被災地再建住宅第一号

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岩手県三陸沿岸に、職人不足で工事が遅れに遅れ、一年がかりでようやく完成した、30坪1000万円の、森の貯金箱プロジェクト、復興再建住宅1号の工事途中写真です。
この住宅は、柱を連結した無垢のパネル壁で構成され、パネル壁は土台や梁と金物や金属パイプで接合され、金物と木はピンで固定する、FSB工法で建てられています。
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この固定ピンを抜くと、パネルと梁等の横架材とは無傷で分離出来ます。そのため、分離されたパネルは異なる間取りの建物にも再使用可能です。
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壁パネルの外側には岩手の地域に合った厚みの断熱材を貼り、通気層を設けて防湿シートを貼り、本来は杉の下見板を貼るんですが、今回は建てぬしさんの希望で金属のガルスパンというサイディングを貼っています。
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内部は、杉の柱材をそのまま現しにして、工事費を節約しています。木材の持つ湿度調整機能をフルに活用しています。
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上の写真は、蓄熱暖房の給湯バルブのヘッダーです。1000万円には暖房工事費は含まれていませんので、80万円程増額になりますが、加算していただきました。暖房はエアコンの室外機と同じ構造のヒートポンプで、深夜電力でお湯をつくり、それをパイプで床下に送り、土間コンクリートを温め、蓄熱させます。この住宅は通常の在来工法の住宅より、3~4倍の木材が使用されているため、建物全体として熱容量が大きく、一度温めると冷めにくい構造になっています。深夜電力で1/3の電気代で、ヒートポンプ方式でさらに1/2の電力使用効率でお湯を作るため、灯油より割安のランニングコストですみます。
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対面式のキッチンから見た、居間食堂玄関方向を見た写真です。
この住宅一軒の木材で釜石地方の森林整備が1ヘクタール進むことになります。