投稿者: 藤原昭夫

周辺の視線を避ける平屋建ての住まい

最近ブログや事例紹介がご無沙汰していて、親しい方に心配されました。紹介したい事例や、書きたいことはなくはないのですが、私どもの設計は要領が悪く時間がかかり、ブログどころではなく、待たれている方の業務を上げなければと思っているうちに、時は待ってくれずご無沙汰している次第です。事例紹介も、そんなことで撮影の機会を逃してしまい、今年の初夏にいくつか予定していて、でき次第アップいたします。ご容赦を。

追記
その後、設計事例に掲載しました。➡「坦懐居

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そんななか、上の写真が一か月点検が半年点検になってしまった住宅です。その外回りをちょっと紹介します。設計では、日照確保や断熱性能と同じぐらい、周囲からの視線をどう避けるかをかなり重要と考えています。この住宅のコンセプトはまさに、「周辺の視線を避けた平屋建て住宅」です。玄関の右隣の格子壁が自転車置き場、左隣奥の格子壁が布団干し場です。

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上の写真の左の格子壁も風の通る仕掛けの洗濯物干場の囲いです。
5月頃撮影を予定していて、済み次第事例紹介させていただきます。

追記
その後、設計事例に掲載しました。➡「坦懐居


家族が増えて住まいを考える

育児休業中の藁科です。
私事ではありますが、昨年第1子が産まれ、それまで都内に1LDKの賃貸マンションに主人と二人で快適に生活していましたが、子供が1人増えたとたん一気に物が増え手狭に感じ、もっと広いマンションを買おうと決心しました。

それから毎日ネットで不動産情報を検索し、毎週のように内覧にも行き10戸以上は見ましたが、予算、場所、間取り、方角、立地条件、子育ての環境として、保育園のこと等いろいろ考えるとどうしても決めきれず、最終的には私の田舎に戻って家を建てるという急展開な結論になりました。私は数時間の通勤時間を覚悟して結設計に復帰する予定でいますが、主人は片道通勤時間4時間になるため新卒から勤めていた会社の勤続を断念し転職することになりました。

家を建てると決めてから主人は建築雑誌を買って帰るようになり、楽しそうに見ながら、「この家みたいに・・」とその都度私に要望を伝えてくるようになりました。私の作業時間は育児と家事の合間で思うように進めることが出来ませんでしたが、なんとか主人の要望を聞き入れつつ、広くなってしまう面積を抑えつつ、プランがまとまり全ての図面を書き終えやっと工務店に見積もりを出せる段階までいきました。

見積もりを出す工務店は前から知っているところで、同業者からも付き合いのある工務店の中で一番安く見積もりが出るとも聞いていたので、そのA工務店の1社のみに見積もりをお願いしました。待っている間は、不安、心配、楽しみの混ざったドキドキを味わい、今までの建て主さんたちもこんな気持ちだったのかなと思いながら2週間経ち、やっと出てきた見積もり金額は、少ない予算の上に1000万円以上もオーバーした見積書でした。仕事でもほとんどが最初の見積もり金額は予算よりオーバーすることが多く、建て主さんから「本当に私たちの家は建つのでしょうか・・・」と言われたことがありましたが、この時は私も心の底から本当に私の家は建つのかなという思いをしました。

どうしても面積は削りたく無かったので、見積書を精査し、許容できるまで仕様を落としてみてもせいぜい500万円の減額が限界だなと思い、A工務店に工事をお願いすることを諦めるしかないと思いました。それから必死であらゆる知り合いから工務店情報をかき集め、仕様を落として図面も書き直し、信頼出来そうな工務店も見つかったのでまた数週間かけて見積もりをしてもらいまいた。出てきた金額は手が届きそうな範囲で、それからまた見積書の精査、変更、再見積りを経てなんとか予算に近い金額になり工事契約に至りました。結局、A工務店の見積書が出てきてから、2カ月以上の月日が経ってしまいました。仕事ではいつも最初から3社くらいに相見積もりでお願いするのに、どうして自分は1社のみの特命見積もりにしたのだろうと、改めて最初から相見積もりでお願いするべきだったと思いました。

地鎮祭も終えて工事が始まりまだまだ油断は出来ませんが、とりあえずは私の家は建ちそうだなと思えてきました。

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リフォームの防音工事と耐震補強工事

つい先日防衛省からの防音工事の補助金が決定し、やっとのことで南林間のリフォーム工事がスタートをきりました。スタートを切ってしまえば改修工事なので工期はあっという間。ばたばたと現場が動き出し、決めなくてはならないことが急ピッチで進んでいきます。

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今回、この物件は「防衛省から防音工事の補助金が出るので、同時にリフォーム工事がしたい」との依頼から始まりました。米軍の厚木基地の戦闘機の離着陸の騒音が酷く、国から防音工事の補助金が出る地域に指定されています。もちろんこの防音工事をする、というのも目的の一つですが、現在の家主の父親主導のもと建てられた家に長年住まれていましたが、お子さんの巣立ちなどを経て今後さらに快適に過ごせる家に改装したいというのが大きな目的でした。せっかく工事をするのであれば同時に行ってしまった方が工事費も安くすみます。

真壁造りの塗壁で居間や食堂が畳敷きでしたので、LDKの壁を出来る限りとっぱらい大窓に面した明るい居間をフローリング敷きにするわりと大規模なリフォーム工事となりました。壁量を減らし、床も剥がす作業となるので、全体の構造を確認し既存の壁に補強をしなくてはと思い調べると、市が決定する耐震改修工事費の補助金対象にも当てはまることが分かりました。

補助金がなくともしなくてはならない補強工事でしたが、そこに補助金が出るとなるととても得した気分。キッチンをグレードアップすることが出来ました。

どちらの補助金も、同時に利用することで工事費を抑えることが出来ます。土地によって補助金の種類も規定も様々ですがそれを最大限活用できれば何かをグレードアップできるかも?


ウッドデザイン賞2015を受賞しました

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第1回ウッドデザイン賞(新・木づかい顕彰)において、結設計が設計を担当している森の貯金箱プロジェクトの「森の貯金箱S移築プロジェクト」がウッドデザイン賞2015(ソーシャルデザイン部門)を受賞しました。

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ウッドデザイン賞とは、木の良さや価値を再発見させる製品や取組について特に優れたものを消費者目線で評価し表彰する新しい顕彰制度です。
ウッドデザイン賞は今年から始まった賞で、第1回の今年は397点が受賞作品に選ばれました。

>>ウッドデザイン賞のWEBサイト


一年点検で学んで来たこと

被災地の造成ができ始め、森の貯金箱事業で始めた工法の住宅の評判を聞いた方の相談が増えたせいで、出張が多くなり、いや、単なるサボリのせいで、久しぶりのブログです。過日、豊川の住宅の一年点検に行って参りました。
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竣工時のブログ写真と比較して頂くとよくわかりますが、見違えたのは庭の植栽です。ふんだんに植えられてあり、これなら内部が窺い知れなく、プライバシーの心配がありません。話に聞くと飯能の家の造園屋さんで修業して来た方に依頼されたとのことです。飯能の家の庭は、つくばで漸く完成した住宅の建て主さんも気に入ってらして、別の方ですがやはり知り合いの造園屋さんを紹介し、今工事中です。
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庭の中に入って感心したのは、鬱蒼としているようで案外中はまとまったスペースが確保されていました。
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その庭で発見したのは、写真にちょっと見える、自動給水装置です。かつてこのような自動給水装置を設計すると、工事費が予想以上にたかく、しかも詰まる故障が多く保証できないといわれ、諦めたこともたびたびでした。
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豊川の建て主さんは、ネットで見つけたということで、要した費用は2,3万円だそうです。二口用意した蛇口の一方に取り付け、タイマーで自動で給水でき、センサーで雨の時は止まるようになっているとのことです。
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肝心の住宅はとてもきれいに使っておられて竣工時より心地良さそうな家になっておりました。こちらの建て主さんは優れた技術屋さんで、工事中も教えられることが多かったのですが、できてからの工夫でも優れていて、一年後もまた教えられてしまいました。


「森の貯金箱」移築プロジェクト後半

遠野市で解体された建築部材は、盛岡市のアイスアリーナに運ばれ、再度同じ部材で建築しました。今度は、一日目基礎と足場組み立て、二日目一日で再築完了、三日目に機具取付け、と実質三日で建築完了です。
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内部の写真を前回のブログと同じアングルで撮影しました。
気を付けてみて頂くと、前回の写真の窓の外に足場が見えます。今回のにはありません。展示期間は29日と30日の二日間でしたが、今回の事業推進の地元の若手二人が、NHK岩手の「おばんです」で取り上げられ、インタビューされたせいか、600組の方が中に入って、ロフトにまでのぼり見ていかれました。
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29日、私はサボらせていただき、30日だけ説明役をしましたが、この家の小ささが受けたようで質問が相次ぎ昼食をとる暇がなかったぐらいでした。
正直、解体移築という需要は現段階では殆どないと思われます。ですが、週休二日が完全実施され三日制も予想される時代になり、人々の生活が増々多様化されていくと、週日は職場近くのマンションで、週末は自然豊かな場所で個人個人の気のいくままの生活の器にこの家は、移築が容易ということで、障壁を低くし、考える方が多くなるのではないかと思われます。
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結婚して最初は借入が少なくてすむ夫婦だけの小さな家を建て、子供が個室を必要となったら、車庫とその上に子供室を乗せたもう一つの小さな家をつくり、その間を二階デッキで結ぶという形態も考えられ、実際それを実行しようと言う方もおられます。あるいは、もう一つを店舗やアトリエにしようというパターンも考えられます。一個だけで考えるとイメージが大して広がりませんが、ニコイチ、サンコイチで考えると大きく膨らみます。
建築が不要になったら、解体して、その部材を子供世帯が独立して建てる新しい住宅に再使用することもできます。中古市場が整備されていればそこに売却もできます。
そうすることで廃棄物を少なくし、燃焼して二酸化炭素も出さず、かつ木材の生育年数以上固定し続けることができ、自分に家が環境負荷を軽減することに役立っていることになります。
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この4m及2m材併用の建築は、今日の空き家問題化している、古くて壊さざるを得ない、従来の工法の木造建築も、もしかしたら、解体した柱の上下を切り取って2.1m材にすれば、それを束ねてパネル化し、FSB工法の壁部材として再利用する道のヒントを与えてくれているのかもしれないという気もしています。
いずれにしろFSB工法が既存の市場でしのぎを削り合うのでなく、新しい生活スタイルや文化を築き、持続可能な、全く新たな市場をつくり出せたら楽しいなあと思っています。
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「森の貯金箱」移築住宅プロジェクト

FSB工法で建てた住宅を一旦解体して、その部材を使ってもう一度別の場所に建てるという今までにない実証実験をするため、先日遠野に行ってきました。
ほぼすべての部材を使って建て直すということは、私たち以外のひとでもやったことがないのではないかな?と思います。
この住宅は、1階の床面積が9坪と小さいですが、人が住めるちゃんとした住宅です。ただ単に物置のような小屋を移築するのはありません。

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高さ4mの壁パネルを使っているので、天井が高くても、高すぎないちょうど良い高さになっています。
この住宅が完成して家具を入れたら、次の日から解体を始めました。もったいない気がしますね。

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トイレやキッチン、照明器具等設備機器類もまた使うので、丁寧に取り外して梱包していきます。

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どんどん解体していきます。床が取り払われました。

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屋根パネルを取り外し中。屋根はパネル化しています。

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屋根が外れて、空が見えます。

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屋根パネルが外れたら、壁パネルを外していきます。

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壁パネルが、残り1面になりました。

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最後の壁パネルを外して、解体はほぼ終了(基礎の撤去等がまだありますが)

解体した部材は、遠野から盛岡に移動しました。
今度は、今週末の8/29・30日に盛岡で開催される「いわて県民住宅祭」で展示するために、もう一度盛岡市のアイスアリーナの駐車場に建てます。

続きます⇒


中学生の職場訪問

先日中学3年の初々しい学生さんが事務所に職場訪問ということで訪ねてきてくれました。中学生だというのに、友人の家の間取りを作ってみたとか、物語にでてくる家の模型を創って来たりとか、建築に対する関心が深く将来が楽しみな学生さんでした。質問もちゃんと応えようとすると結構難しいものもあり、娘のいない僕にはなかなかフレッシュなひとときを過ごすことができました。東北の現場から一日も早く来いと催促されてましたが、押し止めて待ってもらったのは正解でした。P1150851

以前の職場訪問でも記念写真を撮ってあったので、今回もということで、その時たまたま居合わせたメンバーでとりました。事務所の男性である加藤がこの日出張でいないため、可愛い訪問者とたまたま実習できていた韓国の学生さんと、事務所の鈴木、それに私、多分二度と一緒に写ることのないメンバーだろうと思います。まさに一期一会です。将来いつか、皆それぞれの場所で建築に勤しんで少しでもいい建築を創ろうと励み合っているところで再会したらなどと、あり得ないようなことを想像すると楽しくなります。


つくばK邸 見学会今週末

つくばのK邸の見学会が今週末行われます。

工事がぎりぎりで、外構がまだ終わっていませんが中はお見せすることが出来ます。

広いお庭に緑が植わった姿を御見せできないのが残念でなりません。

最後の締めの作業に追われ、本日も職人さんがわんさかいろんなところで作業していました。なのであまり綺麗になっている写真を御見せすることができないのですが、なんとか間に合わせようと職人さんが今日も暑い中頑張ってくれています。

外観も足場が外れ、綺麗な外壁が見えています。P1150774

そしてまだカバーがかかっていてここでは御見せできないのですが、外観でもひときわポイントとなっている煙突。建て主さんからのご要望の暖炉が設置されました。P1150718

広いリビングの大窓の前に設置されたこの暖炉。カバーが外されるのがとても楽しみです。

こちらの見学会、まだ受付可能ですので、見学されたい方はこちらの事例案内申し込みフォームよりお申し込み下さい。


防音改修工事

結設計に住宅を依頼されるお客様がよく希望されるのが居間などの空間によく使っている小幅板天井。この小幅板天井は事務所のホームページの研究開発業務にも記載してありますが、連続する美しさだけでなく様々な音が反響しあう家の中の音を吸収する役割を持っています。それによって余計な音が吸収され、より会話などがクリアに聞こえるのです。

そんな日常生活空間の音にもこだわる(?)結設計の事務所では、最近新しいコンポを買い、スピーカーを変えての聞き比べ大会が開催されています。001

コンポもスピーカーも高価なものではないですし、私自身そんなに耳が良いわけでもないのですが、やはり意外と違うものです。オーケストラなのかピアノなのか歌なのか、クラシックなのかジャズなのかジャンルによっても違いがハッキリでたりでなかったり。そして意外と空間によっても違いがでるものです。ラジオしか流れていなかった結設計の事務所にオーケストラが流れる新鮮な日々です。

そんなお昼のランチ時間は音響環境で話題が持ちきりの中、最近計画が始まったのが防衛相の補助金を使った防音工事を含む戸建住宅の改築計画です。指定された区域の防音改修工事の費用が100%(上限あり)補助されるこの補助金を利用し、同時に耐震改修工事とリフォームを行う計画です。何度かお宅へ伺っている際に実際に飛行訓練のタイミングに遭遇したのですが、地響きがして会話が止まってしまう程の音でした。この音をどこまでシャットアウトできるのか。

もう少しで計画が固まりそうです。