最近、リビングダイニングの床を畳敷きにしたいという方の依頼が3軒ほど続いています。食堂を堀炬燵風の足を下ろせる形式にしたことはありましたが(事例茶の間のある家)、全面畳というのはありませんでした。お三方とも30代で決してシニアというわけではありません。設計者から薦めたわけでもありません。
居間の床を畳にと要望されたのは伊丹の家の方が最初でした。
居間の先は二階デッキになっています。周囲は二階居間といえど、往来方の目を避けるように高めの手すり壁にしています。
デッキの隅の床は切り込まれて、持ち上げられます。
デッキからの施錠を外すと、ボルタリンの壁を伝って車庫に降りられます。
食卓は掘り込みの座卓になっていています。キッチンは調理する方の目線を食事する方と合わせるために35センチほど下がっていて、畳に座ってカウンター側でも簡単な食事ができます。
キッチン上のフラットバーは上下を照らすライン照明です。
冷蔵庫はキッチン収納庫側に納め、そこにはインターホンや集中スイッチ、ごみ収納や家事用の机もあります。
居間にも専用収納や簡易座布団置き場、パソコンコーナーも用意されています。
実は寝室のベットも、以前の家でも使用していた畳ベットにしておられます。
二階リビングが畳だからと言って、和室がないわけではありません。
引き込み障子付きの掃出し窓も、風抜き地窓もある客室になります。
窓の外には濡れ縁があり庭になります。
濡れ縁から外に出てみた外観は、木を大量使用するFSU工法で作られた家とは思えないたたずまいです。
このように常識に囚われず、ご自分なりの家にできたのには理由があります。実はこの伊丹の家の建て主さんは、以前設計させていただいた、事例・戸神台の家と同じ方で、二回目の設計であったということが、大きく影響していたと思われます。