軒の出

まさに冬本番といった気候ですが、そんな中でも安曇野の現場は着々と進行中です。
平屋建ての住宅ということに加え、同時に二棟の工事ということもあり、基礎だけの状態でもかなり広いです。

大工さんの手際の良い作業により、冬本番前には屋根がかかり雪などが構造躯体や屋根下地に積もることを避けることができました。
安曇野の家の屋根には屋根通気工法及び製作棟換気を採用している為、屋根工事にはかなりの時間がかかるのではと心配したのですが、それも大工さんの手際のよさによりとてもスピーディーに進みました。

二棟には様々な違いがあり、その一つに軒裏の仕上げがあります。
一棟は小幅板の軒裏、もう一棟は日本建築独自の垂木を見せた構造です。軒の出は両方とも1m50cm出ているのですが、その仕上げの違いにより全く雰囲気の異なる住宅となります。

垂木を見せる軒裏は、軒裏の美しさを見せる為に細い化粧垂木を取り付けることが一般的なのですが、そうしてしまうと構造材の垂木と化粧の垂木とで軒先がかなり大きくなってしまいます。加えて、深い軒の場合は構造用の垂木のサイズも大きくなり、更に軒先が大きくなってしまうのです。
それをいかに小さくし、軒裏の美しさ、屋根の軽快さ、屋根通気工法など複数の項目を含んだ屋根にするかということに設計時にかなり苦労しました。

これならいけると書いた図面は大工さんにとってとても手間のかかるものとなりました。
大工さんと相談し、効率よく施工できるように加工などを検討してもらい、完成したのが写真の軒裏です。

とても綺麗な仕上がりです。