月: 2014年7月

現場の気遣い

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工事初めは土足で歩き回っていた現場も、工事が進むにつれ土足で内部を歩き回るという事はもちろんできなくなります。現場で長く作業する職人さんは自分の内部用履物を用意して作業していますが、自分の履物の用意がない人のために大体の現場では共用で使えるスリッパを用意しておいてくれます。
スリッパは、使いやすく気付きやすいように大体玄関の上り框あたりに置いてあることが多く、その置き方は脇にまとめてあったり段ボールに入れてあったりと様々です。

少し前の写真ですが、豊川の家の現場では写真のように玄関ホール横の壁にスリッパ掛けが作ってありました。
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柱に端材を打ってスリッパを引っ掛けられるようにした単純なものですが、来た人が一目でスリッパの存在に気が付くことが出来、使いやすく、床に物を置かないで済むという現場の気遣いを感じました。


アガパンサス

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アガパンサス、最近、ようやく名前が憶えられてきました。梅雨の今頃街並みを和ませてくれます。数年前に教えてもらってもすぐに忘れ、翌年には名前が出てこない。咲く時期なるといつも思い出せず、記憶力の無さにコンプレックスを感じさせられてきました。
ですが、最近自分に朗報となる本を見つけました。「知性を磨く」田坂広志氏著作の本です。
そこには、答えのある問を、早く正しく見出す能力が知能であるとのこと。ということで、自分の場合知能は低いことになります。ですがその低い者にとって朗報なのです。そこには、だが答えの無い問に問い続ける能力が知性である、とあります。自分の場合、住宅設計という仕事柄、殆どの与条件は、要望する床面積の割に、建蔽率、容積率が不足しているとか、予算の割に要望される仕様やグレードが高かったり等、常に矛盾を孕んでいることが多いのです。その矛盾する条件のまま、答えの無い問を求めつづけて、何とか結果として依頼者に矛盾なく、納得できるものを実現提示することが仕事です。常に答えのない問を、問い続けてばかりいます。この能力だけは、人には負けないと自負しています。
知能の高い人は、答えのない問には、割り切ることで答えを出そうとするとのことです。その場では答えのない問であることは明らかで、誰もがしょうがないと思えます。決して間違ってはいません。しかしこうした判断の奥にあるのは、楽になりたいという思いがあり、その精神が割り切りに流され、深く考えられず、答えのない問を問う力「知性」を衰えさせていくというのです。その本には、では割り切りせずに迅速な意思決定ができるのかという問いには、「割り切り」のこれで行くしかないという受動的回答ではなく、これで行こう!と「腹を決め」という能動的意思決定をするとのことで可能であるとのことです。割り切りでなく、腹きめの場合は心が楽になっていないません。割り切りは心が楽になっているから間もなく忘れます。腹きめの場合は、心が楽になっていないので、決めた対象を心に抱き続けます。心理学者の河合隼雄さんが、愛情とは関係を絶たぬことである、というように、愛情を抱き続ける精神的エネルギーこそが、知性を磨き続けるということです。
最も、自分がアガパンサスの名前を思い出せないでいるのは、決して応えのない問を探しているからではなく、単に、記憶力が衰えていて、思い出せないでいるだけでしかありません。知性を磨いているからでも何でもなく、全く言い訳にはなりませんね。
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サボテンの花

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夕べ、ベランダのサボテンに花が咲いた。夜の12時には咲いたようだから、もうすぐ萎れて散ることだろう。「花の命は短い」の究極かもしれない。一夜飾りではないが、月下美人と同じで、いつ咲くか分からず、咲いたことすら知らないかもしれない、儚い花だ。
最も花にしてみれば、人間のために咲いてんじゃない、余計なお世話、なのかもしれないが。
遠い昔イランやイラクを乗り合いバスで旅行していたことがあった。辺りに緑の全く無い砂漠地帯で、自然そのものが敵としか思えない地帯の、人さえ通わない、あんなところで咲いて、誰にも見られずに一晩で散っていくのかと思うと、なんかいとおしい気持ちにもなる。下の写真の花の咲き方見ても、何となくこちらに哀願しているように見えません?

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大宮の家 内覧会のご案内

大宮の家は6月末に竣工・引き渡しを終えました。
建主様のご厚意により8月2日(土)に内覧会を開催できることになりましたのでご案内致します。
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大宮の家は、ご夫婦と小さなお子さん2人の4人家族の住まいです。
敷地が南北に長いため奥行きのあるプランになってしまいましたが、夏でもなるべくエアコンを使わないで生活できるような「風通りの良い家」と「明るい家」を熱望され、採光と通風に考慮して下屋部分や中庭を設け、間仕切り壁に風の通り道を作ったりといろいろな工夫がされています。

キッチンにもこだわり、壁側にI型の収納も含めた製作キッチンと、反対側には収納付きのアイランドテーブルからなるキッチンです。
食洗機はシンク近くの下に、オーブンは目の高さから少し低いくらいのちょうど使いやすい高さに組み込みました。電子レンジ、炊飯器など家電製品を置くスペースも確保され、間口が狭く奥行の深い収納としては使いづらいスペースには、下から上まで引き出して使える収納を取り付けました。

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住宅の性能は、長期優良住宅の認定を取得していて、耐震等級3です。
暖房方法は、基礎に夜間蓄熱させる蓄熱冷暖房という方法です。冬は、足元からゆっくりと柔らかい暖かさがあります。
外部の仕上げはサイディング張りと左官塗り仕上げの2パターン、内部にも左官塗り仕上げや和紙貼り仕上げの部屋もあり、見学に来ていただいた際には仕上げの違いを見比べることも出来ます。

内覧会は、プライバシー配慮のため予約制とさせていただいております。見学希望の方は事例案内申し込みフォーム、または結設計宛にメール・FAXにてお気軽にお申し込み下さい。
お申し込みの際には、「大宮の家内覧会参加希望」と明記して頂き、住所、氏名、連絡先、参加人数をご記入下さい。
参加申し込みのご連絡を頂いた方に、詳しい住所などをお知らせいたします。

■開催地:埼玉県さいたま市大宮区
■日時 :2014年8月2日(土) 午後2時30分~ 
■最寄駅:JR大宮駅より徒歩で20分ほど(タクシーで約10分)
■申し込み先
事例案内申し込みフォーム
e-mail: office@yui-sekkei.co.jp
FAX:   03-5651-1934