この「 鎌倉の家 」の敷地は、間口が狭く南北に奥行のある敷地です。その奥行に沿って西側に細い通路が存在しています。その通路と奥行の長さをどう克服し特性に転化できるかが設計のポイントです。
通路に沿ってあった既存の植栽を活かし、コの字状プランの間取りにし、中央部に中庭を設け、そこから各室の光を確保しています。二階西南側を部屋にせず、デッキを設け一階北西の部屋に午後からの陽射しも入れる工夫をしています。居間と食堂が南北に離れている気がしますが、むしろ適度な距離で、なかなか快適そうです。
この家の出来映えの良さ、特に、ディティールと距離感はかなりの部分が建て主さんのこだわりに負うところが多く、空間の良し悪しは、“間”の取り方にあるということを改めて感じさせられました。
写真撮影:齋部 功
所在地 :神奈川県鎌倉市
家族構成 :夫婦
構造 :木造2階建て
敷地面積 :118.6㎡(35.8坪)
延床面積 :115.3㎡(34.8坪)
施工 :株式会社笠原工務店
設計監理 :結設計 藤原・中嶋