魅力を感じてしまいます。

写真は神奈川県の江ノ電のある駅から撮ったものですが、階段を下りきるとそこにはすぐ線路があります。常識的に考えるとありえない状況ですが、階段が生きていて、人が行き来し山の住宅地へ吸い込まれていくような光景が違和感なく想像できてしまいました。

普通ではない状況に普通に佇む階段に目を奪われ、またひとつ階段と街の面白さを感じました。


シリコンバレーが建てた建築たち

建築の世界というものは、業界的にも仕事的にも変に固いところがあります。

そういった固さの対極にあるとも思われる所謂「IT企業」と呼ばれる世界の人々がクライアントとなった時、どんな建築物が出来ているか、2つの例を紹介したいと思います。

Google本社http://news.bbc.co.uk/2/hi/technology/7290322.stm

子供の頃、家にこういうのがあったらいいなと思っていたものが実際に設置されていて、それを大人たちが嬉々として(?)使っています。絶対に建築雑誌では取り上げられないタイプの建物ですが、非常に楽しくていいなと思います。こういった社屋は、社員に自律性がないと無理だと思うので、Google社員の優秀さが窺い知れます。結設計にこんな施設があったら年に何件設計が出来るでしょうかね…

元Steve Wozniak(アップルの共同設立者)の家http://www.300santarosa.com/film.html

最初の方は、よくあるカリフォルニアの高級住宅ですが、中盤出てくる洞窟は、カリフォルニア科学アカデミーによる設計だそうで、本物の化石が埋め込まれているようです。売れたかどうかはわかりませんが、お値段は700万ドル。ベッドルームが4つにバスルームが7つ、プールと洞窟が1つずつに絶景が付いてこのお値段。ご興味があれば是非!

こういうものを造りたい、というわけでもないのですが、つい忘れがちな「楽しさ」を思い出す為に時々見返しています。(柳本)


確率について

年末ジャンボで3億円をGETする確立は1000万分の1程度(0.00001%)ですが、東海地震(M8程度)が86%程度、南関東直下地震(M7程度)は70%程度の確率で発生が予想されているそうです。天気予報が当たる確率も大体80%くらい、最近の衆参選挙投票率が60%前後で、お年玉つき年賀はがきで切手シートが当たる確率が約30%・・・。単純に並べてはいけませんが、考えさせられる高確率です。そういえば近年世界各地で大地震が発生していて先年(2004年)のスマトラ沖地震は記録にある地震の中でも最大級だったそうです。同規模の地震が発生するとは考えづらいですが、想像以上の被害が出ることは想定しないといけません。対策を・・・と言ってもよく言われている程度の対策しか思い浮かびませんが、世界有数の地震国である日本国は国策としてどの様な事態を想定しているのでしょうか?恐らく・・・しているのだと思います。最近TV・ラジオでも地震に関する情報が増えてきている様に思われます。災害時に役立ちそうなグッズや食品(宇宙食)もよく見掛ける様になりました。さらに近くの駅では写真の様な災害救援ベンダーという自販機も設置されていました。災害時無料で飲料が提供されるそうです。

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その時には何とかなるではなく、いま何かをしないといけない時期なのかもしれません。まずはサバイバルの為にも体を鍛えなければ・・・。ちなみに「雷に撃たれる確率1000万分の1」、「隕石に当たる確率100億分の1」との事なので、こちらの心配はする必要が無さそうです。(石井)


春雷

昨日の夜は春雷でした。

春の初めになる雷。

春の到来を伝えてくれるという事で大変めでたい雷とされ、その雷により雨が降り農作物も多くできると喜ばれるものといわれていますが、今年の春雷は喜ぶどころではないぐらいの大雨だったのではらはらしてしまいました。

外壁の左官が乾く前に雨にぬれると白華現象(白い粉を吹いた状態)が出やすくなるのですが、ちょうど外壁の左官工事をしている物件があり心配していました。今日現場で確認したところ雨はかからないすんだようで、ほっとしました。(加藤)


住み続けるということ

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竣工2年半が経つお宅にお邪魔しました。
アプローチの落葉樹は小さく芽吹き、今回もその足下には体裁よく緑が植えられていました。家の至る所に細やかに目をかけながら、住みこなしていらっしゃる建主さんのお話を聞いていると、さらにこれから何十年と慈しまれる為には、長い年月と共に増す味わいや、手間ひまをかけるに値する強さというものが大切だと改めて感じました。
銀色に美しくなっていたデッキの板塀が特に印象的でした。


日常の情報伝達は内容より質量感の方が大事?

又内覧会の話題ですみません。でもこれは他所の話です。

先日友人の設計者から内覧会のファックスをもらいました。お互い設計したものを見せ合うことはよくあることです。そのファックスは事務所の誰かには見られていたはずなのにだれも興味を示さず、僕も行こうかどうか迷うほどでした。というのはその友人はよくオープンハウスを開き確かに刺激的ではあるのですが少し食傷気味でもあったからです。しかもよく見たらその情報は彼のところに来た他の設計者の情報で、なおさら乗り気がしませんでした。しかしその当日の土曜日、そこの近くの現場に行く必要もありついでに行くことにしました。

 山手線内というから狭小敷地かなと思っていましたら、それは敷地が300坪ほど、延べ床面積も300坪ほど、多分建築工事費も数億円はしているであろうという建物でした。事業とも関連しているようでかなりの贅を尽くしたもので、めったに目にすることのない住宅でした。ちょうど今、ここまでの規模や高額ではありませんが似たような要素を持った住宅を設計していて、参考になるところもあり事務所の者にも見せようと、是非見とくといいよとメールを送りました。下の写真がその住宅と門です。

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メールをみた彼も最初あまり気乗りしなかったようでした。しかし見た後の翌日、あれは事務所の全員に見せるべきものでもう少し強く伝えて欲しかったというのです。そりゃないよ、彼からそんなせりふだけは聞きたくないなと答えました。なぜなら伝えたメールで、奥さんにも見せてもいいくらいのものだよ、と強調して伝えましたし、又彼からパソコンの操作方法を教えてもらうとき、いつも彼はこうやってああやってやればできますよ、といとも簡単にできるかのようにサラッと言うだけです。それを僕は何時間もかかって終え、苦労することが多いのです。もう少し彼が常識と思っていることも、又結構大変であることをも伝えてくれてもいいのにと思っていたからです。

 情報伝達は情報そのものだけでは相手に大事なことは伝わらないのかもしれません。僕も事務所の者も一枚のファックス内の情報からだけではその価値を見出せなかった事になり、かなりの質量を持たせて送ったつもりのメールでさえ伝わらなかったのです。送る情報によっては質量を持たせるべきかどうかよく考えて伝える必要があります。その質量感の方が情報より相手を動かすのかもしれません。しかしその質量感を相手に伝えることが難しいのも確かです。情報だけで動くかどうかは相手が先入観に囚われず受け取ったかどうかと、その者の理解力と想像力によるところ大きい気がします。とはいえ、誰をも動かしたい場合は内容よりその情報の質量感をつたえることが大事なのではという気がします。

 日常でのコミュニケーションも同じであろうと思います。情報内容に質量を持たせて伝え合うようにしないと案外肝心なことは伝わってないのかもしれません。いつも身近の者に、一言足りないとか、一言多いと叱られるのもそのせいなのでしょうか?(藤原)


内覧会

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3月1日、2日と内覧会を開催しました。花粉症の方は辛かったか思いますが、天候に恵まれお披露目日和でした。設計事務所の場合、ハウスメーカーとは違い展示場を持っていません。その為、設計事務所での建築を検討してる方にとって実例を体験できる機会というのは少なく、その中で内覧会というのは我々設計者にとっても検討されている方にとっても大変貴重な機会となります。参加者の方はこれから新しい生活の始まる実物の家を見て夢が膨らみつつも、自分達の土地の条件、予算、生活パターンと照らし合わせてリアリティが出てきたようで皆さん思い思いに見学されていました。どこの建築現場でも竣工間際にはドタバタとしているものですが、特に当事務所の現場は造作、仕上げ工程に時間がかかるため予想していた工期よりも時間が掛かってしまうことが多いと思います。工務店さんには時間が無い中、建主様には引き渡し日が切羽詰っている中ご理解頂いてオープンハウスを開催出来たことに本当に感謝しております。(萩原)

内覧会の報告はホームページ上にも掲載しています。https://www.yui-sekkei.co.jp/