別荘を建てるなら

最近、「 別荘 」を建てようとする方が多いようです。
ブログで続けている「シェア別荘・峠の我が家物語」でも述べているように、半自力建設でシェア別荘を建て、それを40年ほど使い続け、メンテもしてきました。40年も他のメンバーとも一緒に使ってみると、多様な使い方があり、年代や状況によって使用目的も変化していくことがよく理解できます。

その使用者としての立場と、十数棟、別荘を設計してきた立場から、建てるならその前に留意すべきことがあり、それをまとめてみます。

敷地造成せず建物下を小川が流れる別荘

別荘 」を建てる前に考えたいこと

  1. 効果的リフレッシュや、客も招ねくことも考え、多少費用をかけても誇らしい個性とデザインで、それなりの仕様で建てるのか、それとも家族や気のおけない者とだけで使うから、費用かけず、ざっくりとしたつくりでよしとするか、よく考える。

  2. いつか不要になることも考慮し、転売が容易なつくりにするかどうかも考えたい。
    (二束三文にしか売れない別荘もあれば、建築時より高く売れた事例もある。)

  3. 年代や状況によっては、自宅との間に距離があると、行くのがおっくうになることがあるので、目的に合わせた使い方ができる土地と距離を考える。

  4. 常住しない場合、部屋と寝具が湿気るものと考え、建築的対策や暖冷房及び断熱の仕方をよく考える。

  5. 案外手持ち無沙汰になることがあるので、ぼんやり炎でも見ていられるような暖炉や薪ストーブなどと、薪置き場や薪割り道具もあると男性は退屈しない。暖冷房はそれとは別に考え、スマホの事前スイッチまで用意するか、よく検討する。

  6. バーベキューはもちろん、魚釣りや海水浴、サーフィン、ウインタースポーツ、山歩きや山菜取り、その他その土地の体験基地として使えるよう、その道具や遊び用具の収納庫も考える。

  7. 駐車場は友人等もやってくるなら、数台分は用意しておく。

  8. 来た時と帰る時の掃除が楽になるようなつくりにしておく。

  9. 食器や各種工具及び大工道具等の収納や置き場はルールを決めておく。PC機器、楽器やオーディオAV機器も湿気等を考え、どう用意するか事前に決めておく。

  10. 生ごみは場所によって野生の動物やダニ等を引き寄せることがあり、注意を要する。

  11. 別荘の近くに、地域の情報収集と不在でも頼める親しい隣人がいるといい。地元の方との交流も別荘の楽しみ方の一つです。

友人の話ですが、「別荘と妾は持つもんじゃない。手間と金が掛かって、しょうがない」と言う格言(?)もあるくらいです。妾を持ったことはないのでわかりませんが、別荘は確かに、楽しくもありますが、想像していた以上に手間が掛かることは確かです。

しかし別荘での生活は、自然に囲まれた環境など日常ではないことによってリフレッシュやリラックスできるますし、家族や友人と一緒に過ごすことができコミュニケーションを深めることができる等、手間以上に利点があるのも別荘です。

別荘を建てる場合は、長期的な視野を持ち、費用やメンテナンスについても注意を払いながら、十分に検討することが大切です。

別荘の設計事例をタイプ別にまとめた「別荘ギャラリー」も是非ご覧ください。

居住部分を持ち上げて湿気を避け、集成材で調湿機能を持つ別荘
居住部分を持ち上げて湿気を避け、集成材で調湿機能を持つ別荘
(別荘を建てる上で、湿気対策は非常に大きなポイントです)