カテゴリー: 中嶋

あかつきの空

人の名前には様々な由来があるものです。私の場合、明け方前に母の陣痛がきて父が運転する車で病院へ向かう時、ちょうど東の空が明るみ始め、その「暁(あかつき)」の空が感動的だったので「暁子」と命名したそうです。
学生の頃、徹夜で製図の課題を仕上げ、幾度か「暁の空」を眺めたことを思い出します。
そういえば結設計に入所した初年度にも1・2度徹夜で作業をした事がありました。
あれから10年の歳月が流れ、この度、結設計を卒業する事となりました。この10年で語りつくせない程の様々な経験をさせて頂きました。
住宅の設計をしていて一番の喜びは建主さんに喜んで頂いた時です。毎日終電で帰宅する疲労困憊だった日々も、その瞬間に忘れてしまう程の魔法です。ある意味、とっておきの「媚薬」かもしれません。
建築現場での醍醐味は監督さんや職人さんとの係わり合いです。様々な価値観をもった各職種のプロの方達と折衝していくプロセスは、出来上がって互いが満足できた時、全てが報われるような大きな喜びに変わります。
10年間で係わってきた一つ一つの住宅の様々な場面を思い出しながら、今改めて感謝の気持ちで心がいっぱいです。ありがとうございました。
結設計を退所した後、結設計から徒歩5分程の日本橋本町に個人事務所を開設致しました。事務所名は「住工房 あかつき設計室」です。結設計での感動をこれから先へつないでいけるように進んで行きたいと思います。結設計共々、今後ともよろしくお願い申し上げます。(中嶋)


世田谷から寺町へ


17年間の世田谷暮らしにピリオドを打ち、7月半ばに引越しをしました。長年地下鉄通勤だったので電車から眺める地上の景色が新鮮です。線路近くに並ぶ高木の松の木は昔この辺りまで浜辺だったことが伺え、風情があって気に入っています。

最寄駅の近くには大きなお寺があり、駅からお寺へ参道が続きます。踏み切り近くには参道入口に続く門があり、遮断機があがると共に人や車が門を潜り抜ける様子は、新旧の時代がシンクロしているようで不思議な感覚を覚えました。このお寺には国の重要文化財に指定される本堂や五重塔などがあり、本堂の屋根は比翼入母屋づくりで、現在この様式の屋根は岡山の吉備津社とこの祖師堂だけだという貴重なものなのだそう。先週末には境内で薪能と市民演奏会が連夜催されました。今回は他の予定があったので観る事ができませんでしたが、近所で味わう中秋の名月の宴、次の機会にはぜひ観てみたいです。(中嶋)


旗・旗・旗

北京オリンピックも無事終了。極限まで戦う選手の姿に久々に心が熱くなりました。一方、開会式の選手入場で参加203ヶ国の国旗のデザインをしみじみ眺めてみると、その色使いや形まで多種様々でなかなか興味深いものでした。「旗」といえば、昨年の夏に旅したトルコ・イスタンブールで街中を旗が彩っていたのを思い出します。

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スタンブールの空港からホテルまでの間、道路には運動会のような黄色や赤の旗が連なっていました。それも信号機や標識にまで!(日本では考えられませんね?)。現地のガイドさんに尋ねると選挙の応援なのだそう。イスタンブールに到着した日はトルコ総選挙の1週間前。ガイドさん曰くトルコ国民は選挙にとても熱くてこの時期は国や地元を離れている人も応援や投票の為にわざわざ帰郷するそう。歴史に名高いボスポラス海峡にも旗で装飾された応援の船が出たり、花火を上げたり。ほぼ時を同じくした日本の議員選挙に対する国民の「エネルギー」の差に驚き、考えさせられました。

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その一方、トルコは他のイスラム国家に比べ然程信仰に厳格ではないそうでミナレット(モスク併設の尖塔)からコーラン(礼拝時刻を告知する呼び声)が町中に響いても拝礼をする姿は殆ど見られず、ガラタ橋からイワシを釣る人々も釣りを続行。歩道も整備され、近代的なトラムが街を走る。この街も「欧米か!?」なんて思いつつ、コーランの独特な「こぶし」が町中のモスクから聞こえてくるとここはイスラムの国なのだと改めて気付かされます。

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アジアとイスラムのジャンクな雰囲気を実感できるグランドバザールは様々な色使いの商品が床から天井まで並びモスクのモザイク模様のごとく色とりどり。幻想の世界を彷徨うように通路を奥へと進んでいくと次第に路幅が狭くなり店の雰囲気も何だか怪し気な感じに・・・。部外者を拒絶するような視線を感じてはっと我に返り、引き返すことにしました。その途中、チャイ(お茶)を啜りながら語らう人々の横で、モスクで見られたように専用の流しで手足や顔を洗い跪いてイスラムの祈りを掲げる人々を見かけました。集落・都市や建築を見る以外にも政治・宗教・経済の一端に触れられる事は他国の街を歩く醍醐味の一つです。さて、次はどの街を歩こうかな。。。(中嶋)


鎌倉の夏

夏です。そろそろ花火の季節ですね。今週初めに鎌倉の現場が上棟しました。建て方の時はそれぞれ別の現場を抱えた大工さんが自分の現場を離れて集まります。夏空のもと、総勢8名の大工さんが息を合わせて組みあげていく様は感動的でした。その様子を道路から見ていたら近所のおばあさんが出て来られて暫しのあいだ鎌倉談議。今年、鎌倉の花火は8月11日(月)だそうです。

翌日は屋根の断熱パネルの建て込み。夏の陽射しがジリジリ肌を突き刺しますが屋根の上は海風が心地良く吹き抜けていきます。屋根の上は眺めも中々です。

f:id:yuiarch:20080725205231j:image:w200 「あっちが八幡さんかねぇ。」「いや、あっちじゃねぇか?」

f:id:yuiarch:20080725205232j:image:w200 ほらほら、大工さん。そんなこと言ってる間にパネルが飛んできましたよ。頭上注意です。

f:id:yuiarch:20080725205233j:image:w200 自然と役割分担。順調に作業が進みます。

f:id:yuiarch:20080725205234j:image:w200 そして完成。完璧の出来に皆、満足気味。お疲れ様でした。

f:id:yuiarch:20080725205235j:image:w200 花火のように色鮮やかなガクアジサイは6月半ば、基礎工事の頃の鎌倉にて。

f:id:yuiarch:20080725205236j:image:w200 ・・・寄りはちょっとピンボケ。

鎌倉の現場は年内完成予定。今年の夏は蝉と鳶の鳴く自然豊かな鎌倉で「夏」を満喫できそうです。(中嶋)


水郷町並み散策

忘れた頃にやってくるブログ当番。下書きを書いて、さて、アップしようとブログを開いてびっくり!石井とネタがかぶってしまいました。奇遇ですねぇ。。。ちなみに同行してはいません。せっかく書いたネタなので、そのままアップしちゃいます。

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先月末、自称「佐原観光親善大使」に連れられて、茨城県と千葉県の境にある水郷の町、潮来(いたこ)と佐原に行ってきました。あやめが咲き始めた潮来では白無垢姿の「潮来の花嫁さん」と遭遇。この地域には「潮来花嫁さんは?舟でいく?♪」という歌があり、その昔水郷の町では陸路の代わりに水路を渡って嫁入りしたそうです。今回はあやめ祭りに付随した市の企画らしいのですが、小雨の降る中、東京から応募されたという可愛らしい花嫁さんがご両親と共に舟で渡って行きました。

潮来から利根川を越えて千葉県に入ると佐原市です。佐原は町並み保存と観光に大変力を入れた町として噂には聞いていましたが、・・・なかなかです。完成しても間もないような蔵造りのお店は床屋さん。町には美味しい鰻や酒蔵があり、岡山の倉敷にも似た散策しやすい川沿いの道があり、古い建物が所々に見られ、古の雰囲気に心を擽られます。

関東で町並み保存に力を入れている町が佐原の他に川越と聞きました。・・・ドキッ。佐原・川越・・・共通なのは関東三大祭り。そしてもう一つの町は私の育った石岡なのです。佐原の町を歩きながら、政策の違いでここまで町の活力が違うのかと、なんだかちょっと故郷を淋しく思ったりもしました。伝統ある祭りの残る町は人々が結束します。その結束をもって地方の伝統と産業を上手に活かす事ができないものかと、雨の上がった佐原の町を歩きながら少しだけ思いに耽りました。(中嶋)

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旬の緑を味わう

旬の時期に旬の食べ物を頂くことは栄養面でも体に良いのだとか。

旬の時期に旬の植物を愛でることも精神面で体に良さそうですよね。

旬のものは旬の時期に!とGWの前半は京都に行ってきました。

新緑のやわらかな若葉が美味しく・・・いえ、美しく、心がお腹いっぱいになりました。

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5年ぶりの京都は人混みを避けるように宇治・西芳寺・地蔵院・桂離宮・大徳寺を回りました。雨が少ないせいかまだ時期が早いのか、西芳寺の苔は期待した緑のヴェルヴェットには程遠くモミジの若葉に色は劣るものの、しんと静まりかえった禅寺庭園の景色はこの世と思えない幻想的な雰囲気が漂っていました。一方、翌日に訪れた桂離宮は新緑と鮮やかなツツジの色に溢れ、雅びな華々しさは云わば美の楽園。遠景近景の重なり、レベルの高低から石畳の石の配列に至るまで計算し尽くされた美の極みに酔いしれた一時でした。(中嶋)

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3つの写真は地蔵院。モミジと苔の緑が美しかった!


春うらら・・・の裏で。

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風そよぐやわらかなピンク色。今年も桜は穏やかにうららかなる春を魅せてくれました。

今月初め「つくし野の家」が完成し満開の桜並木を歩きながら桜にカメラを向けていると、ふとゴツゴツした樹皮の中に打ち込まれたプラスチック(?)の栓を見つけました見ると並木の桜のほぼ全てに打ち込まれています。なんとも痛ましい・・・。その時は、寿命が短いといわれる桜の木ですから何らかの治療かな?と思いながら眺めていました。

それから数日後、「てんぐ巣病」という病名を知りました。

f:id:yuiarch:20080422225047j:image:w210 ※参考写真

「カビの一種が原因で発生する伝染病。感染すると枝が異常に発生して花が咲かなくなり放置しておくと感染した枝はやがて衰弱し枯死する」

・・・なんと!!

病名すら全く知らなかったのですが、伝染病なだけに「桜の名所が消える!?」と、九州や北海道では数年前から深刻な問題になっているようなのです。感染が見られるのは特にソメイヨシノで、感染した部分の枝を切除し、燃やして消滅しないと菌が他の木に伝染するという厄介な病気。まるで宮崎駿の「風の谷のナウシカ」に出てくる『腐海(フカイ)の菌』のよう・・・。尚、てんぐ巣病は隣国中国でも発生し、桜以外でも一部の建材となる樹木の生育に問題になり始めているようです。うららかなる春の裏、ちょっとショックなニュースです。(中嶋)


桐の家具

ブログの更新が途絶え、色々な方から惜しまれる声を聞きました。ありがたいことです。そこで、毎日更新とはいきませんが、ゆっくり再開する運びとなりました。またまたよろしくお願いします。

昨年のブログでご紹介した桐のフローリングは新潟の「イシモク」という桐専門の会社の製品です。最近事務所の近くにギャラリーがオープンしたというのでお昼休みに行ってみました。するとちょうど新潟から社長さんが来ていて、桐の魅力と試行錯誤した35年間の話を聞かせて頂きました。ギャラリーには桐床はもちろん、椅子やテーブル、建具にキッチン家具と、あらゆるところに桐が使われています。手に触れる部分は角を丸め、触り心地の柔らかな感触はまさに桐ならでは。ぜひ一度感触を体験してほしい桐の家具です。(中嶋)

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つれづれなるままに・・・。

2008年が始まりました。今年もよろしくお願いいたします。

ブログの更新が疎らになっている事にお気付きの方もいらっしゃるかもしれません。新年からは、「つれづれに想う」事を「気ままに」書くことになりました。皆さんも気ままに覗いてみてください。

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写真は一昨年の秋に訪れた奈良、猿沢池に映る興福寺五重の塔。真っ青な空が淀んだ池の水を青く変え、悠久の時を経て凛と佇む情景は、現世の混乱を忘れさせてくれる美しさでした。2010年に平城遷都から1300年の節目を迎える奈良では再来年に向けて様々な企画が催されるようでちょっとだけ賑わいをみせているようです。個人的には京都に比べて人が疎らな雰囲気が結構好きなんですけれど・・・。経済的に見ればよそ者の勝手な言い分ですね。お詫び(?)も兼ねて写真を反転しておきます。(中嶋)

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師走の第九

f:id:yuiarch:20071226211100j:image:left:w200 今年もあと2日で終業。月並みですが、今年は取分けあっという間の1年だったような気がします。あっという間の忙しない(・・・しかも連日終電の・・・)日々にあっても休みを見つけては家族や友人と国内外へ旅行に出掛けたり美術館や演奏会に足を運んだりジョギングやゴルフ(打ち放し限定)を始めたりとここ数年来でも中々充実した1年だったと、自分の体力に心の中で拍手。これもお正月の3日間に早朝ウォーキングをしたおかげかな?

締め括りという事でもないですがクリスマスにベートーベン・第九を聴きに池袋の東京芸術劇場に行って来ました。力強いハーモニーに来年への弾みをつけて、意気揚々と(?)新年を迎えられそうな年の瀬です。(中嶋)