株式会社
一級建築士事務所
 
結設計
我孫子の家
 若いご夫婦と生まれたばかりの赤ちゃんの住まいです。当然のことながら予算は厳しく、贅沢はできませんでしたが、要望された当事務所の仕様はなぜかほとんど盛り込まれています。これは建て主さんの仕様へのこだわりと、最初だけでなく何か問題が生じてもそれへの私たちの割り切った提案を喜んで受け入れていただいたためではないかと思います。
 今回は構造的に無駄のない単純な空間構成でどれだけ新鮮な味をつくり出すことができるかを試み、大技ではなく小技を多用した住宅です。
 その1はツートンの外壁仕上げです。下側をいつもの特殊モルタルを櫛引で仕上げ、上側は漆喰壁とし、木の見切り部材で黄金比に近い割合で色分けしています。
 その2はベランダの手摺りを横使いの木格子とし、それをわん曲させ、素材の自然色によるアクセントカラーにしてあります。
 その3は南側の屋根を大きくはり出し、ランマのガラスを透明にして軒裏まで達するようにし、子供室の天井まで透き通って見えるようにして、内部から開放感を外部からは軒の深さを強調しています。
 その4は内部に4、5畳ほどの吹き抜けをとって内部空間の中心的な空間とし、決して広くはない居間、食堂、厨房を、空間を垂直にのばすことで広がり感をつくりだし、この吹き抜けを書斎コーナーや子供室、寝室で取りかこみ、階段上部の吹き抜けや2階洗面室と一体化することで家全体の気配を感じ合う装置の役割を担わせています。
 その5は、その吹き抜けの腰と居間・食堂の天井を当事務所特有の吸音仕様の小巾板で仕上げ、かつその天井を和室にまで延長させることで、全体に一体感を持たせています。
 小巾板一枚を一枚おきに抜いてそこに和室の天井照明を仕込んだ照明や、パソコンのキーボード置きを組み込んだ家具、当事務所がデザインした組立式の宅配便でも送れる家具(食卓、イス、ソファー、センターテーブル)、外断熱仕様に付随したファンコイル床下温風暖房等、これまで蓄積されてきた細かな手法が予算的にも厳しくとも建物全体を少しずつ豊かにしてくれているのではないかと思っています。
左:
右:
居間から和室を望んでいます。和室の天井は小幅板に照明を組み込んでいます。
パソコンのキーボードを置くための引き出し、食卓の位置にあわせた吹き抜け天井までの縦長窓です。
左:
右上:


右下:
書斎コーナーを透し、子供室を望んでいます。
子供室です。将来二つに区切れるようにしてあります。建て主さんが天井を木で、柱、梁などもぜひアラワシたいとのことでしたので間仕切りの誘導処置をして活用しています。
洗面所、階段室、吹き抜け上部を子供室側から見たところです。可能な限り空間を一体化して広がりと気配を感じあえるような空間を目指しています。
上:

下:
厨房で調理をしている者の視線のアングルです。外部道路(南東)、庭、内部、居間、和室、2階の書斎コーナー、子供室とほとんどの気配を感じることができます。
南東の道路面からの外観です。

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