カテゴリー: 家づくりストーリー

伊豆高原の家 建築始まる

公園のピクニックの風景写真ではありません。基礎工事前の現場写真です。先日、敷地が岩だらけなのでどう処置するか、建て主、建築施工者、設計者、それと造園設計者、皆で協議しようと、現場に集まり、その後の昼食のおにぎりを食べているところです。建築屋さんがかなりの土量を入れてなだらかにしておいてくれてあり、地鎮祭の時の下の写真とは一変していました。

頭上は下ような枝が張ってあり、この下に平屋建ての家が建つ予定です。これだけの大木の下に建てるのは始めてで、楽しみです。


家づくりストーリー「棚楼居(ホウロウキョ)」1

エピソ−ド1:余命幾ばくも無い方のいる家づくり

家づくりは、建てる方もお手伝いするほうも楽しい事業ですが、時には切ないこともあります。「棚楼居」の場合、建ててもご主人は何年住めるか分からない、という状況で計画は始まりました。その時のご主人は既にガンに侵されていて、余命幾ばくも無いという状態でした。ご主人が言うには、これまで勝手なことばtかりして来て、家族に迷惑ばかりかけたから、残された家族にいい家を残し、出来上がった住まいを見届けて逝きたいという、主人の強い想いと、奥様の短くてもいいから気持ちいい家に住まわせて上げたいという二人の想いから始まった計画でした。

ご主人に少しでも長く住んで頂くため、計画も出来るだけ早くしよう、防火構造促進地域ということで、鉄筋コンクリート造にせざるをえなく、車いすでしたのでエレベーターは必須であり、いずれにしろ杭工事は必要な柔らかい地盤であり、予算的にも無駄なくするためにも杭の本数が少なくて済むよう建築面積も小さくし、部屋を縦割りではなく、いっそ棚状の横割りの4階建ての間取りとしました。和の部屋も欲しいということで、現代的な和室も設え、お風呂だけが楽しみとのことで、南向きの見晴らしよい広い快適な浴室を設け、病院通いの際の車の乗り降りに、雨に濡れないよう、一階一部をピロティーにしたカーポートを設け、さらに生活の変化に増改築等で対応出来るようにと、敢えて道路際に数台分の貸し駐車場を確保し、当面は残された者の収入の糧となるような計画としました。

ご夫婦とも根っからの江戸っ子、というより浅草っ子で、決め方が恬淡としていて、説明をするとすぐ、分かった、と病人と思えない程と割り切りが潔く、設計も気持ち良く進めることができました。計画中も工事中も、自分はあまり食べられないのに、よく鰻屋さんや寿司屋さんに連れてって頂き、これが江戸っ子なんだろうなという、病身に気を使わせまいとする、気丈で気っ風のよい振る舞いをされ、小気味好い昔のお話を沢山聞かせていただきました。ご夫婦それぞれへの思いやりも、斯くありたいと思えるような振る舞いで、教えて頂くことも多々ありました。このようなお付き合いも永くないのかと思うと、帰りの電車の中で切なくなって来たことが度々でした。


伊丹の家ストーリー3

伊丹の家・エピソード3
 「伊丹の家」は私たちが開発して来たFSU工法で創られています。この工法はプレカットと壁パネルの製作が妥当な価格と品質で出来るかということと、始めての工法に意欲的に妥当な見積価格で取り組んでくれるいい施工者がいるかどうかがポイントになります。下が今回のプレカット工場。

関東では毎回それに苦労していて、思った程普及が進まず、数棟にとどまっています。実は伊丹の家の建て主さんが設計依頼の時、今やられている工法でやっても構いませんよ、と言って頂きました。関西でもやってみたいと思っていた時でもあり、その壁パネルを製作してくれるところと、いい工務店に巡り会えるかが鍵で、初めての地、そう簡単に見つからず苦労すると思っていました。それがたまたま、関東で屋根パネルの製作を専門としている会社の方が、プレカット会社を紹介して頂き、そこにたまたまSE工法という新しい木造ラーメン工法を開発した会社にいた方が転職して来ていて、私どもの工法に関心を持ち、渋る会社に強く推してくれたので、請けて頂くことが出来ました。建て始めと一階北側壁が終わった時点の写真。


そこが紹介した施工者がこれまた優秀で、パネル製作に、自社の大工をプレカット工場に派遣して壁パネルの製作までしてくれました。その工務店の社長が遠方の設計者だから簡単には来てもらえないと、先々を読みながら仕事をしてくれたので、私共の足りない部分も事前にカバーされ、うまく出来たと言っても過言でないところがあります。二階壁完了し屋根垂木が乗った段階。

なぜかうまく運ばないときは、次々と障害が生じます。うまく運ぶときは多少の問題があってもトントンと進みます。出会いの重要なところです。今回の施工は新しい地にもかかわらず予想以上にうまく運んだ例ではないかと思われます。
工事途中に、塞ぐはずの妻側の桁上の三角の欄間を、建て主さんから明り取りにしませんかと提案され、それにも工務店さんは快く応じてくれました。

工事中も遅くまで頑張ってくれました。デッキから中を見た夜景写真