杭基礎再び

今、国交省の先導技術開発事業の助成で、将来予測される大震災で必要となるだろう応急仮設住宅の改善提案を考えています。今の応急仮設住宅は松杭であり、本来2,3年毎に沈下量を計測し、対策を講じる必要があります。4年までとされる仮設住宅が、実際は十年近く使用される可能性があります。松杭の基礎では限界があり、それに代わる基礎を考える必要があります。かといってコンクリートでは撤去費用が嵩みます。
また、今後、高台移転用の造成がなされ、再建住宅が一斉に始まった場合、今まで以上に基礎やさんとコンクリートの不足が予測されます。そのようなことを考えたとき、抜き差ししやすい鋼管杭を考えることでそれを解決できないかとも考えています。

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写真は軟弱地盤やコンクリート等の重い建築の基礎のコンクリート下に通常使用される鋼管杭で、その杭の先端に羽を付けて支持力を大きくした杭です。
応急仮設住宅の場合は、建設主体が国交省ではなく厚労省なので、建築基準法が厳格に適用されませんので、何とかなりそうですが、恒久住宅の場合は、基準法に基礎はコンクリートの布基礎またはべた基礎、となっていて、単純に杭の上に直に建物を乗せるわけにはいきません。杭には、基礎下で荷重を支持する杭と、数多く打ち込んで地盤改良材としてカウントできる単管等の細い杭とがあります。

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写真はその細い単管の先端に羽を付けて、地盤改良材でなく、撤去が容易な支持杭として、応急仮設住宅に使用できないか研究している杭です。恒久住宅には可能かどうかわかりませんが、少なくとも構造性能を確認し、建築センター等の機関で評定を得る必要があります。