月: 2008年8月

旧朝倉邸

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代官山で公開されている大正時代の邸宅です。以前から何やら改修工事しているなと思っていたのですが、前を通ったらちょうど公開され始めたばかりだったようで覗いてきました。若者のファッションスポットとなっている代官山のヒルサイドテラスの裏という立地に、今までこの広い敷地と木造の豪邸が保存されて残っていたのに驚かされます。どうやら国の会議所として公的に使用されていたものが、利用度の低い施設の整理で一般の競売に掛けられる前に保存活動により渋谷区の重要文化財となったようです。中に入ると最近頻繁にある集中豪雨が降ってきてちょうど良い雨宿りになりました。座って庭をのんびり眺められるので、近くに買い物に来た時には良い休憩場所になりそうです。ちなみに入場料100円です。(萩原)


木を柱にしたいと思う気持ち

日本で木が構造材の柱として選ばれたのは、古代日本に身近にそして豊富に木があったからなのは言うまでもないのですが、それとは別に欲求に似た部分で、「こういう衝動で木を柱にしたくなってしまったのだろうな」という古代日本人の気持ちというのを、先日行った東北の旅行中に想像してしまいました。

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見上げるほど垂直に上昇する木々、力強い雰囲気を放つ掘っ立て柱、林立する太い柱、それらを旅行中交互に目にしているうちに古代日本人の気持ちと木の扱い方に共感してしまいました。(大庭)


メール受信における不具合の報告

8月22日の夜から25日の午前中まで、結設計宛に頂いた一部のメールが受信できないという状態となり、大変ご迷惑をお掛けしました。現在は通常通り受信できます。大変お手数ですが、期間中にメールを送って頂いた方は、再送して頂けるようお願い致します。


旗・旗・旗

北京オリンピックも無事終了。極限まで戦う選手の姿に久々に心が熱くなりました。一方、開会式の選手入場で参加203ヶ国の国旗のデザインをしみじみ眺めてみると、その色使いや形まで多種様々でなかなか興味深いものでした。「旗」といえば、昨年の夏に旅したトルコ・イスタンブールで街中を旗が彩っていたのを思い出します。

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スタンブールの空港からホテルまでの間、道路には運動会のような黄色や赤の旗が連なっていました。それも信号機や標識にまで!(日本では考えられませんね?)。現地のガイドさんに尋ねると選挙の応援なのだそう。イスタンブールに到着した日はトルコ総選挙の1週間前。ガイドさん曰くトルコ国民は選挙にとても熱くてこの時期は国や地元を離れている人も応援や投票の為にわざわざ帰郷するそう。歴史に名高いボスポラス海峡にも旗で装飾された応援の船が出たり、花火を上げたり。ほぼ時を同じくした日本の議員選挙に対する国民の「エネルギー」の差に驚き、考えさせられました。

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その一方、トルコは他のイスラム国家に比べ然程信仰に厳格ではないそうでミナレット(モスク併設の尖塔)からコーラン(礼拝時刻を告知する呼び声)が町中に響いても拝礼をする姿は殆ど見られず、ガラタ橋からイワシを釣る人々も釣りを続行。歩道も整備され、近代的なトラムが街を走る。この街も「欧米か!?」なんて思いつつ、コーランの独特な「こぶし」が町中のモスクから聞こえてくるとここはイスラムの国なのだと改めて気付かされます。

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アジアとイスラムのジャンクな雰囲気を実感できるグランドバザールは様々な色使いの商品が床から天井まで並びモスクのモザイク模様のごとく色とりどり。幻想の世界を彷徨うように通路を奥へと進んでいくと次第に路幅が狭くなり店の雰囲気も何だか怪し気な感じに・・・。部外者を拒絶するような視線を感じてはっと我に返り、引き返すことにしました。その途中、チャイ(お茶)を啜りながら語らう人々の横で、モスクで見られたように専用の流しで手足や顔を洗い跪いてイスラムの祈りを掲げる人々を見かけました。集落・都市や建築を見る以外にも政治・宗教・経済の一端に触れられる事は他国の街を歩く醍醐味の一つです。さて、次はどの街を歩こうかな。。。(中嶋)


西の松島

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昨年に続き盆休みに自転車旅行をしました。

写真は、その途中の松尾芭蕉が奥の細道でわざわざ山形の酒田から北上して立ち寄ったという象潟。

松尾芭蕉が訪れた時には、この田圃が海で西の松島といわれていたように、小さい島がいくつも海に浮かんでいたそうですが、その後土地が隆起して陸地になってしまったということです。

海では無くなってしまっているのですが、ちょうど稲が海のようで、見とれてしまいました。(加藤)


茶の間のある家

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結設計のホームページを更新しました。

設計事例に「茶の間のある家」を追加しました。

南側の平屋部分にある居間と茶の間に落ち着きを与える為と、そこから庭への視線を誘導するように軒先は低く抑えています。茶の間は、畳敷きの続き間の居間からは1段上がる小上がりになっていて、畳に座ったままキッチンカウンターで軽い食事が出来ます。また、茶の間に座っている人とキッチンで立って作業している人の視線の高さの差が小さくなり、会話がしやすくなっています。

是非ご覧下さい。

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設計事例の表示方法が新方式になって反応が鈍くなっておりご迷惑をお掛けしておりましたが、改善しました。今後とも宜しくお願い致します。


夏休みお勧めスポット

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東京都庭園美術館で開催中の「舟越桂 夏の邸宅」に行ってきました。館内は撮影禁止なので、図録とポストカードでの紹介しかできないのが残念ですが、なんとも透明感のある、涼しげな彫刻とドローイングが、朝香宮邸であった庭園美術館に、作家本人によって慎重に展示されている様子は、まさに夏のプライベートギャラリーに招かれたような雰囲気を醸し出しています。様々な部屋に置かれた作品は不思議な生命感があり、まるでその部屋の主のようで、元々それほど混む美術館でもないこともあいまって、1対1で対面していると何やら妖しげな対話を交わしているような錯覚に陥ってしまいました。単に部屋の中から見るだけではなく、ソファに座りながら、奥のほうにちらりと見える様子や、鏡に映った様子など様々な見方が楽しめ、決して大きな展示ではありませんが結構長い時間楽しむことが出来ました。館から出ると、暑く、蝉が鳴いていて、現実感を感じつつも静かな庭が広がっている為興ざめすることはありません。鑑賞後は、庭園の見える館内の喫茶店か、門を出て隣にあるレストランで一休みされても良いと思います。

展示の風景は、一部産経ニュースにあります。展示会の情報は庭園美術館のサイトよりご覧下さい。庭園美術館は毎回(多分)ドレスコード割引なるものがあり、今回は木で出来たものを身に着けて行くと団体割引で鑑賞できます。庭園美術館まではJR目黒駅から徒歩10分弱です。暑い夏を涼しく過ごすのにはあつらえ向きな場所だと思いますので興味があれば是非。(柳本)


まめ豆知識

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千木:ちぎ と読みます。屋根の上についているバッテン状屋根部材です。先日訪れた出雲大社でもあちこちで見る事が出来ました。何となく気が付かないのですが、実は千木の先端は垂直に削いだ外削ぎと、水平に削いだ内削ぎがあります。出雲大社(写真)の場合は外削ぎで、これは祭神が男神を示しており、女神の場合は内削ぎになります。また丸太のような”重し”状の部材は鰹木:かつおぎ と言いまして、棟押さえの補強部材が装飾的に用いられるようになった物と思われます。見た目そのまんまのネーミングです(諸説ありますが…)。鰹木の本数が奇数の場合は男神、偶数の場合は女神を祀っている事を示していると言われています(厳密ではないようでが…)。ちょっとした違いですが注意して見るとそれだけでも新たな発見や楽しみが増えます。早速近所でも試してみてはどうでしょうか。(石井)


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事務所の旅行では庭園で有名な足立美術館にも足を延ばしました。枯山水の庭園をしばらく眺めていると、山をあらわす立石が実際の急峻な山肌として隠し絵のように表れ、自分の立ち位置がふっとずれてしまう感覚を味わいました。ガラス越しの庭だったので、自然の風や音を味わうことができず、本来の「庭を観る」という行為というよりも、様々な庭のありようをみて改めて理解を深めるという具合でした。庭園は、自然そのものでもあり人工物でもあり、奥深い魅力があります。(青島)


木造の建築はやはりすごい

木造の建築は思っている以上に大きくて耐用年数もすごいです。屋根の仕上げだけは何年かで葺き替えするとはいえ、木だけで作ったものが500年以上も存在し続けているのですから。

日本でも負けず劣らずすごい木造建築はたくさんあります。実は昨日事務所を休みにして全員で出雲大社に行ってきました。昨日のNHKのニュースでも取り上げていましたから知っている方もいらっしゃるかもしれません。平成の大遷宮の御本殿特別拝観ということで1744年に造営された国宝の本殿の公開を見てきました。60年ぶりに本殿の屋根を葺き替えるとのことで、拝殿に御神座を移し公開となったようです。今日はルーマニアと日本の宗教施設の写真を掲載してみます。

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