つくば市郊外の家

建築敷地は市街化調整区域にありますが、開発された土地にそのまま建てたものではなく、将来的に自分の意向に合った使い方ができるように、開発行為の申請を取り直す作業もした上で、9年程前に建てた家です。広めの土地でしたので、一軒の住まいだけでなく、その後に多様な活用ができる自由度を残し、かつ余計な費用を掛けずに済む開発行為を行いました。将来は仕事で活用することも考えられていましたが、結果として5年後に両親の家を建てる敷地として活用されました。

そちらは、別に紹介します。▷「つくばの離れ」

南北に長い、南面接道の広い敷地なので、リビングは当然一階に設けようとするのですが、二台分の屋内車庫(インナーガレージ)を設けることが条件であったため、車庫が建物の南面の間口を塞ぐことになり、思った以上に平面構成は容易ではありませんでした。車庫を別棟にすれば楽ですが、残り敷地の多様な将来の活用を考え、住まいと一体型にしたので、四角ではない変形平面のリビングダイニングになっています。

つくば市郊外の家データ

所在地  :茨城県つくば市
構造   :木造2階建て
敷地面積 :1073.65m2(324.78坪)
建築面積 :186.63m2(56.46坪)
1階床面積:168.22m2(50.89坪)
     〔インナーガレージ43.53m2(13.17坪)含む〕
2階床面積:  90.01m2(27.23坪)
延床面積 :258.23m2(78.11坪)
建蔽率  :20.00%(容積率対象延床面積:214.70m2
容積率  :17.39%
施工   :霜村建設
設計監理 :結設計 藤原・藁科

写真撮影 :結設計 加藤

南面道路は幹線道路のため車の往来があり、道路際の出入りは危険が大きいので、門は電動で開閉でき、道路との間に車幅の寄り付きを設けることで、その危険を回避しています。

車庫を西に寄せ、玄関ポーチは東側にした方が、リビング陽光を多く確保できますが、それは宅配便屋さん等の来客にリビング前の庭が丸見えになり、プライバシーが守られません。それで玄関を西に寄せています。

玄関に入った向こうの窓の外に小さなコートを設けて迎い入れるしつらえにしています。


リビングとそこから眺められる庭の風景です。奥にはキッチンとダイニングが見えます。南北に長い建物でも南側からの陽光を取り入れられるように、三角形に近い平面形状になっています。

家の中心的位置に薪ストーブを設けていて、料理にも活用されているようです。

北東の角の朝陽がたっぷり入る位置にダイニングが設けられています。

キッチンからリビングやダイニングの様子と庭の様子までわかります。

ダイニングから眺められる庭の全景です。門までも見通せますが、植栽を目隠しにすることでこちらが見えなくしています。

夏には、ご家族でこの庭でバーベキューをしたり、テントを張ってキャンプしたりと楽しまれているとのことでした。

夏の夜の様子(建て主様よりご提供いただいた写真)
テントを張った様子は、▷ブログ記事「コロナ禍にこんなキャンプはいかが」で紹介しています。

玄関廊下の脇に設けてある客室で、和室にすることで多様な使われ方ができます。

洗面脱衣所で、浴室とガラスで隔て、一体化することで広がりと明るさを確保しています。

二階廊下で、三室の子供室や寝室へいく廊下で、吹き抜けに面していて居間を見下ろすこともでき、その廊下幅を少し広くして、子供たちの勉強と親のPCコーナーにもなっています。洗濯機置き場、及び室内物干し場にも近く、家族の交差点のような役割を果たしています。


お子さんが勉強されている様子。▷新築二年後で勉強していた時のブログの写真です。

リビングの勾配天井の高いところに、ちらっと見えるのが吹き抜けとそれに面する勉強コーナーです。1階と2階の勉強コーナーの間で、それぞれの様子が感じられます。

玄関脇には車庫に続くシューズクローゼット。

玄関土間からと玄関ホール両方から出入りできます。

薪ストーブ用の薪ストック置き場。
薪ストーブは冬場にかなりの頻度で使うそうで、これだけの量の薪がストックされています。

薪置き場から眺めた、離れとして建てたご両親の住まいで、適度な距離を設けて計画ができました。

敷地東南側(道路)から見たところ。隣地の畑の越しに見える切妻屋根の平屋建て住宅が離れで、その奥に見えるのが「つくば市郊外の家」です。植栽が目隠しになっていて、プライバシーも確保されています。