月: 2009年4月

スタイルハウジングEXPOに出展して

?0940430

先日、注文住宅の専門展示会であるスタイルハウジングEXPOに行ってきました。

(結設計は建築家ブースにDEWS工法を出展致しました。出展内容についてはこちらをご覧下さい。
http://www.glulam-wall.co.jp/
http://www.glulam-wall.co.jp/hyggelig/index.html

建築家ブース以外の個別ブースでは、ハウスメーカーや工務店など様々な会社が、それぞれの売りや個性を写真やパネルを使い、説明員が熱心に紹介していました。一方、建築家ブースでは、それぞれの表現方法でつくられた何十件かの住宅の作り手の手の跡が見られる模型がメインで構成されていました。その展示方法の違いは、社会での存在の仕方の違いを象徴しているようで興味深かったのですが、どちらにしても、展示されている内容をひとつひとつ真に理解しようとすると、かなりのエネルギーがいると感じ、また、果たしてどこまで伝わっているのだろうかと感じました。たった一つの展示会ではありますが、個別にサイトを訪問してもらえるインターネット上ではなく、横並びに列挙されることで、改めて自分達の存在は一体どのように映っているのだろう、と考えさせられました。私共の事務所の扉を叩いて頂き、一緒にやろうと依頼して下さる理由は、その方その方で違うと思いますが、そのことをとてもあり難く感じると同時に、その期待を真摯に受け止め応えていきたいといっそう強く感じました。


呪縛からの開放

0429-1
ボストンから引き上げる時に分解して以来、ずっとほったらかしになっていたギターを7年ぶりに組み上げたのですが、こやつには一つ苦い思い出があるのです。

私が彼の地を去ったのは、2001年の12月で、あの同時多発テロ事件の直後のことでした。3ヶ月経ったとはいえ、まだまだテロへの警戒心も強く、また、例の飛行機がボストン発だったこともあり、空港でのチェックは不必要に厳しかったのだと思います。ただでさえ外国人への警戒が強まる中で、大荷物を持っていた私が他の人よりやや厳しめのチェックを受けることになったのはまぁ仕方ないことかとは思えますが、実はこのギターのある部品が原因でゲートを通過させてもらえずに飛行機に乗り遅れる事になってしまったのです。その部品とは
0429-2
これです。この金属の塊が、何かの武器と勘違いされ、お前はこれで何をするつもりだと問いただされたのです。今でも忘れないふてぶてしい顔の検査員は、ギターの部品だと説明しても “I don’t know that.” の一点張り。私の後ろにいた白人男性が、「その部品が問題になるとは思わないけど...」と言ってくれても返ってくる答えはやはり “I don’t know that.” だけ。こちらとしては乗り遅れるのだけは避けたいので、「もうそれは要らないから通してくれ」と言ったものの、彼女の中では私は既に要注意人物になっていたようで、セキュリティっぽい人が呼ばれて別室に連行されました。もうこれでこの国ともおさらばと思っていた私は柄にも無く悪態をつき、それがさらに裏目に出て尋問は長引き、気づけば飛行機の出発時刻は過ぎていました。それでも何とか部品の説明はつき、無事釈放となったのですが、実はこの部品の他に鼻毛カッターも没収されていて、今日はもう乗らないんだから返してくれといっても力強く “No!” と言わる始末。鼻毛カッターは傷つけないように先端が丸くなっているのに本当に没収されるようなものなのかと口汚く告げたものの成果は無く、仕方なく先ほど別れを告げたばかりの友人に電話して迎えに来てもらいました。幸いにも航空会社は不憫に思ってくれたようで、追加料金も無く翌日の便で帰ってこれましたが、この部品は郵送することにしたのは言うまでもありません。

これ以来、飛行機に載るときの手荷物には細心の注意を払うようになり、また、確認申請の時など、役所で理不尽な要求をされても笑顔で対応できるようになったので、マイナスばかりではない出来事だったのでしょう。とはいえ、やはり7年も放っておいた潜在的な理由にこの部品の影響があったことは否めず、大げさですが、今回組み上げたことで、あの出来事を乗り越えたと言っても良いのではないかと思います。


上棟

船橋で進行中の物件がようやく上棟しました。

1階がRCの為、ここまで来るのに3ヶ月ほどかかっています。上の写真の位置でRCの型枠の状態から撮り続けているので、竣工の際には出来上がっていく感じが分かる写真をお見せできるかと思います。


他人のコンペ案を見る

18日(土)、千葉県大多喜町庁舎の耐震補強に伴う増改築コンペプロポーザル入選者5人の発表会に、昔大阪でお世話になった同じ設計者の方から誘われ、行って来ました。私もその方も応募してはいませんでしたが、500人ほど入る会場が殆ど満席でした。浅草雷門前の観光センターコンペ公開ヒアリングの時もそうでした。時期が時期なだけに、かなりの人が参加したのでしょう。ロビーに参加者の応募作品がすべて展示されていました。かなり有名な設計事務所も数多く参加していました。

入選者の発表を見ていて、分かりやすくないとこのようなコンペはだめだなという印象を強くしました。選にもれた案をよく読みこんでいくとすばらしい提案をしていると思えるものもありました。分かりやすい、と、いい、とは必ずしも一致しないと改めて思い知らされました。多分、相手の判断時、その時の段階で余計なことまで考えても相手に通じないのでしょう。むしろこのようなコンペは余計なことを言わないほうがいいと改めて思いました。

最近住宅も設計者をコンペで決めようとする方も多いようです。住宅は質の異なる要素や判断基準が並列に存在し、優先順位の判断は難しいだろうなとつくづく思いました。

住宅のようにものが小さいと殆どを考えつくした提案でないとちょっとした条件の違いで内容が大きく違ってきます。そのためどうしてもなぜそうなのか多くのことを考えよう、伝えようとする癖がついていて、このようなコンペには向かない気がします。

一緒に見に行った方は昔1年半居候させてもらいながら共にコンペ案をつくり応募したひとで、わざわざ大阪から見に来るその積極性に改めて刺激を受け、自分も今度いいコンペがあったら、応募してみようかなという気にさせられました。


「館林の家」内覧会のお知らせ

かねてより設計・監理をすすめておりました、
「館林の家」がこのたび完成の運びとなり、
建て主様の御厚意により、内覧会を開催できることになりました。

e9a4a8e69e97e381aee5aeb6

打ち放しのコンクリート、現しとなっている木造の小屋組み、屋内外ともにそのままで仕上げとなっている米松集成材の壁、無垢米松材の小幅板を張った吸音壁、無垢フローリング張りの床、大きな吹き抜けに透けるようにある鉄骨階段と手摺、合板やコンクリートの独特の凹凸の表面を生かして塗装した壁と天井。
鉄筋コンクリート造としては厳しい予算の中で、屋内外から浴室に至るまで、コンクリート、木、鉄という素材を、余計に飾ることなく、そのままの良さを引き出しかけ合わせることを心掛けてきました。

また、鉄骨階段の制作など、鉄骨の製作所を営む建て主様の積極的な工事への参加も今回はあり、心強い建て主様とまさに共につくりあげてきた住宅となりました。(鉄骨階段の工事段階での写真は大庭の過去のブログでもご覧いただけます。)

開催日時:2009年4月26日(日) 13:00 – 17:00
開催地:群馬県館林市
延床面積:約48坪(2世帯住宅)
構造:RC+集成材造2階建て
設計・監理:結設計
構造設計:正木構造研究所
施工:有限会社霜村建設

お申し込みは、下記HPかもしくはメール(office@yui-sekkei.co.jp)からお願いします。
折り返し案内図等送らせていただきます。
https://www.yui-sekkei.co.jp/shs/event.html


ちょっと花見

l1000099

気が付いたら桜は葉桜になっていました。

花見にお誘いをもらうもののなかなか出られず、今年は花見出来ずじまいでした。

(花見といっても宴会になってしまうと、桜自体はあまり見ないものですが…。)

朝事務所に向かう道脇にある桜も葉桜になってしまいましたが、まだほんの少しの花がついていました。ちょっと花見ができました。


秋野不矩美術館

img_0835img_0844img_0851img_0850
先日天竜市にある秋野不矩美術館に行ってきました。設計者は藤森照信氏。新聞や雑誌にも良く登場するのでご存知の方も多いと思います。山の頂上にすっぽりと建っていて、はじめは見過ごして通り過ぎてしまいました。アプローチをすすむと、杉を見立てた電柱、麻紐で縛られた手摺、遠くに見える不思議な(!)建物への期待感を高めます。内部写真は撮影ができませんでしたが、外観はもちろんのこと、随所あまり目にしない素材や納まりで、どうやってるのか、どうしてなのかと気になるのですが、全体のバランスが整っているからでしょう、連れの家族は別に気にならない様子で、肩のはらない居心地の良さを味わっていました。「大好きな一枚を飾るために、小高い山の上の一等地に主が建ててしまった手づくりの館」。それ自身がたったひとつの作品でもある、そんな館を訪れた気分でした。(青島)


消費者の思考

新年度となり、中央区のゴミの区分が変わりました。

ちょっと前に変わったばかりで、変化についていくだけでも大変なのですが、私にとって一番大きな変化はプラマークの付いた「きれいな」ゴミはプラマークの日に回収するというものです。といいますのは、オフィス街ランチの味方であるお弁当屋さんの容器の多くがプラマーク付きの容器であり、これを「きれいに」洗ってゴミ出しとなるとちょっと面倒なのです。面倒くさがらずにやれば済む話といえばそれまでですが、ちょっと面倒というのが実は一番面倒だったりするもので、特に面倒くさがりな私はこんな理由でプラマーク容器の弁当を避けるという愚行に走ってしまったりします。もちろん、ほとんどの人はあまり気にせず今まで通り弁当を買い続けるのでしょうが、少なからず私のような人間もいるはずで、さらに、プラスチック容器をリサイクルするより紙容器を使い捨てる方が実は環境にもいいんじゃないかとか屁理屈をこねる人の存在まで加味すると、ひょっとすると、これにより紙容器の弁当が爆発的にヒットなんてこともあるのかもしれません。

というように、世間の動向に目を配ると結構ビジネスチャンスが転がってるのかなと想像を膨らませながら今日は紙容器のカレーを食べました。折角見つけた紙容器の店ですが、注文してる時に警察が店員に何か言っていたので来週以降存続するかが心配です。地域住民(社員?)のことを考えるとここは見逃してもらいたいところでした。