2007旅 パリ編

出発前は慌ただしい毎日で、荷造りは出発前日の夜でした。リベンジと息まいていたものの結局準備らしい準備はできないまま12年ぶり2度目のパリ。今回の旅でどうしても行きたかった場所が幾つかありました。そのひとつがフランス人建築家ジャン・ヌーヴェル氏の「アラブ世界研究所」(1987年竣工)。もともと然程好みではなかったのですが、前回の旅で訪れなかった事が何故かずっと悔やまれて、今回の旅先をパリに決めた一つの動機にすらなったのです。長年思い続けたこの建物は20年の年月を全く感じさせない姿で迎えてくれました。

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表層のモザイク模様は日射を感知するセンサーによって薄い金属板がカメラのシャッター絞りのように開閉し室内の明るさを調整します。開閉の瞬間を目撃するといかに研ぎ澄まされた繊細なディテールでいかに非常識でダイナミックな発想かを思い知らされました。今回の旅、イスラムとパリがここでつながりました。最上階のテラスはセーヌ川越しにパリが一望できるちょっとした穴場です。(中嶋)

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