大都会のビルの狭間に木造住宅が

都会の変貌は激しい。中高層ビルがまた解体されている、と思って毎日その解体現場前を通勤で歩いていたら、ある日突然、解体されたビルの裏側に、解体されたビルと両隣のビルに囲まれて、数十年間に渡って、陽も射さずにあったであろう二階建て木造住宅が、高層ビルの狭間に、突如朝日を燦々と浴びて気持ちよさそうに、しかし肩身狭そうにひっそりと建っていた。