月: 2013年6月

茅野の家 配筋検査

先月末に、長野県茅野市に計画中の別荘の配筋検査に行きました。
敷地は蓼科高原の別荘地内で、それほど山岳地帯でなく高低差もゆるやかで、アクセスもしやすくとても良い環境です。
敷地面積は1200平米以上あり、いつも苦労している建蔽率や北側斜線、高度斜線などの心配はほぼありませんでした。かといって設計計画が楽かと言うとそうでもなく、恵まれた敷地にいろいろな可能性があるだけに、試行錯誤する幅がたくさんあるという難しさもありました。

見晴らしを優先にして、広大な敷地と遠くの景色を見渡せるように2階にリビング・ダイニング・キッチンを配置し、1階よりも2階面積を広くしてプランを正方形にまとめ、広い敷地に対してシンボリックな形状にする案もありました。この案は、寒冷地域では深基礎となるため、コストが高くなる基礎工事を少なく出来る利点がありました。
最終的には、広い敷地との繋がりを優先にして、リビング・ダイニング・キッチンを1階に配置し上部は吹き抜けとする計画になりました。外部にはリビング・ダイニングから続く広いウッドデッキを設けることも出来、1階にしたリビングに設ける薪ストーブの温暖効果も十分に発揮できます。
全体的に南側に間口を広くした長方形に大屋根を架けるという形状になりました。

新宿からあずさで2時間ほどの距離ですが、とても良い場所で、現場に行くのが毎回楽しみです。


1カ月点検

本日、三鷹M邸の1カ月点検をしてきました。
新しい住まいに移られ約ひと月過ごされた住み心地や使い勝手などを直に聞き、心地よく住まわれているという事を聞きホッとしました。こうすると更に良いと思うなど、参考になるお話もうかがうことができました。

点検の日取りの調整をしている時に「結果的に良かった部分もある」という事を伝えられ、「結果的」という事は引き渡し時は良くなかった箇所があったのかと思い心配しながら伺ったのですが、その表現に特に深い意味はないという事をお聞きしてまたホッとしました。
来週末に数組のお客さんをお連れさせていただくのですが、自信を持ってご案内できそうです。

建て主さん自ら外構屋さんと打ち合わせをして完成させた外構は、建築とマッチして良い雰囲気になっていました。
写真は前回写したものですが、この中庭にも雰囲気良く植栽されており、木の成長とともに家自体も成長して、熟成された良い雰囲気になるだろうなと想像しながら点検を終了しました。


実際に設計した住宅を見たい方へ

最近は適当な機会も少なく、一般的な見学会やオープンハウスは控える傾向にあります。でも実際に設計した住宅を見て確認したいと思う方がいらっしゃるのは当然のことです。そこで設計を進めていく中で、その方に合った事例をご案内するようにしています。

また、私どもの設計に関心があって設計を依頼するかどうか迷っている方で、事例を未だご覧になっていない方には、工事中や引き渡し時・1ヶ月点検・1年点検等、機会を見つけご案内しています。
すでに住まわれている方の住宅をご案内する場合は、数組の方に限定しています。

設計事例の見学を希望される方には、ご要望を伺った上で、機会が来た時にご案内を差し上げるように致します。
見学を希望される方が抱いておられる住宅に対しての考え方や、ご予定の敷地条件・予算等によって、ご案内する住宅を検討させていただきたいので、まずはカウンセリングでお話をお聞かせください。

※プライバシー配慮のためお話しをさせていただいた上での完全予約制とさせていただいております。見学ご希望の方は、ご住所・お名前・ご連絡先を明記の上、カウンセリングフォームまたは、E-mail・電話・FAX等にてお申込みください。

カウンセリングページ

e-mail: office@yui-sekkei.co.jp
TEL:   03-5651-1931
FAX:   03-5651-1934


住まいでの生活音響


先日、ある建て主さんに誘われて、音に関して面白い体験をしました。日東紡の第2音響研究所の視聴室で、二個の音響調整器具を置くだけで、音がよりクリアになる体験です。写真のスピーカー脇に置いてある器具がそれです。スピーカーから出た音が、器具の個々の棒に乱反射し合って、音が拡散して音がクリアになるらしいのです。森の中の木々に乱反射して澄んだ音になることを目指して開発したとのことでした。


私どもが設計でよく使用する、小幅板天井も似たような原理もあり、私たちも住宅の中の音が反響し合って不快になりがちな状況を改善したくて、天井仕上げに目を付け、開発で試行錯誤してきました。開発研究者との話はすぐ共感できる素地があって、大変盛り上がりました。

一般的に、音に関して、オーデオマニアでもない限り、防音や遮音には気を配ることはあっても、快適な音を求めるようなことは少ない気がしていました。それでも十年以上前から小幅板天井でデザインと音をなんとか快適なものにしようとしてきたことが、検証できたようでうれしい気持ちになりました。これからも住宅は色形だけでなく、音の及ぼす効果にも気を使って行きたいと改めて思いました。