新型コロナで考えたこと2「アウトドアの効用」

今朝は滅多にないことですが、下り方向の道路がかなり渋滞していました。
新型コロナで三連休を家で過ごすのは耐えられず、山間地のオートキャンプ場を目指した家族連れと思われます。今後しばらくは人との接触を避けざるをえず、自宅だけでは飽きるので、自然の中のキャンプや別荘等のアウトドアが益々盛んになるのかもしれません。

これは子供たちにとって、スマホや店で欲しいものを見つけて反応するだけの、受け身的選択の多い日々に、自然の中のなかでの遊びが多くなり、いいことかもしれません。用意された仕掛けではなく、自然の中で粘土や土をこねくり回し、草木を自らの工夫で楽しいものや欲しいものに変えていく遊びからは、物事には選択だけなく、自らの工夫で変えることができる、つまり可塑性がある、ということを学び、自主的な集中力を生じさせるいい機会になりそうです。

これは脳の中の知性のフレームも可塑的に豊かに発達させるらしいです。しかし、スーパーのバーベキューの惣菜セットなどを購入して済ますだけでは、やはり選択だけの日常と変わりなく、可塑性が育つか疑問ですが。

この可塑性の認識は設計者の創造力にとても重要です。
今日の建築は既製品の活用が多く、その選択に迫られながら物事を決めていきます。しかし選択だけでは単なるコーディネーターの域を出ず、どこにでもあるような建築になってしまい、そこでの条件に最適な解答とは言えず、どこか不都合な面が残り、次善の策になりかねません。

色々な観点から適切で整ったものにしようとすると、選択だけでなく、選択肢も含めその時の条件に最適化するため加工が必要になります。そのような加工は選ぶだけでなく、加工できる要素がないか、どう変えられるかという想像力が必要です。それを育むのが、選択肢だけに囚われず、条件の中での理想を求める思考と物事を可塑的に捉える視点です。

このような想像力は子供達が生きていく上で、想定外の事態になった時、その困難を克服するための創造力にも通じるのではないかと思います。(藤原)