月: 2010年1月

フランスの建築 5 NO MAN’S LAND

展示会のタイトルとなった韓国人アーティストの作品

フランスにある建築ではないのですが、ある意味、最近まではフランス領土内同然だったということで、旧フランス大使館で行われている解体直前イベント「NO MAN’S LAND」に行ってきたので紹介します。旧フランス大使館は1957年にJoseph Belmontによって設計され、昨年末まで大使館として利用されていました。この建物が解体されるということで、破壊の前に何か創造できればということで開催されることになったのが本展覧会のようです。建物としては、良くも悪くもミッドセンチュリ?モダンといった風合いで、それなりに手間も掛けて造られているので、いかにも現代風な新庁舎と比べてみてしまうと、改修で済めば良かったのに勿体無いなと思います。(何となく古いものを崇拝する悪い癖かもしれませんが)

階段室上から写真を撮って、赤いフレーミングをしたものに模してペイントされた階段

内部のペイントが外部のレリーフとつながる

会場は、解体するんで好きにやっちゃってくださいといった感じで、相当な数の方々が割り当てられた場所で感性をぶちまけたような、非常に混沌とした状況となってます。芸大の文化祭にも似た雰囲気がありました。創造という言葉が何を意味するのか、妙に考えさせられる内容でした。残念だったのは、せっかく解体前のフランス大使館という特殊な場所なのに、個々が展示する場所性が反映されている作品が少なく、普段の作品を持ってきて並べただけと思われる作品が多かったように思えた点ですが、これは日々の仕事柄、どうしても与えられた場所との相関性を求めてしまう、ある種職業病みたいなものかもしれません。訪れた方の意見を聞いてみたいところです。

アルコーブ状の室をうまく使ったトリックアート

男性の股にスイッチが

どことなくディズニーな造形が組み合わさった入り口のゲートと長蛇の列

当初予定されていた終了前日に駆け込みで行ったのですが、入場は無料で小春日和の土曜日と言うこともあってか、私が会場を出る頃には入場制限をしながらの長蛇の列となってました。入場した昼前は全く並んでいなかったので、早めの入場が良いようです。長時間並んでまで入ることはない気もしますし、中も美術館と違い、混んでくると動線が最悪になります。会期は延長され、2月18日までです。お子様連れでも気兼ねなくいけますので、何となくすることがない天気の良い休日の朝に是非。(月?水は休みです)

蛇足ではありますが、同日に資生堂ギャラリーで行われている曽谷朝絵展(1月31日で終了)と銀座gggで行われているアーカイブ収蔵品展II?田中一光ポスター1953?1979(2月25日まで)も見てきました。こちらは両方とも量こそ少ないものの力量を感じる展示でした。両ギャラリーともいつも無料(多分)なので、銀座で人ごみに疲れた時などにお勧めします。


来週日曜日は、「白井の家」内覧会です。

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来週の日曜日(1/31)は、建主様のご厚意により、千葉県の白井市で内覧会を行います。

皆様お誘い合わせの上、お越し頂ければ幸いです。
内覧会は予約制となっております。下記内覧会案内ページからお申し込みください。折り返し、ご案内・地図などお送りいたします。

■開催地:千葉県白井市
■日時:2010年1月31日(土) pm1:45?
■最寄り駅:北総線「白井駅」

詳しくは、「白井の家」内覧会案内ページをご覧ください。
https://www.yui-sekkei.co.jp/shs/event0131.html


和室のあり方

海外生活経験のある若いご夫婦は和のテイストを随所で好まれました。リビング奥の和室は、海外のお客様のゲストルームとして、またご出産後は育児に活用されているそうです。LDKに面した和室は、床の間での歳時記にあわせたしつらえをみじかに愉しんだり、押入を居間の補助収納として使えたりというメリットもあります。

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今回は『からかみ屋』さんという襖紙専門店にご一緒して選品させて頂きました。柔らかさと華やかさを併せ持つ上品な仕上がりの襖です。年月が経ってから襖紙を張り替えればまた別の雰囲気を味わえるのも、襖という建具の面白さです。下の写真の左側の襖を開けると玄関土間につながり、腰を掛けられる高さとなっています。玄関土間からの写真はこちらから。

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?採光を確保しつつ、将来建つであろう隣の家の外壁はあまり気にならないように、障子は雪見障子としました。障子越しの植栽スペースには、紅葉樹でもあり常緑樹でもあるオカメナンテンや香りのよい沈丁花、日陰にも強いツワブキなどを植えており、その成長が楽しみです。

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