鎌倉借景の家

鎌倉借景の家 コーナー窓
二階コーナー窓からの眺めです。目に入ってくるのは豊かな緑と青い空です。すべて借景です。

土地探しから始めた家で、鎌倉の土地は価格的に無理だろうと、逗子や葉山の土地から探し始めました。たまたま鎌倉に価格的に極めて有利な土地が出たということで一緒に見に行きました。敷地は道路から2m程高く、隣の塀を支えるように地下車庫があり、前面道路も80㎝程セットバックが必用な私道で、敷地を支える擁壁状の外階段も壊す必要があります。その上に十数年は放置された廃屋が建っている土地でした。確かに価格的には有利でも、扱い方が難しく、購入を躊躇したくなる土地でした。

近寄ってみると複雑な構成がよくわかります。敷地地盤は、元々は、外階段を兼ねた既存擁壁と既存車庫で支えられていました。既存の外階段は、法規上(2項道路により)セットバックを必要とする部分に入っており、新築時には、既存車庫と共に解体撤去をする必要がありました。(二台分の駐車場を確保するためにも)ただし、既存の地下車庫の西側に隣地所有の塀を兼用した擁壁(写真左側電柱奥の壁)があり、既存車庫を撤去すると倒壊の懸念がありました。
そのため行政指導で、既存車庫を撤去しても、この擁壁が倒壊しない証明を許可条件を課されました。

この建物計画の土地探しから完成するまでの経緯等の詳細については、ブログ記事の
鎌倉山の土地探しからの家づくり 何を支援したか)』
に記載していますので、そちらもご参照ください。

この高低差が大きい土地を生かした計画については、下記ブログ記事でも紹介しています。
高低差のある土地の計画 鎌倉編①
・高低差のある土地の計画 鎌倉編②

駐車場の奥行確保のために、深基礎にもなる擁壁を外壁面から1m西(奥)に引っ込め、住まいを南北に広くするためにその深基礎天端と地下倉庫の壁の天端を壁面より迫出しています。
ルーフデッキを広くするためこれも外階段の上に迫出しています。

玄関土間 豆砂利洗い出し

外階段を上って玄関に至ります。床仕上げは建て主希望の豆砂利洗い出しです。

玄関脇にワークスペースを設けています。

その隣に南面する子供室があり、かわいい家具が所狭しと置かれています。

将来二室になるなるつくりをしており、ドアも二つあります。

寝室も南面し、ユニークなインテリア家具が置かれています。

寝室や子供室からは浴室洗面脱衣室にすぐ行けます。

階段室には一階からも二階からも風が抜ける窓が設けられています。

階段を上ると居間になります。窓から見える風景は殆ど緑の木々と青い空です。

階段室の東には和室。押し入れ脇に奥行10㎝の簡易床の間を設えました。

東には壁面後退の緩和を目一ぱい活用して少しでも広く確保したルーフデッキ。

東側にあっても南の陽ざしをたっぷり浴びられ、夏は子供たちのプールが置きっぱなしになります。

リビングダイニングも色とりどりのインテリア家具や絵が置かれています。ダイニングテーブルの上にあるのが建て主お気に入りの照明器具です。まぶしいのではと言ったら、気にされて付けずにいましたが、取りつけて頂きました。

証明が取り付く前の写真ですが、やはり華やかさに欠けるかもしれません。

お気に入りのキッチンの奥には、狭いながらもパントリーがあり、ルンバも控えています。和室の襖も置けるだけの壁面スペースも用意しています。

リビングのコーナー窓から日々眺めている近隣の風景です。

そのコーナー窓のブラインドを開け放って道路から見上げた夕景の佇まいです。

鎌倉山借景の家データ

所在地  :神奈川県
家族構成 :夫婦、子供2人
構造   :木造2階建て(地下一階倉庫鉄筋コンクリート造)
敷地面積 :153.03㎡(46.37坪)
地下1階床面積:5.11㎡(1.55坪)
1階床面積:59.33m2(17.97坪)
2階床面積:52.17m2(15.80坪)
延床面積 :116.61m2(35.33坪)
建築面積 :60.94㎡(18.46坪)
敷地面積 :153.03m2(46.37坪)
建蔽率  :39.82%
容積率  :72.86%
設計監理 :結設計 藤原・岡坂

写真撮影:齋部  功
     結設計 藤原・岡坂