旧家

滋賀県近江市の遠縁のところへお墓参りに行きました。商人として得た冨で建てた小学校やお寺の見学、資料館になっている生家の見学もするというので、連れられるままに参加しました。築70年以上の日本家屋を補修し増築して住んでいるご自宅にもお邪魔しました。はじめは社会科見学のような気分でいましたが、お話を伺っていくうちに、旧家を維持していくということは、ハードとしての「家」の維持管理が大変だということのみならず、「いえ」というソフトなもの(それをなんと呼ぶのかサラリーマン家庭に育った私には想像しかできないのですが)、それを代々引き継いでいくことなんだと感じました。

旧家を守っていくという感覚は、ひとつの「いえ」だけでおわることはなく地域と密接につながっているようでした。見学したお寺は、檀家が少なく住職さんを迎えられず、数少ない檀家で持ちまわりで、責任を持って維持管理しているとこと。とても美しく整ったお寺で住職さんがいないとは思えませんでした。ただ各檀家とも高齢化がすすんで子世代がいないのでこれからは大変だと聞きました。

都会に育って代々引き継ぐべきものなんて何にももたない自分の存在と、ふらっと遊びにきた私達への親切で暖かい田舎で受けたもてなし・・・。今回の旅は、ハードとしての家のひとつの形を見学するつもりだったのですが、「いえ」やアイデンティティについてとても考えさせられて、まだまだ消化不良です。

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