月: 2012年8月

遊び心満載の和室

安曇野の家の和室は遊び心が満載です。
床の間の奥にはわざとインパクトのある柄を使いました。

実は、床の間の奥は襖になっていて開けることが出来ます。襖にしたので、建て主さんと相談してあえてこの柄を選択しました。

襖を開けたときは書院として使うことができ、脚は床板(机)の下のスペースに入れられます。掘り炬燵のようなイメージです。
また、この書院は手前にも襖があり、手前の襖をを引き出すことで隠せるようになっています。この襖は壁のように見せたかったので、壁に似た色の襖紙大判1枚貼りにしました。

襖を何枚も様々な位置で引き込む構造はかなり複雑になりました。また、引込んだ襖が隣の押入れに干渉するため、押入れの機能を落とさずにするにはどのようにしたら良いかなどかなり考えました。襖自体に引き手を設けてしまうとそこに建具があることがまる分かりになってしまうため、建具の移動と意匠の両立にも気を使いました。そして、大工さんや建具屋さん、経師やさんにもかなりがんばってもらいました。

最近あまり見なくなった舞良戸(まいらど)を建て主さんの希望で入れてみたりと、面白さも満載です。


土肥の家改修工事スタート

30年程前に藤原さんが設計し、竣工した土肥の家の改修工事が始まりました。
家全体の補修に、一部増築、浴室を広くしたり洋室を掘りこたつのある和室に変えるなど、その他に仕様も変えて大規模な改修工事です。
仕上げ材を剥がしてみると当時の職人さんの仕事ぶりが手に取るようにわかり、ちょっとした事でもしてたのとしてないのとでは大きな差が出てきます。

屋根は塩焼き瓦という瓦葺きです。防水シートから新しく張替え瓦桟を敷き、基本的に外した瓦は再利用して補修が必要なものは新しく取り替えて葺き直します。
海から近い場所で、金属屋根ですとすぐに錆びてしまうので潮風に強く耐久性の高い塩焼き瓦で葺いているのですが、どんどん生産量が減っていてなかなか手に入らないようです。

修善寺駅から現場まで車で40分程の場所ですが、緑が豊富で海も近く、とても良い場所です。
打ち合わせや監理で通っていますが、行く度に気分がリフレッシュされます。