昨年依頼された5件と年初の2件の基本提案がようやく終わった。時間のかかり過ぎかもしれない。設計提案が難しくなってきている。依頼者の設計条件が難しくなってきているせいではない。確かに敷地が複雑であったり予算が厳しかったり、あるいは条件が錯綜していたりなど幾つか難しいものがあったせいも多少ある。しかし原因は自分のせいの様な気がする。
ある程度条件を満たした案はそんなに時間かからず何とかでる。だがその案に自分が納得できないのである。別に特別な事を狙っているつもりはない。だけど今ひとつしっくりこない。きれいな整理が出来ていない。オリジナルな何かがぴたっとはまって提案されていない。細部の諸スペースが矛盾なくバランスよく配置されていない。工事上問題が出る。使用上あるいは維持管理でもう少し良い方法がありそう。等々気になる事が目に付いてしょうがない。昔よりそれが多くなってきている。昔は依頼主が気にしないのであればいいかと思えた事も最近は自分が気になってしょうがないのである。もちろん依頼者の気になるものと必ずしも一致している訳ではない。ある意味では頑迷になっているのかも知れない。発想は衰えている気はしない。むしろ経験が多くなってきた分豊かになってきている。事実、提案も近年の方が独創的できれいになってきていると本人は思っている。でも眼も肥えてきていて、そこそこの案だと
自分をごまかせない。もっといい案が、すっきりした処理があるだろうと頭の奥の自分がささやくのである。そうなるとその奥の自分を納得させるため七転八倒をするのである。提案が命である。提案で妥協したらそれ以上のものにはならない。提案に光るものが込められていれば、その後の実施設計で磨けば磨くほど格段にいいものになっていく。そのことが身に染みているので提案に時間がかかってしまう。
ということで提案が未だなのに"気ままに"など書いて、待って頂いている依頼主の不興を買うのではと休載が続いてしまった。ちょっと一段落したのでこれからは少し書けそうである。