建築確認申請の現場では

今日、確認申請審査機関にコンクリートと木造の混構造住宅の構造審査について考え方の方向性の事前相談をすべく構造設計の専門家と行ってきました。以前なら相談に行くまでもない内容なのですが法改正で今、法律で想定した構造パターンから少しでもはみ出した考え方をすると審査機関によっては審査拒否、もしくは審査にとんでもない日数を要求されることや、構造専門家の考え方を認めようとせずやり直しを要求することもあります。構造をよく考えて設計しているかより法律どおりの範囲内のやりかたをしているかどうかが審査で、建物の安全より審査官の安全を求めているのではと皮肉りたくなるほど現場はここ半年以上混乱しています。

設計者の考える建築は当然ながら依頼者の提示する条件や状況に建築を合わせようとする行為であり、決して建築に人を合わせることではありません。依頼者の要望や状況は千差万別であり法律で簡単にくくれるようなものではなく、誠実に設計しようとすればするほど法律の想定パターンの考え方におさまり切れなくなることが多いのです。

構造の審査官も具体的な話の相談に対しても、実際全書類を出して頂かないとはっきりしたことはいえないと、事前相談の意味なく、抽象的法律論に終始し確かな回答はしてくれませんでした。

ブログでこんな難しそうな話を出したのは、混乱している現場の状況と今後ますますメーカー住宅のような画一化した建築だけが多くなりそうで、その危機感になんとなく書かずにいられなかったからです。御容赦を。(藤原)