写楽展

今週末まで上野の東京国立博物館(平成館)で開催されている『写楽展』を先週末に観に行きました。
会場は非常に混雑しており、東洲斎写楽の人気の高さをうかがい知る事が出来るほどでした。

写楽という人物は、たった10ヶ月という短期間に146点ほどの浮世絵を製作し、忽然と姿を消したという少し謎めいた人物でもあります。その10ヶ月の間に作風が4回も変わり、一番有名な「三代目大谷鬼次の江戸兵衛」は代1期の作品です。

展示枚数の多さもさることながら、展示方法も面白く、東洲斎写楽・歌川豊国・勝川春英らが、同じ役者が演じる同じ役を描いた絵を並べて展示し、その画風・表現方法の違いを一目で感じ取る事のできるようにするなど、大変趣向を凝らした展示となっていました。

同じ浮世絵も数点展示されているのですが、紙の折れやシミの有無、色褪せの程度等にはかなりの差があり、保存状態は様々でした。
そして、保存状態の良い作品のほとんどが海外の美術館の所蔵品でした。

日本の国立博物館に保存され重要文化財に指定されているものよりも、海外に保存されている浮世絵の方が状態が良かった事に、驚いたのと同時に少し悔しく感じるほどでした。

週末の予定がまだ決まっていない方は、是非観に行かれてはいかがでしょうか。