この建物について

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メキシコのククルカンと呼ばれるピラミッドです。羽の生えた蛇と言う意味だそうです。名前の通り最下壇の部分に蛇の頭の彫像がおかれています。エジプトのピラミッドとは見た目がかなり違うしサイズ(底辺55m、高さ約24m)もだいぶ小振りです。マヤ人の暦として設計がされているかなり面白い建築をご紹介します。

面白その1:4面に階段が付いていて頂上に神殿が乗っていますが、4面階段段数合計と神殿基壇1段の合計が365段。一年の日数になっています。

面白その2:正面から見ると階段を挟んで9段ずつ9×2=18段ありますが、この段数は当時マヤ人が使っていたハアブ暦一年の月数になります。

面白その3:各段に凹みがありますが、1面につき52箇所となっています。これはハアブ暦(365日)ともうひとつマヤ人の使っていたツォルキン暦(260日)が一巡りして重なる年数(365と260の最小公倍数)52年を表しています。

面白その4:階段最下部に蛇の頭がありますが、胴体は一年に2回 春分秋分の日だけ現れます。階段側面にピラミッド段々の影が落ち、日のあたっている部分がちょうど蛇の胴体になるよう計画されています。

マヤ人は天体観測に優れ、非常に精密な暦を持っていました(1年365.242128日と計算したと言われています)。ゼロの概念もインドより早く紀元前既に使いこなしていたと言われています。こんな人々だから可能だった建築だと言えます。

中学生の頃からマヤ文明に憧れ、数年前遺跡を見て廻って来ました。最近TVでみかけ、またあの暑いジャングルの遺跡に行きたくなってきました。(石井)