投稿者: 藤原昭夫

日々の小さなワンダーを慈しめる?

赤ちゃんと接すると、彼らには日々すべての時間がワンダー(驚きや不思議)で満ち溢れているのがよくわかります。よく眠れておなかが満ちてさえいれば楽しくてしょうがないようです。本来そのワンダーは幾つになったとしても、私たちにもあるはずで、その年なりのワンダーを日々見いだせないのは、何かに囚われていて、入ってこなくなくし、楽しい時間とも疎遠にしているのかもしれません。

先週土曜日、森の貯金箱事業での釜石地方森林組合の構造見学会がありました。工法説明を終えて、盛岡までの車中、雲一つない晴れた夕方の東の空に、山の端から驚くほど大きな月が顔を出しているのが見えました。今夜の皆既月食は確実に見れる!ということで、同乗のある者は娘さん家族とキャンプに、もう一人は家族とテニスコート付きの温泉で汗を流して、その後いっぱいやりながら露天風呂から見ようと予約を入れていました。自分は、どうしてもその時間は盛岡から乗る新幹線の車中になってしまいます。やまびこで途中下車するか、と計算してみたら、6時50分の盛岡発のハヤブサに乗れば、皆既月食の時刻の10分前に大宮に着く、よし、俺もホーム南側の端から見れるかも!ということで、「いい皆既月食を!」と駅で分かれ、家にも電話で皆既月食の時刻を教え、1300円の贅沢弁当を買って乗りました。指定席が1号車とあり、さい先いいと思いましたが、どうも宇都宮を過ぎたあたりから、空が暗い。大宮について、降りた客の歩く方向と逆に、駅員に訝しがられながら、ホームの南端に荷物を持って駆け寄り、南の空を眺めたらやはり暗い。星一つ見えない!

これも一つの(逆)ワンダー。天候を恨むも、ここまでわくわくして来れたことを喜びとするかは自分次第。これにめげずに、いつなんどきでも日々、自分なりのワンダーを大事にして行こう!写真は工事途中の釜石森林組合事務所の内部です。建築事務所のサイトらしきことも言いいますと、この森林組合事務所の建築は、FSB工法で為されたことで、地域材使用量が95.4㎥/製品、丸太で190.8㎥、3haの間伐ができ、森林関係者の90人/日の雇用を生み、建設関係者の300人/日の雇用を創出しているとのことです。(釜石地方森林組合)
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昨日見た椿の花

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地域の福祉サービス施設

東京の新宿で、複合型サービス福祉事業用の建物の現場が進んでいます。鉄筋コンクリ―ト造の現場です。

坂町ミモザの家は、かいアソシエイツの浦口さんがデザインと工事監理、結設計が実施設計と工事監理、辻建設さんが施工を担当しています。
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この施設は、こういった問題に対して、広い地域を対象とした大きい病院や施設で対応するのではなく、住み慣れた地域の中で高齢者を支援するための施設です。

今まであった小規模多機能型居宅介護(デイサービス・ショートステイ・訪問介護を受けることができるサービス)に「訪問看護」ステーション機能を加えて、医療を必 要としている方が、慣れ親しんだ地域と家で、家族や身近な人たちに囲まれて暮らし続けることを、サポートしていくそうです。

高齢になって残された人生を自宅で穏やかに過ごすことは、多くの人が望むことではないでしょうか。
ただ介護する家族も大変ですよね。用事を済ませるのに数日間家を空けることも大変になりますし、病院に行くほどではないけどちょっと調子が悪い時などもありますよね。
そういった時に、日ごろから相談できるところが近所にあって、数日預けて用事を済ませる等もできれば助かることが多いと思います。そういったことが出来る施設になるとのことなので期待しています。

建物が出来た後、どのように運営されて地域に根付いていくかが今から楽しみです。


那須の家 プチ見学会は今週末

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「那須の家」(栃木県)のプチ見学会は、今週末1/24(土)です。
既に入居されている住宅を見学させていただく貴重な機会です。お誘い合わせの上お越しいただければと思います。
詳しくはこちら

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那須の家 プチ見学会のお知らせ

年明け1月24日(土)に、住宅を計画中の方を「那須の家」にお連れするのですが、もう数組の方をご案内することが可能そうですので、お知らせします。
約半年住んでみた建主様のご意見が聞ける機会です。
_MGL1776b今回のプチ見学会は、予約制とさせていただきます。ご興味のある方は、下記の申し込み方法にてお申込みください。

FSB工法の平屋建ての住宅です。
この那須の家の母屋には基礎蓄熱式暖冷房を入れています。
居間や食堂・キッチン、寝室はもちろん浴室やトイレも含めた家全体が、ほぼ同じ室温になるので、ヒートショックになりにくい家になっています。また、杉の角材壁が大きい蓄熱材として働くので、通常の軸組工法の家よりも、室温の変化が緩やかになります。
この基礎蓄熱暖冷房の熱源のヒートポンプは、夜間電力で稼働するので、電気代も抑えられます。

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過去のブログでも紹介してきていますのでそちらもご覧ください。
住まわれてからの見学会ですので、その点のご配慮をお願い致します。

■開催地:栃木県那須町
■日時 :2015年1月24日(土) 13:00~
■最寄駅:JR那須塩原駅より車で約20分

■申し込み方法
見学ご希望の方は結設計宛にメールまたはFAXにて下記までお申し込み下さい。
お申し込みの際には、「那須の家内覧会参加希望」と明記して頂き、
住所、氏名、連絡先、参加人数をご記入下さい。
参加申し込みのご連絡を頂いた方に、詳しい住所などをお知らせいたします。

■申し込み先
事例案内申し込みフォーム
e-mail: office@yui-sekkei.co.jp
FAX:   03-5651-1934

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武蔵野の家 内覧会のお知らせ

「武蔵野の家」は、間もなく竣工を迎えます。
年明けの1月11日(日)に、建主様のご厚意により、引き渡し前に見学できる機会を設けることが出来ましたので、お知らせします。
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居間・食堂を2階に計画した地下1階地上2階建ての都市型住宅です。
結設計では珍しく?敷地いっぱいに建てているので、屋根の出はあまり出ていません。
敷地は、間口が狭く奥に深いかたちで、中庭を設け光を入れる工夫をしています。

日当たりや、前の道路の人通り等を考慮して2階に居間食堂を設けた間取り。
2階の居間は、薪ストーブがあり、天井は小幅板天井です。

建物は、外壁を通気工法の外断熱とし、屋根は外断熱の上に通気層を設け、夏場の壁・屋根内の熱を逃がすようにしています。
また、基礎蓄熱式暖冷房と2階居間食堂には温水床暖房を入れており、居間や食堂・キッチン、寝室はもちろん浴室やトイレも含めた家全体が、ほぼ同じ室温になるので、ヒートショックになりにくい家になっています

ご興味のある方は、内覧会申し込みフォームにて、お名前・ご住所をご記入の上お気軽にお申し込みください。
お申し込みをしていただいた方には追って詳細をご連絡致します。

■開催地:東京都武蔵野市
■日時 :2015年1月11日(日) 13:30 – 15:30
■最寄駅:JR中央線 三鷹駅から徒歩5分



豊川の家の内覧会は、今週末です

P1120434豊川の家(愛知県)の内覧会は、今週末11/29(土)です。
既に入居されている住宅を見学させていただく貴重な機会です。お誘い合わせの上お越しいただければと思います。
詳しくはこちら


関東でもFSB工法の部材供給するところができた。

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これまで工法の技術開発をしてきて、ようやく技術的にも費用的にも汎用性のある工法ができたと認識しています。(詳しくは―なぜFSB工法か―参照)これまでのFM工法やDEWS工法は、集成材とその加工の価格が高騰してきて、以前の価格を知っている者としては割高感が拭えず、去年頃からお奨めするのに躊躇していました。

それでそれらに代るものとして、上の写真のような柱角材連結パネル壁のFSB工法を開発してきました。これで真に環境負荷の削減に貢献させようとするのであれば、数多く建築されなければ意味がなく、他の建築設計者にも活用されるよう、リーズナブルな価格での部材供給が必要と思っていました。岩手県では可能ですが、関東にはありませんでした。それで理解ある協力者を得て(有)グル―ラムウォールという会社が、関東で「FSB工法」の部材供給をしていただけることになりました。私どもと同様小さな会社ですので、しばらくは二人三脚で協力していきたいと考えております。

そこでは「森の貯金箱の家」という(半)規格型住宅の供給もしていて、それへも協力いたしました。フリープランのコースでは、しばらくは結設計もお手伝いしていきます。規格型の場合、工事費は割安ですが、間取り等の変更できる範囲が狭いので、その間取りと仕様でよいという方に向いているようです。但し、自分なりの家が欲しいという方には、私どもと普通に設計して、計画する中で、FSB工法も検討し、最善の方法で建てられた方が選択肢も広がり、よいと思われます。費用的にも、そこのフリープランコースの場合とは何ら変わりません。普通の設計ですと、下の写真のようにFSB工法の柱の連結壁に直に和紙を貼った部屋もできます。

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森の貯金箱事業 NHK「TOMORROW」 「明日へ」 

釜石森林組合事務所
東日本大震災の復興で、私たちなりにも協力してきた、釜石地方森林組合の活動がNHKテレビで放送されます。設計協力した被災者の再建住宅の映像もでます。私もいくつか取材を受け、映像提供も協力させて頂きました。放送予定は下記の通りです。
NHK-BS1、NHK総合、NHK-Worldでそれぞれ放送されます。

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NHK-BS1
【番組名】
TOMORROW 復興は森から~ “地元木材”住宅プロジェクト ~
※番組ウェブサイト:http://www.nhk.or.jp/ashita/tomorrow/

【放送日】
NHK-BS1
前編:平成26年10月29日(水) / 後編:11月5日(水)11月12日(水)に変更になりました。
午後2時00分~2時28分

再放送
前篇:平成26年11月1日(土) / 後編:11月15日(土)
午前10時00分~10時30分
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NHK総合
【番組名】
明日へ ~森が支える東北の復興(仮)~
※番組ウェブサイト:http://www.nhk.or.jp/ashita/

【放送日】
NHK総合
前編:平成26年11月16日(日) 午前10時05分~10時53分

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海外向け国際放送のNHK-Worldでも放送があります。
【番組名】
TOMORROW 復興は森から~ “地元木材”住宅プロジェクト ~
【放送日】
NHK-World
前編:平成26年10月27日(月) / 後編:11月3日(月)
午前10時30分~10時58分(以降、6時間ごと4回放送)

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岩手県の仮設住宅提案募集で提案し、採用された仮設住宅の工法を、岩手県森林組合連合会の方が、森林組合向きの工法だと見出して頂き、釜石地方森林組合の参事に紹介されました。その後、遠野市のリンデンバウム遠野という施工者と私たち設計者の4者で、震災で家を流された方を始め、被災地で求められる限り、建築に限らず、この工法で支援をしていこうと始めた事業が、森の貯金箱事業です。
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建築だけでなく、KDDIさんの支援を受けて、ベンチやバス停の屋根等も提供してきました。

4者の中で私たちの役割は、この工法(FSB工法)をより確かなものにし、依頼者に沿った間取りで、かつ施工費用のかからない設計をすることです。関東での通常の設計では、私たちなりのこだわりや工夫が評価されて仕事として成立します。そのためどうしても多少の費用増を生じさせてしまいます。ところが被災地での仕事は、余計なお世話やこだわりで工事費を増にしないことが仕事になります。それと工法が構造的に新しいため、構造計算と建築確認申請の認可を得ることです。関東での仕事と違って、悩ましい想いは残りますが、別の意味で勉強になります。

私たちはともかく、被災地で頑張っている人たちがいることを知って頂くためにもご覧なってみてはいかがでしょうか。時間帯が働いている時間帯ですので、ビデオに撮る必要がありそうですが。