カテゴリー: 鎌倉の家

味が出てきた佇まい

先日、10年近く経ったので、気になる不具合を相談したいということで「鎌倉の家」に行って来ました。住まいは住む方の人柄を表すと言われます。その家の前に立った時、緑も増え、手摺の木の色が渋いグレーに程よく経年変化していて、これまで大事にして来た跡が伺え、新築の時より味わい深くなっていました。

中に入っても人柄そのままに、新築時の奇麗さを損なわず美しいままでした。心配されていた洗面所の天井の漏水は、換気扇の外部のウエザーカバーがら強烈な台風時の横なぐりの雨で入り込んだのではないかとなり、さらにカバーを重ねることにしました。その他のメンテナンスのことも納得されて、自分でやれそうなところは自分でやるようなことをおっしゃっていました。ただ二階居間の屋根の軒の、隠し樋のFRP防水の表層の仕上げ部分が禿げかかっていたので、保証期間も過ぎており、プロに防水を再度塗り直した方が良いということになりました。ついでに軒先の鼻隠しも直すこととしました。

上が竣工時の外観です。


鎌倉の家、内覧会お礼の追伸

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鎌倉の家の内覧会での建て主さんの心のこもったご配慮と参加いただた多くの方の慎み深い振る舞いにあらためてお礼を申し上げます。ありがとうございました。
述べ床34坪と手ごろな広さと鎌倉という立地のせいか参加者が多かったので、二交替にさせていただきました。そのため、十分なご説明ができなかった方もいらっしゃったかもしれません。どうかご容赦ください。

間口が狭く南北に細長い敷地であったためか、普段私どもが設計している手法やデザイン要素がふんだんに盛り込まれており、しかも1年間住んでみての感想を建て主さんから直接お伺いすることもできましたので、理解していただくのには最良の内覧会であったのではなかったかと思います。

しかしちょっと反省しているのは、鎌倉の家の特徴である“間”や“スケール感”の微妙さを味わていただけるような上手な案内が出来なかったことです。
気がつかれた方もいらっしゃったと思いますが、鎌倉の家は通常用いるスケールを一部少しだけ変えています。玄関の幅や奥行きはちょっと大き目に、居間の奥行きと天井高さは余裕を持たせ、逆に食堂の天井やデッキと階段上の手すりはそろえて少し低めにしています。中庭の広さは幅も高さも限界寸法です。デッキの奥行きも限界です。仕上げ材もそれに合わせて違えています。居間の天井は高いので小幅板でもさほど重く感じさせず、逆に食堂の天井は漆喰で低さが気にならないようになどしています。
寸法を少し操作することで余裕が生じ、程よい間になるようにしたつもりでした。このようなことは吸音効果と同じで意識しないと気がついてもらえませんが、まあ設計とはそもそもそのようなものですから、心地良いと感じてもらえればそれで十分です。

なにはともあれ、ありがとうございました。


「鎌倉の家」内覧会 無事終了しました。

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「鎌倉の家」の内覧会が無事終了しました。
沢山のみなさんにご来場頂きました。ありがとうございました。

今回の内覧会は、建主様が住まわれているなかでの内覧会でした。今回の内覧会開催を快くご了解頂いただけではなく、この家が出来るまでの色々なエピソードを参加者の方々にお話して頂きまして、建主様には心よりお礼申し上げます。

どうもありがとうございました。


今週土曜日は、「鎌倉の家」内覧会です。

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1月23日の土曜日、建主様のご厚意により、「鎌倉の家」内覧会を開催いたします。
普段は、竣工時の未だ住まわれていない状態で内覧会を開催しますが、今回は住まわれて1年経ったお家の内覧会です。

内覧会は予約制となっております。下記内覧会案内ページからお申し込みください。折り返し、ご案内・地図などお送りいたします。
申し込み多数の場合はお断りさせて頂く場合がございますのでご了承ください。

■開催地:神奈川県鎌倉市
■日時:2010年1月23日(土) pm1:30?
■最寄り駅:JR横須賀線 or 江ノ電 「鎌倉駅」

詳しくは、「鎌倉の家」内覧会案内ページをご覧ください。
https://www.yui-sekkei.co.jp/shs/event.html

追記(2010.1.21)
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申し込み多数頂きありがとうございました。
「鎌倉の家」内覧会は、定員になりましたので、受付を終了致しました。

来週の日曜日にも、千葉県白井市で内覧会があります。
今回参加頂けなかった方は、是非そちらの「白井の家」内覧会にご参加下さい。
詳しくは、「白井の家」内覧会案内ページをご覧ください。
https://www.yui-sekkei.co.jp/shs/event0131.html
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鎌倉の家 中庭の開放性と閉鎖性

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計画案が決まって、基本設計が終わった段階では、まだ決まっていないことがたくさんあります。これらは、基本的には実施設計で細かく決めていきますが、具体的なかたちにしていく工事現場でも検討が必要な場合があります。

”鎌倉の家”でも色々あるのですが、特に中庭に関連したことの、2階デッキの西側の手摺壁を中庭の前まで伸ばすかどうかについては、基本設計、実施設計、工事中のそれぞれの段階で検討していきました。

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手摺り壁の延長を考えたのは、プライバシーを守る目隠しにするためと、2階のデッキと食堂が中庭を介して一体感を出すためです。
又、中庭越しに見える風景が、あまり魅力的ではないので、敷地の外の風景と連続した中庭にするよりも、坪庭の様に、完結した空間としてあった方が、この敷地では良いだろうということもありました。

手摺り壁を延長すると閉鎖性が強くなり、さらには暗くなるのではということを心配しましたが、かといって延長しない場合は、開放的ではあるけど、隣家の窓から中庭や階段が丸見えになります。
直感的には、明るさも開放性も問題無いだろうと思いましたが、現場で、問題ないことを確認するために、実際に板を横に流して試してみました。一緒に建主さんにも確認してもらい、納得していただけました。

出来た中庭は、開放的でありながら、覗かれることを気にしないですむ空間になりました。


鎌倉の家 計画案? 「中庭と明るさ・開放性・プライバシー」

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”鎌倉の家”の中庭の取り方がほぼ決まった案です。

前の案で、敷地の北側に建物を寄せた案を考えてみましたが、西側の明るさの取り方と開放性、プライバシーを守る方法が問題になりました。
また、北側に建物を寄せた割には、南側にそれ程大きなスペースが取れないのもちょっと残念です。

そこでもう一度、前の敷地の時に考えた「計画案?」と同じように、中庭をつくる案を考え始めました。
1階の明るさは中庭から受けられるように、 1階は「コの字型」プランにして中庭を設け、2階は「L字型」プランにして南側居間の西側に「計画案?」と同様にデッキを設け、中庭に光が差し込むようにしました。但しこの場合、前案のように階段が和室と中庭に挟まれる位置だと、1階の和室に中庭から光を直接取り込むことが出来ないので、西側に明かりをとる窓が必要になってしまいます。その解決方法として、階段を廊下側に移動しました。これで和室の明るさは中庭からとれるようになりました。
これによって、1階の中庭廻り(和室や玄関ホール、階段)が明るくなっただけでなく、2階の北側食堂にも陽光が入るようになりました。

中庭を取ることで、1階の玄関ホールと北側の和室は西側に大きな窓を取らなくてもよくなったことと、中庭西側の開放されている部分に生け垣を設ける等目隠しを考えれば、プライバシーも守れます。プライバシーが確保されたので、中庭に面する壁は全面ガラス窓にすることができて、開放性も得られます。

これで、明るさを確保しつつ、開放性があり、プライバシー問題も解決する案になりました。
その後、建主さんと打合せを重ね計画案を幾度か練り直し、建主さんの了承をえて最終案が決定しました。

ここから、実施設計が始まります。


鎌倉の家 計画案? 「明るさと開放性」

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敷地が変わって最初の計画案です。

敷地の東側は、建築中の隣家の影で暗くなることは確実でした。(この敷地を確認した頃にちょうど住宅建設の工事がはじまったところでした。)
敷地の西側には細い道路があり、その道路為にセットバック(図面の濃い緑色の部分)が必要で敷地として使える幅が狭くなるのも分かりました。セットバック部分は、将来道路の幅を拡張する為の部分なので、建物が建てられません。
ただ、その西側道路があることによって、西側からの光が期待できそうでした。

そこで、まずはオーソドックスに敷地の北側に建物を寄せ、なるべく南側に開放された空間として庭と駐車スペースを設けた案を考えてみました。
こうしたプランは、「コの字型」プランより引っ込んだ部分や出っ張り部分が少ないので、外壁面積、窓の面積が小さくなり工事費が抑えられるメリットがあります。

1階の東側は、どうしても隣家の影で暗くなりそうですが、ここにはそれ程明るくなくても良いクローゼットやトイレなどを設けました。
浴室は、バスコートを北側に設けて明るさを確保します。浴室は普通は夜使うところなので暗くても良さそうですが、明るい浴室だと昼間にお風呂に入りたくなりますし、脱衣洗面室に洗濯機を置くことが多いので、洗濯をしているときに明るいと気持ち良いですから、なるべく浴室は明るくするようにしています。
前の敷地と同じで、北側の食堂への陽光がお昼過ぎにはデッキ上から階段上の吹き抜けを通して取り込めるように、2階居間の西にデッキを設けました。

と、ここまで考えましたが、明るさは問題無いとしても西側は道路なので、プライバシー上開放性をあまり高くする訳にはいきません。西側の開放性を高めると、道路を歩いている人達から中が覗けてしまいます。

1階の明るさを確保しつつ、開放性も高く、プライバシーも守れる方法が必要です。

そこで、次の案です。
それは次回につづきます。


鎌倉の家 計画案? 「中庭と光と、建物のかたち」

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”鎌倉の家”の最初の敷地における計画案です。
”真間川の家”を基本形としながら、この敷地だから出来るプランになっています。

「”真間川の家”のように中庭がある明るい空間が良いね」という建主さんの言葉をきっかけに、まずは中庭がある案を考え始めました。
しかし、この敷地は、東西とも隣家が迫っていて隣家越しの光は期待できません。 東西側から中庭に差す陽光は期待出来ないので、南側から光を入れるしかありません。
2階を1階と同じように「コの字型」プランにすると、自分の建物の影になってしまいます。中庭を維持しつつ、中庭に陽光が差し込む形態を考えなくてはいけません。

そこで、2階の居間の東西幅を少し狭めて西側にデッキを設け、2階を「L字型」プランにして、デッキ越しに陽光が入るようにしました。
2階も「コの字型」にした場合に比べ、2階が「L字型」の方が中庭の南側の建物が低くなるので、中庭に陽光が入り易くなります。

このように、同じ様なプランであっても、敷地によって建物形状を変える必要があるので、私達「結設計」で今まで数多く設計してきた住宅は、その敷地が全て違うわけですから、同じプラン・形状のものはありません。全てその敷地だからこそ出来る建物です。

次回は、鎌倉の敷地になってからの計画案をご紹介します。


土地の探し直し

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”鎌倉の家”の建主さんが最初購入された土地は、茅ヶ崎の旗状敷地(上の写真)でした。
この土地の購入前に相談があり、建主さんから「この敷地でも”真間川の家”と同じような住宅が建つでしょうか」と、この土地を購入される前に聞かれました。土地の広さや形状・方位等からみて可能であると判断し「出来ます」とお答えしました。
その返事を聞かれてから土地を購入されました。

この土地での計画案は、気にいって頂けたようでした。
しかし提示後、「その案の良し悪しに関係なく敷地を変更したい」という申し出がありました。私たちもびっくりしました。どうも私たちが案を製作している間に建て主さんは、最初の土地の環境が気に入らず、違う土地を物色していたようです。新しい土地が下の写真です。

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最初の土地は、確かに敷地の四方が二階建ての住宅で取り囲まれた感じがしました。私たちもその土地での建築的可能性は助言できても、他の土地の出物の可能性や価格との折り合いまでは助言できません。多分建て主さんのこだわりが最初の土地の環境に抵抗を覚えさせたのではないかと思います。後の敷地は実質に計画できる広さは殆ど同じで、四方が建物に囲まれる可能性も同じでした。

ただ、未だ東隣には住宅が建っていなくて広く感じられたことと、南道路が行き止まりではないことが、違った印象を与えたと思われます。しかし、後の敷地は、西側に細い道路が存在していてその分セットバックして道路に敷地を提供させられるということと、その道路からの高度斜線制限があるという欠点を持っていました。また後で問題になってくる、文化財埋蔵地区でもありました。容易に判断はしにくい要素を持っていました。