欲と人格とルール

先日、友人の引越しを手伝う機会がありました。家具選びからの参入で、何も無い部屋に入った時に隣の部屋から聞こえてきたのは用足しの音。どうやらクローゼットと隣のトイレが隣りあっていて、その部分の間仕切りは石膏ボードすら張られていない模様。本来集合住宅の住戸間の界壁は石膏ボード2重張り+壁内にはグラスウール100mm充填などある程度満たさねばならない規準があるのですが、結構守られていない事例が多いようです。今回のアパートも大手メーカーの物件ではありますが(だからこそ?)、やはり手抜きはあるようです。基準を満たした界壁を作るには上の梁から下の梁まで壁を作ることになるので工程にも結構影響があり、昨年竣工した集合住宅では(原因が界壁だけかはさておき)随分と工期も遅れてしまったのですが、やはり後々のことを考えるとしっかり施工すべき部分です。昨今、建築関係の不正発覚が多発しております。ルールだから守るという考えが必ずしも良いとは思いませんし、建築主や使用者の不利益にならないために法の抜け道を見つけるのは悪いことではないと思いますが、自らの利益のために不正な設計や指示をするような無神経さを持つようになってしまうのは人間としてあまりに悲しいことだと思います。(柳本)