月: 2011年6月

西中延の家引渡し

西中延の家が引き渡しになりました。建築面積は大きくありませんが、回遊プランと片流れの天井を組み合わせ面積以上の広がりを感じられるように計画しました。

北側で隣地が迫った外部に開きにくい場所ですが、地窓であれば周囲の住宅と窓がぶつかることも無いので和室として計画しました。そのままでは閉塞感があるので居間との間仕切りを大きな2枚引き込み襖とすることで開放感も得られます。


仮設住宅現場報告2

6月25日山田町の仮設住宅26戸の完了検査たいした手直しもなく終え、加藤を残して自分だけ帰って来ました。施工をしてもらっている昭栄建設さんは工期通りきっちり仕上げていただきました。本当は25日引渡しのはずでしたが、他所の工事が終えそうにないところがあって、実質の引渡しは2週間ほど延期とのことです。それだけの期間があったら、最初からそうしてくれたらもう少しよくなるところがどんなにあったか、思わず不平が出てしまいます。工事屋さんはそういう意味でも優秀でした。検査で引っかかったのは、入り口の袖壁を合板で作った部分にかんなをかけたのですが、手でこすって、少しささくれ立っているから、かけ直してください、とか、湯沸かし器のアースが取れてないなど数点でした。提出書類など後出しジャンケン的な要求が多く、加藤君がぶうぶう言っています。
前日大雨が降り、いくつか敷地に水溜りができ、期せずして事前チェックになりました。入居予定の方などが数多く連日工事を見学していました。仮設住宅の値踏みが結構厳しいようで、節だらけの柱壁やラワン合板の内装で、そんな住宅はほかになく、他所はきれいな仕上げをしているだけに、入居後どう評価されるか気になります。とはいえ、まずは宮古の後二箇所の住宅も無事間に合ってくれればいいがと思っています。


仮設住宅現場報告

一昨日、宮古、山田町の仮設現場見て戻ってきました。
いやあ、山田町の現場は6月25日の引き渡しに向けて、てんてこ舞いです。はっきり行って設計者監理者は邪魔者です。現場管理者は何人いても足りません。当事務所の加藤も監理者ならぬ、管理者です。自分が現場で余計な口を出そうものなら、クレーンからものを落とされそうです。

何か是正したいと思っても、1戸か2戸じゃありません。59戸やり直すんですか?と詰め寄られると何もいえなくなってしまいます。設計者の懸念や拘りは、とんでもない短工期、低予算、納期遅れ、作業者不足の前では、何言ってんの?です。現場での修正は殆ど不可です。現場の手違いで何か相談された時のみ多少の意見陳述が出来るぐらいですかね。それも施工性がよくないと不可です。

敷地を与えられて1週間で3箇所での敷地の配置計画と各棟毎の戸別の実施設計を済ませなければならない仮設住宅の場合、設計者としては出来上がっていく現場は、設計段階での検討不足、反省、後悔等の塊です。特に結設計のように必要以上に時間の掛かる遅筆の事務所では、設計期間の短縮は拙速以外の何ものでもありません。現場での即答も怖くなってきます。

でもよく考えてみたら、こんなどこでもやったこともない未完の工法の提案にのって、やろうとしてくれ、思慮不足の設計図書でも、とにもかくにも現場を納めてくれている現場の方々に、むしろ感謝こそしても、不平は言えるはずのものではなく、所詮身から出た錆、天につばするようなものです。

排水管工事

 

それに引き換え、つくし公園の現場は人が足りずこんな状況です。

つくし公園の界壁施工前の段階

 

端部の住戸は無垢の木がたっぷり現しになります。

 

端部の住戸の妻壁内部
界壁のある住戸妻側

 

それに引き換え、界壁のある住戸は遮音性能を必要とし、界壁の内壁に吸音材を充填し、両側に石膏ボードを貼り、その上に合板を貼る必要があり、こうなってしまいます。

 

ささやかな工夫

 

夏の射熱対策に屋根の断熱材の上にルーフィングを敷き、その上に熱気逃がしに最も安価な小波鋼板を葺いて、通気層を兼ねさせています。でも先端に小波の断面が見えると貧相に見えますので、しっかりと板金できれいに処理しています。費用増と現場からは言われましたが。

 

 

 

ささやかな工夫(現場での後始末)

 

ユニットバスが搬入されたら、サッシの大きさより、窓を設けられる範囲が小さいのです。他の仮設住宅では風呂に窓がないのが多いから、ここも止めよう、となりました。そこで踏ん張って、窓の取り付け位置を外側にフレームを設けてふかし、何とか取り付けました。そのため外壁側の内部に下がり壁が生じてしまいました。木部現しでもしょうがないと思ったら、現場の監督の意地で、しっかりとFRP板で包んで施工していました。ありがたい。

 

 

 

西公園隣の仮設住宅

 

窓の大きさがこんなに小さい。その方が熱が逃げないからいいのかなあ。中に住む人は閉塞感が生じないかなあ。

 

 

 

浄土が浜の上にあったもう完成した仮設住宅
セキスイさんの仮設住宅

 

セキスイさんの仮設住宅はいい意味で普通です。さすがに一日の長があり、仮設住宅としては一枚も二枚も上です。

 


飯能の家に撮影にいきました

新緑が美しい梅雨の晴れ間に、飯能の家の撮影にお邪魔しました。ホームページの設計事例には来月アップしますが、その前に水廻りの番外編。

キッチンは
・小さいお子さんとの距離感をなくしたいのでカウンターに立ち上がりをつけない
・明るくしたい
・吊戸ではなく使いやすいオープンな棚としたい
・扉は木目も活かしつつ好きな紺色としたい
などの要望をふまえた製作キッチンとしています。インテリアとお料理に関心の高い奥様といろいろ相談しながらつくりました。竣工して一年半経ちますが、調理器具や食器がさりげなく使い勝手よく並べられていて、建主さんのセンスが活かされた楽しいキッチンだなあと感じました。

トイレも建主さんの好みを取り入れた、木製の腰壁、お気に入りのタイル貼りとしています。


仮設住宅の進捗状況2

岩手県仮設住宅は山田町26住戸の他に、宮古町ではつくし公園に13住戸、西公園で20住戸もの建設が進んでいます。
3つの現場を行き来している加藤から、次々と届く写真です。


西公園 A棟の壁パネル建てこみ中


西公園は木が多いので、現場は大変ですが、出来たら良い感じになるでしょうね。


いま西公園にいる大工さん達は山田町からやっているので、作業分担が出来ていて、
尚且つ慣れてきたので仕事がはやいですね。


垂木先端の面取りをちゃんとやっている大工さん。


A棟はサッシ枠全部つきました。

宮古町の仮設住宅は7月2日が引渡し予定日です。


写楽展

今週末まで上野の東京国立博物館(平成館)で開催されている『写楽展』を先週末に観に行きました。
会場は非常に混雑しており、東洲斎写楽の人気の高さをうかがい知る事が出来るほどでした。

写楽という人物は、たった10ヶ月という短期間に146点ほどの浮世絵を製作し、忽然と姿を消したという少し謎めいた人物でもあります。その10ヶ月の間に作風が4回も変わり、一番有名な「三代目大谷鬼次の江戸兵衛」は代1期の作品です。

展示枚数の多さもさることながら、展示方法も面白く、東洲斎写楽・歌川豊国・勝川春英らが、同じ役者が演じる同じ役を描いた絵を並べて展示し、その画風・表現方法の違いを一目で感じ取る事のできるようにするなど、大変趣向を凝らした展示となっていました。

同じ浮世絵も数点展示されているのですが、紙の折れやシミの有無、色褪せの程度等にはかなりの差があり、保存状態は様々でした。
そして、保存状態の良い作品のほとんどが海外の美術館の所蔵品でした。

日本の国立博物館に保存され重要文化財に指定されているものよりも、海外に保存されている浮世絵の方が状態が良かった事に、驚いたのと同時に少し悔しく感じるほどでした。

週末の予定がまだ決まっていない方は、是非観に行かれてはいかがでしょうか。


仮設住宅の進捗状況

岩手県で建設中の仮設住宅ですが、現場に常駐している加藤から日々写真が届きます。


床パネルを敷いている様子


搬入された壁パネルは杉柱を連結したもの


壁パネルを設置している様子


建て込みが終わった壁パネル


サッシが付きました


長屋状なので、間仕切る前はとても長いです


屋根が噴きあがりました

予想外の大雨など困難も多いようですが、25日の引渡しに向けて着々と進んでいます。