月: 2009年6月

お盆の準備

たまにくる七回忌などで菩提寺にお墓参りにいくことはあっても、大変恥ずかしながら「お盆」はお盆休みという言葉とおり、季節の暦のようなものでした。今年初盆を自宅で迎えることになり、祖先の霊を祀り迎える行事として、その準備をすることになりました。菩提寺から頂いた説明書によると・・・竹としめ縄で結界をつくり提灯かわりのほおずきを飾った精霊棚を用意したり、精霊馬という、ご先祖様の霊に早く家に帰って来てもらうためのきゅうりの馬やゆっくり帰ってもらうためナスの牛をつくったり、迎え火と送り火を玄関で炊いたり・・・。
祖先の霊を迎えるといってもピンときませんでしたが、どの行為にも先祖を弔う思いが込められていて、なるほどなあとそれぞれの意味がわかると疎かにはできません。そんな準備をしているうちに、本来の意味でのお盆を迎える気持ちになってくるもので、待ち遠しくなってきました。


アメリカのまさかの逆転劇に垣間見えた希望

何と日本代表が一抜けとなってしまったワールドカップ予選ですが、激戦区であるヨーロッパではオランダが破竹の7連勝で予選突破を決めました。他のグループから見ると幾分楽な組み合わせではあったものの、7連勝の内容は圧倒的で、ちょっと面白みに欠けるほどでした。何故こんなに強いかというと、ただでさえ質の高い攻撃陣が今までに無い勤勉さを発揮しているからではないかと思います。今のところ9月にオランダと日本の対戦予定がありますが、この勤勉さというのが、実に日本代表が目指しているもののお手本のようなものだと思うので、是非真似してほしいところです。100%本気ではやってもらえないにしろ世界との距離を再確認するには非常に良い機会になると思います。南アフリカでは今、日本が出場を逃したコンフェデ杯が行われています。連勝と連続無敗記録を更新中のスペインや、イタリア(不調とはいえ)からあっさり3点取ってしまうほど調子を上げてきたブラジルなど、現状だと日本が100回戦っても100回とも負けそうな強豪の試合を目の当たりにし、アジア予選の妙に余裕な突破とのギャップを強く感じてしまいますが、その時に調子の良いチームが勝ち進むのがカップ戦の面白いところなので、気楽に来年を楽しみにしています。


クレーン

一昨日は千葉県北部での棟上げでした。最近は車で来る職人さんが多くお酒を飲めないので簡単に済ますようになってしまいました。それでも上棟は家の輪郭が明らかになる時で、いつ立ち会ってもわくわくするところがあります。

image011image009-2
?

これまで百五十件以上立ち会ってきましたが、今回使われていたクレーンが珍しい小さなタワークレーンでした。
大きな共同住宅などでは珍しくありませんが、戸建住宅の棟上げでは珍しいので写真を撮りました。

戸建では通常レッカー車といって、車体自体が四隅に足を張り出して踏ん張って、車体から直接折れ曲がるアームを斜めに伸ばしてものを吊り上げ操作をします。
タワークレーンは写真のように垂直にポール(タワー)を立ち上げその先端からアームを横に張り出してワイヤーでものを運び上げます。それがどうした、といわれればそれまでなのですが、最近クレーン車が倒れるという事故のニュースを何度か見たので、何となく気なって目にとまったのかもしれません。

街中でクレーンはよく見かけますが、案外いろいろなタイプのクレーンがあるものです。


苗字再考  ―自分の苗字について考える。「庭」と「場」―

わたしは子供の頃からカタカナやアファベットに比べて漢字という文字が好きで、学生時代の歴史の勉強も世界史より日本史の方が頭への入り方が断然早いほどでした。
漢字は、象形文字で、それぞれ意味を持った小さなパーツの集合によって成り立っていて、目で見て意味がわかり、何かが表れているというそのビジュアルに魅かれているのだろうと最近気付いてきたのですが、それは建築に対しても一緒で、見た目の格好良さだけではなく、機能や意味を備えそれが集積してかたちに表れているデザインを求める趣向は、漢字好きと繋がりがあるのかもしれないと感じています。

そんな趣向ゆえ、新しい漢字や知らない言葉を知るとその言葉の構成を考えたり、潜んでいる語根を想像したりするのですが、一番慣れ親しんでいる自分の苗字についてはあまり深く考えることはありませんでした。ひょんなことから自分の苗字へ興味が向き辞書で調べてみると、といっても広辞苑を開いて説明が載っているほど自分の苗字(大庭=おおば)は意味深いものではないと思っていたのですが、それがまさか載っていたので驚きでした。

「オオバ」という苗字では、「大場」という字を使う人の方が多く一般的で、また庭という字を「バ」と読むのは苗字以外では聞いたことがないので前々から不思議に思っていたのですが、その謎が広辞苑を開いて解けたように思いました。

漢字では、同音異義語のように同じ音でも意味が違うものがありますが、それらの語源や発生元は同じというものが多く、例えば、「スム」という言葉でも、住む、棲む、栖む(居住を定める)、澄む、清む(濁りがなくなる)、済む(事が終わってすべて澄む)などの字があてられますが、それらは同根で、あちこち動き回るものがひとつ所に落ち着き定着するという意味で、また別に「巣」と同源でもあるようなのです。

辞書で、「オオバ」を調べてみると、そこには[大場・大庭]というかたちで二つの漢字が併記されており、その意味は、
1.宮中の紫宸殿(ししんでん)の前面の庭 
2.寝殿造りで、寝殿の前の広い庭 
3.広い場所で上演される晴れの能 
とありました。この説明から推測すると、昔は広い庭を何か催しをするための場として使っていて、また広場は庭のような性格を持ち合わせ、つまり庭と場とのあいだには大きな区別はなく似た性格の空間として捉えていたため、同根のものとして音(読み)も同じだったのだと思われます。

庭というと今では個人所有のプライベートなイメージがどうも先行してしまいますが、昔の日本の、庭であり広場でもあった場所とはどのようなものだったのか、西洋の庭や広場とはどう違うのか、また場と庭に区別が生まれたのはいつ頃からなのか、それはもしかしたら、「庭付き一戸建て」という言葉が使われ始めた近年からではないだろうか、そんなことに興味が広がりつつも、ブログとしては余りにも長くなりすぎてしまったので、ここらへんで「バ」についての考察は終わりにしたいと思います。


フラットスラブ

1階がRC、2階が木造の現場の1階部分の写真です。

今回は1階のRC部分の階高を低く抑えたいが、天井高さは出来るだけ確保したいということもあり、フラットスラブ構造を採用しました。フラットスラブは通常スラブ厚さ18cm位のところを30cmにしてスラブと梁を一体にしたような構造です。そのためスラブ下に梁が出てきません。

建物のスラブ面の大きさや平面計画によっても違ってくるとは思いますが、今回はコンクリート量や鉄筋量を厳密に計算するとフラットスラブは数量が多くなる代わりに、型枠や配筋の工事がかなり楽だったと思います。

見た目もコンクリートの壁とスラブだけのすっきりした構成になっていてなかなかいい感じです。


阿修羅展(満員電車状態)

茶の間のある家の1年点検の帰りに阿修羅展に行きました。
5月の週末でしたが、入場前の行列も無く待ち時間なしで、入る事ができました。ただ、中に入ると徐々に混みはじめて、阿修羅像の周りに着いた頃には、満員電車のように身動きも取れないような状態でした。すごい人気です。
満足に観た感じがしなかったし、会期終了が間近になってきたので、もう一回行こうかなと思っていたところ、先週末に行った友人からとんでもなく混んでいてすごい待ち時間だったと聞き、断念。
私が観に行ったときは、空いていた方みたいです。

阿修羅以外の「八部衆」や、「十大弟子」・「薬王菩薩立」・「四天王」等の像は、じっくり見れてそこは満足したので良しとします。
今回の展示を観て、照明がちょっと私の好みの当て方・色温度では無かったのと、やはり仏像は寺とセットじゃないとしっくりこないなあと改めて思いました。興福寺の中金堂が再建されて、本来の場所にそれぞれの像が収まった姿が見れることを楽しみにしておきましょう。

久しぶりに行った国立博物館本館の展示も良かったですよ。

国立博物館「国宝 阿修羅展」


庭の手入れ

kaidouimg_0340

生け垣の一部を取り払い北側の裏庭に新しく花海棠を植えました。育つまではゴミ箱や庭仕事の道具が道路から丸見え。頻繁に使う庭仕事の道具は植木鉢、プランター、受け皿、スコップ類、ハサミ、肥料類、土類、バケツ、如雨露、軍手、箒、チリトリetcと結構あります。ぐるりと廻って裏側の物置まで行ったり来たりは億劫。庭に縁側を作ってその下に片づけるか、ゴミ箱も隠せる目隠しを作るか…なんて、理想はたくさんあるのですが、朝顔も双葉がでてきたし、雑草もグングン育っていつのことやら・・・。猫の額のような庭でも満足のいく状態にはなかなか遠い道のりです。