太陽光を住宅設計でどう考えるか その1

太陽光ブログ
【その1 太陽光発電、これまで強いて奨めなかった理由】(4/29up) 
その2 太陽光発電、現在はお奨めするか…】(5/16up)
その3 太陽光についてのレポート~発電利用編~】(5/19up)
その4 太陽光についてのレポート~給湯利用編~】(5/24up)
その5 太陽光活用設計手法~住宅の蓄電池化~】(5/30up)

太陽光発電、これまで強いて奨めなかった理由

これまで何件か太陽光発電パネルを乗せた設計をしましたが、積極的には奨めてはいませんでした。最近地球温暖化での脱炭素やSDGs対応で、国の後押しもあり、太陽光発電パネルを屋根に載せることを検討する方が多くなってきたようです。しかし売電価格11年前の48円/kWhから2022年は17円/kWhになり、今では最低の買電価格19.88円/kWhを下回っています。設置後10年間はFIT制度により売電価格が維持されますが、卒FITを迎えた10年後の売電価格はさらに下がり8.5円/kWh程度だそうです。そうなると売電を目的として設置をする方よりも、今後電気料金がさらに上昇すると見込んで自家用消費のために設置する方が多いと思われます。

これまで太陽光パネルを住宅の屋根に乗せることを強く推奨はしませんでしたが、色々考え直すこともあり、改めて検討してみたいと思います。但し今後提示する数値は現場での感覚的報告のためアバウトで、かつ変化している場合もあり、実際での採用時にはご自分でも再確認ください。

まず、なぜ強く推奨しなかったのか、その当時の理由を挙げてみます。

1 初期の太陽光パネルは、設置後に得られる電気量の7年分ほどをそのパネルの生産に消費してしまうとのことで、エコになるか疑問を覚えたからです。

2 太陽光パネルは工事費を電気代で回収するのに、10年かかると言われていましたが、発電と蓄電能力は数年でかなり減衰すると言われていました。

3 取り付け方は、パネルメーカー指定の工事者による施工の際、金属葺の屋根面直接ビスを打ち、シールで雨水を止めるやり方が多く、建築と同じ10年補償とは言え、不安を覚えたからです。そこで私は乗せる場合の屋根仕上げや、取り付け方は色々安全な対策を施しました。

4 建築全体の予算が限られている場合が多く、建物完成後でも施工可能な太陽光パネルより、建築工事中でないと施工できないより重要な他の仕様を優先しました。これには今後発電能力の高い製品が出る可能性もあるだろうと考えていたこともあります。

以上が太陽光発電を今まで、私たちが強く推奨していなかった理由です。ですが、太陽光発電が出始めたころから性能も進化していることや、環境や防災に対する意識の高まってきたことなど、状況が変化していったこともあり、現在は考えが変わってきています。

現在の考えを、次回その2 太陽光発電、現在はお奨めするか…(2022年5月16日アップしました)にレポートします。これから数回にわたり太陽光ブログを書きますので、よろしくお付き合いください。

太陽光発電パネルの取り付け工事例。道路面から殆ど見えない南面と西面の屋根に施工しました。