崖上の「奥市川の家・遠望荘」独自の工法と外壁の見学会報告

11月29日に市川市で内覧会を開催いたしました。
コンクリートの既存擁壁に支えられた3m程の段差のある敷地で、立派な道路があっても建築確認申請上の接道とは認められず、建築するには開発行為が必要で、かつ市街化調整地域のため建築制限があり、法的許可が珍しいほど困難な計画でした。上は当日の東道路側からの写真で、地下室の両側が段差を形成する既存擁壁に挟まれている様子がよく分かります。(崖と段差のある土地の建築的活用例ギャラリー | ) 建物はFSU工法という他に類のない建て方と小校下見板の外壁の建築のためか、多くの方に参加いただき、ありがとうございました。
実は社会福祉施設を建てようということで始まった計画でしたが、市としては住宅以外の開発を認めておらず、住宅として建てたものです。

午後にはお花を飾ってくださった方もおられました。

建て主さんの関係者の方でしたが、庭の草花をあしらって、お花を活けて頂き、その花がおかれた瞬間に、杉の角材の荒々しい連結壁が、自然の本物感を強調することになり、一緒に華やかさを増した気がしました。

参加された方から頂いた内覧会風景写真1です。

壁が柱と同寸の角材がボルトで連結されたFSU工法の耐力壁で構成されているという話や、今後他の建築関係者の誰ものがFSU工法の部材を購入して、独自にFSU工法で建てられるよう、部材販売が始まると言う話もしました。

来場者提供写真

興味ある個々の方々には補足説明をさせて頂きましたが、なぜか午前中に来た方が多く集中したので、十分な説明が聞けなかったと言う方にはお詫びいたします。

日差しを浴びながらの南側デッキでの説明(参加者提供写真)。

南側にもある、本来は壁にすべきところを、連続する窓にしようと鉄筋ブレースで耐力壁にして、しかも柱にサッシの枠はなく、バックアップ材を介して直接ガラスを地震の揺れに耐えられるようにしているところを念入りに見ておられる建築関係の方もおられました。

建物が広かったので普段遠慮して頂くこともある小さい子供さんには自由に走り回れる地下の洋室です。(提供写真)

地下には車庫の他に広い多目的洋室を設けています。建築中に事情の変化もあって賃貸にされることも考えているようですので、興味ある方はご連絡ください。

地階から1階までの階段は子供にはいい遊び場のようです。(参加者提供写真)

この家は広いので小さなお子さんんも今回の内覧会では、遠慮して頂く必要がなく、むしろ和やかな空気を醸し出して頂くのに一役果たしてくれました。

内覧会前日に一階玄関前のアプローチがようやく完成しました。
一階木造部分の外部には私どもが森林整備の一助にと、東日本大震災の再建住宅を建てているなかで開発して意匠登録をし、杉材を加工してつくった外壁で、「子校(こあぜ)下見板」と名付けています。数人の設計者に「子校(こあぜ)下見板」を貼った写真を見せたら、使ってみたいというので、FSU工法の部材と一緒に、(有)グルーラムウォール いう会社が販売供給をしてくれることになりました。ご希望の方は上記のホームページをご覧ください。

東道路からの夜景です。