長野県で見た杭らしき基礎

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長野県の現場に行く途中、気になる基礎を見てしまいました。
コンクリートの束石を基礎にした住宅です。

なぜこんな基礎が気になったかというと、今、被災地の復興再建住宅作りで、釜石に通っていますが、そこで問題になっているのは、コンクリートと基礎屋さん不足で、基礎工事ができないことです。それでコンクリートの布基礎ではなく、杭を基礎にできないか、個人的にいろいろな方面で暗中模索だったからです。
理想としては、鋼管杭を基礎とし、それに土台を乗せただけで建築できればすぐに工事が進められます。

被災地の沿岸地域はもともと生コンプラントが小規模で数も少なく、復興事業が始まり、防潮堤などの土木工事でとてつもない量のコンクリートの需要が生じて、住宅の基礎などは、たまたま土木の需要がなかった時にまわしてもらえるる状況です。しかもその時に基礎屋さんが都合つかないと、またいつコンクリートをもらえるかわからないのです。次回アップ予定の森の貯金箱事業で始めた被災地の30坪1000万円の復興再建注文住宅の第一号がようやく完成しましたが、本来1年以上も前に完成していておかしくない工期でした。

職人不足は基礎屋さんだけでなく当然大工さんはじめ、各職方すべてに言えて、それぞれの都合のあった時に作業が進むという塩梅なのです。当然ながら物不足、職人不足で工事費は際限なく高騰し続けています。

釜石は、本来住宅を建てられる土地は少なく、建てられるところも、津波の恐れがあるということで、高台を造成することでしか住宅地は生み出せない地域です。その造成も、候補地がようやく決まり、森林組合に山林の伐採の打診が来たとのことです。しかもその伐採予定地は、虫喰い状態で、残りはまだ売却が決まってないようです。ですから、造成地ができるのはあと数年かかるのではといわれています。今建てることのできる方は、たまたま知り合いが土地を持っていたような方です。こんな状況ですでに、工事費や工期がこんな状況です。

そんなこともあり、何とか杭で基礎を作れないかと思案していて、このような杭らしき基礎の住宅が目に付いたわけです。