住まいでの生活音響


先日、ある建て主さんに誘われて、音に関して面白い体験をしました。日東紡の第2音響研究所の視聴室で、二個の音響調整器具を置くだけで、音がよりクリアになる体験です。写真のスピーカー脇に置いてある器具がそれです。スピーカーから出た音が、器具の個々の棒に乱反射し合って、音が拡散して音がクリアになるらしいのです。森の中の木々に乱反射して澄んだ音になることを目指して開発したとのことでした。


私どもが設計でよく使用する、小幅板天井も似たような原理もあり、私たちも住宅の中の音が反響し合って不快になりがちな状況を改善したくて、天井仕上げに目を付け、開発で試行錯誤してきました。開発研究者との話はすぐ共感できる素地があって、大変盛り上がりました。

一般的に、音に関して、オーデオマニアでもない限り、防音や遮音には気を配ることはあっても、快適な音を求めるようなことは少ない気がしていました。それでも十年以上前から小幅板天井でデザインと音をなんとか快適なものにしようとしてきたことが、検証できたようでうれしい気持ちになりました。これからも住宅は色形だけでなく、音の及ぼす効果にも気を使って行きたいと改めて思いました。