安全性の確認は何の安全性?

最近、増改築の確認申請で役所と二件続けてやり合うことになってしまいました。
既存の建物が完了検査済み証を取っていなかったために、増築する部分の安全性だけでなく、既存部分の安全性を証明しないといけません。両方とも、役所公認の他の設計者が耐震診断をして、耐震補強の内容を指摘し、それに基づいて工事をする予定です。
それなのに一方の建物は、既存部分の安全性を増築部分の設計者が保障しないと増築部分の確認申請は認可できない、ということでした。

もう一方ではこれまで35年間構造的に何の不安も感じさせる兆候はなかった、30坪ほどの二階建ての木造住宅で、以前に役所公認の設計者が耐震診断をしていて、それに基づいて私どもが増改築の設計をするのに、既存の基礎が安全であることを現設計者が証明して欲しいといわれ、ついやり合ってしまいました。現実的に基礎をすべてを壊さないと中にどのように鉄筋が入っているのか、結局分からないのにどう証明しろというのでしょうか。

また一階は増改築せず、外に1畳程の物置を取り付けようとしたら、その物置が与える一階部分への影響と安全性を証明しろときました。さらに既存サッシも建築当時は法的に問題なかったものなのに、現在は防火設備の認定を取得していないと防火上の安全性を確認できないので、認定番号を明記しなさいと来ました。既存サッシは確かに当時認定制度がなかったので、取得はしていません。しかし防火上、それが実際に問題を有しているかどうかは判明できないだけなのです。ガラスを網いりのものにしなさいというのなら、納得できます。法律が後から出来ているのに、それまでのものもそれに従えということです。

これまで日本では新築がメインで増改築については法整備をきちんとしてこなかったつけが、最近景気対策もあり、このような釈然としない問題を多く噴出させているのかもしれません。民間の審査機関も増改築は厄介なものですから、自分たちが審査せず、役所に行くことを薦め、自分たちが審査しようとしません。

このように確認申請の審査官は安全性を高く謳いながら色々注文を付け、それでいて最後は設計者が責任を負いなさいとなります。設計者は言われなくても自分の設計したものには責任あることを自覚しています。だけどこのような確認制度の審査では、何のための安全性なのか、単に役所や審査官の安全性のための確認制度でしかないのではと思ってしまいます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です