コロナ禍にこんなキャンプはいかが

コロナ禍の中ステイホーム、自宅テレワークも飽きて、アウトドアが盛んです。シルバーウイーク初日に長野県のキャンプ場の、テント間の通り道すら確保できているか疑わしいほど、おびただしい数のテント風景がテレビに映し出されていました。その翌日、親世帯の住まいを離れとして増築された建物の引渡しに伺ったところ、離れと母屋の間に大き目のキャンプ用家族テントが張られていました。これなら渋滞を経て混雑したキャンプ場に行く必要はなさそうです。

市街化調整区域の敷地でもあったので、数年前に余裕を持って土地を購入され、開発行為を経て、母屋を建て、今回はその一角に平屋の離れを建てられました。母屋も設計事例でまだ紹介されてないまま、離れのブログ紹介をしてみたくなったのは、工務店さんの献身的協力もあって予想以上の出来栄えだったものですから紹介したくなりました。ご両親の意向もあり小さく質素に建てたいとのことでした。

離れが建つと敷地が窮屈になりかねないので、そうならないよう、駐車場含め、母屋に悪影響与えずかつ双方が引き立つ絶妙な配置を狙いました。

母屋から離れの食堂やキッチンの様子が適度な距離で、双方から様子が伺うことができるようにしています。今回その間にテントを張られていました。

母屋から離れのキッチンと食堂が見えます。

内部はあっさりとした素材で、所々に気持ちよい視界を用意いたしました。南側隣地が1.5mほど低い点と市街化調整区域であることから、見晴らしの良さと、容易には他の建物が建てにくい特性を活用し、玄関から入った南側の風景をフィックス窓で借景として広がりを取り込みました。

右がプライベート空間の洗面バストイレ、寝室へと続き、左がリビングダイニングとなります。洗面脱衣室も車椅子にも対応でき、トイレも脱衣室と寝室双方から入れる配慮をしています。母屋との関係上寝室が道路寄りにせざるを得なくせめて駐車場で距離を稼ぎ、窓にもシャッターを設け、できる範囲の音対策をしています。

シャッター付きの寝室窓

食堂の窓は母屋の様子と南側の田園風景を取り込むように、コーナーガラス窓にしています。

洋室のリビングながら、下足入れの天板を延長し、収納量を確保しつつ、敢えて和の手法を活用して、壁の角を丸くするなど、素材は一般的でも形態を工夫して、柔らく見せる洞床風の飾り棚としてみました。

玄関の下足収納ながら洞床風飾り台

内部の主だった照明はテープライトの間接照明にして、単純な空間であってもそれなりの華やかさも演出できる工夫をしてみました。

アウトドアもこんな庭先キャンプなら、手軽にできて、ステイホームの息抜きになるのかも、と思えました。