投稿者: 藤原昭夫

那須の家 最近の現場

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那須の家の現場は着々と進んで、屋根工事と外壁の下見板張り工事が終わっています。
屋根越しに雪化粧した那須の山々が見えますね。
IMG_2689屋根の上に見える緑色の部分は、外壁の下地の防水紙で、この後板金の外壁を張ります。
IMG_2698北側の庭に面した外壁では、板金屋さんが外壁の工事をしていました。納まり図を描いたものの、うまく納まるか心配していた下見板と板金取り合い部分は、考えていたようにシャープにいきそうです。板金屋さん、大工さんありがとうございます。
左側の下見板の外壁塗装は、下見板を張る前に一度塗ってあります。下見板を張り終えた状態でもう一回塗りますので、出来上がりはもっと濃いグレーになります。
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内部は、床のフローリング張りが進行中です。
写真で見えている杉角材の壁パネルは、クロス等の仕上材は貼らずにこのままアラワシにします。木の調湿性能や蓄熱性能の他に、癒し効果も期待してアラワシにします。
右側に見える窓の外は北側の庭になる予定。


住まいの設計 2014年3月号

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「住まいの設計 2014年3月号」の見本誌が送られてきました。

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「住まいの設計 2014年3月号」に”飯能の家”の記事が「木立の奥にたたずむ漆喰塗りの木の家」として8ページにわたって掲載されています。(P056~063)

奥が深い細長い敷地で、前庭を通ってたどりつく住宅です。
取材の日は雨だったので、少しくらい印象があるかもしれませんが、庭がしっとりしていていい感じだと思います。

すでに店頭に並んでいるようなので、書店で見かけたら是非手にとってご覧ください。
アマゾンにもすでにありました。


HOME MAKE(ホームメイク) 素敵な家は間取りがいい!32プラン徹底解説

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ニューハウス出版社から「HOME MAKE(ホームメイク) 素敵な家は間取りがいい!32プラン徹底解説」の見本誌が送られてきました。

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以前に雑誌ニューハウスに掲載された記事の再掲載なのですが、”仙谷望楼”の事例紹介が6ページにわたって掲載されています。(P48~53)
崖という地形を利用したプランの家で、この地形だからこそできた眺望のよいダイニングが特徴です。

すでに店頭に並んでいるようなので、書店で見かけたら是非手にとってご覧ください。
アマゾンにもありました。


那須の家 建て方

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那須の家は無事建て方・屋根葺きが完了しました。今回は、少し前の建て方の様子を紹介します。
那須の家は、FSB工法で建てています。
木材が持っている「断熱・蓄熱・調湿」性能を十分に引きだそうという工法です。

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杉の角材をボルトで緊結して作った壁パネルを柱と柱の間に建込んでいきます。
こうやって見ると、たくさんの木材を使っているのが分かりますね。

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窓になる部分は、壁パネルに窓の大きさの穴を先に作ってあります。この穴のところにサッシを取り付けます。

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壁パネルが大体建ったところです。この後梁を架けていきます。この右側に和室の離れ、左側に車庫があるので、完成すると全体的にもう少し大きい印象になります。

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壁パネルと柱の上に梁を載せます。固定は、ドリフトピンという鉄製のピンで止めます。ピンで止まっているので、ピンを抜けば解体も容易にできます。もちろん構造的にはしっかりと固定されていて安全です。

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後日梁が架かった状態を確認したときの写真です。壁パネルだけの時より大分家らしくなりました。
この後は、屋根工事・サッシ工事と進んでいきます。


2013年末

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結設計は昨日から仕事始めです。
去年は27日(金)に仕事納めで結設計スタッフ全員で事務所を大掃除し、書類や図面を整理してなんとか夜までに終わりました。というか終わらせてしまった感じです。
個人的に私はまだそれから仕事があり、毎年次の日の朝には実家に戻り今度は母の仕事の手伝いです。
年末の31日お昼までにお正月仕様の生け花を、旅館、飲食店、個人宅等に生け込みに行きます。
助手その1の私と助手その2の妹で、指示された通り竹を電動丸ノコで次々と切り、油で磨きあげ、重い鉄花器を運びと重労働な作業が夜遅くまで続きます。
現場で組んでいきながら多少長さを調整するので、その場で竹や松、梅の枝を手ノコで切り落としていきます。
作業を見ていた女将さんからは、生け花だから着物でつつましくお花を生けているのかと想像するけど、実際には大工さんのようだねと言われました。
鉄花器は実家の鉄工場で作っていて、今回は私が溶接して作った鉄花器も使われています。
以前のブログにも書きましたが、手伝うことは好きで、忙しいながらもいよいよ年末だな~と思う瞬間です。

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個人の住宅にも、ちょっとしたものでも季節の感じるような物が置ける空間があるといいなと思います。

本年もよろしくお願い致します。


大宮の家 着工

地鎮祭

大宮の家が着工しました。
南北に細長い敷地で、木造2階建ての住宅です。
10月末に地鎮祭を行い、今回は地盤改良工事まで必要にならず、地盤が若干弱い部分のみに部分転圧をしました。
敷地にはとても立派な大きな柿の木がありましたが、今回の住宅の計画で残念ながら切ることになってしまいました。

部分転圧

先日、配筋検査を行いました。
配筋検査は、鉄筋径、ピッチ、かぶり厚さ、継ぎ手長さ・定着長さなどなど、図面通りで問題はありませんでした。
同じ日に瑕疵担保保険の検査もありましたが、そちらも特に問題無しでした。

配筋検査

数日後には蓄熱用の配管もされていました。
年内にギリギリ基礎底盤・立ち上がりまでコンクリート打設が間に合いそうで、年末年始の冬休みが養生期間となりそうです。
基礎底盤の打設の日は天気が良かったので安心しました。

蓄熱配管


縦樋パイプの筏での魚釣り

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固い話ばかりでは申し訳ないので、建築にちょっと関係した遊びの話。住宅で使用する、金属製の縦樋の両端を塞いで、水が入り込まないようにして、それらを束ねて筏にした仲間がいて、アルキメデス3号と名付け,最も小さなエンジンスクリューを付け、浮かぶか実験をすることになりました。
その筏の進水式(浸水式?)と称して、西伊豆の小土肥の海に浮かべてみました。
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結構いけると、4人乗って魚釣りに土肥の方まで船を進めることになりました。アイフォンや財布、免許証を持っていて、沈んだらどうしよう、という不安を振り払い、途中2000万円クラスのクルーザーの側を、好奇の目で見られるなか、材料代2000円の筏で横切り、フェリーの船着き場の側で釣り始めました。
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自分は小魚二匹程度でしたが、他の3人はそこそこ釣れ、何とか沈まず小土肥まで帰りました。けど出発したときの喫水線は大分上昇していて、殆どのパイプの3、4割は浸水していて、あと30分以上海にいたら、泳いで戻らないといけなかったようです。
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なんで小土肥かというと、30年程前に、仲間20人程で、総額330万円で作ったコンクリートの別荘が、老朽化し、色々問題が生じたので、点検と対策を考えようと、見に行き、そのついでに筏遊びをしようと出かけた次第です。上の写真は道路から続いている屋根の上から眺めた駿河湾の景色です。


茅野の家 引き渡し

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先週茅野の家は、特に問題も無く完了検査を終え、引き渡しになりました。
遠くの山の頂上は白くなっていて、雪が既に降っているようでした。
外壁の腰上は左官仕上げなので、寒くならないうちに左官工事が出来、無事に竣工出来て良かったです。
気温が低いと乾燥が遅いため”白華現象”が起こりやすく、色むらが発生する可能性があります。
左官工事にとって冬の季節は注意しなくてはいけないやっかいな季節です。

左官

洗面脱衣室ポーチ


被災地再建住宅第一号

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岩手県三陸沿岸に、職人不足で工事が遅れに遅れ、一年がかりでようやく完成した、30坪1000万円の、森の貯金箱プロジェクト、復興再建住宅1号の工事途中写真です。
この住宅は、柱を連結した無垢のパネル壁で構成され、パネル壁は土台や梁と金物や金属パイプで接合され、金物と木はピンで固定する、FSB工法で建てられています。
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この固定ピンを抜くと、パネルと梁等の横架材とは無傷で分離出来ます。そのため、分離されたパネルは異なる間取りの建物にも再使用可能です。
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壁パネルの外側には岩手の地域に合った厚みの断熱材を貼り、通気層を設けて防湿シートを貼り、本来は杉の下見板を貼るんですが、今回は建てぬしさんの希望で金属のガルスパンというサイディングを貼っています。
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内部は、杉の柱材をそのまま現しにして、工事費を節約しています。木材の持つ湿度調整機能をフルに活用しています。
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上の写真は、蓄熱暖房の給湯バルブのヘッダーです。1000万円には暖房工事費は含まれていませんので、80万円程増額になりますが、加算していただきました。暖房はエアコンの室外機と同じ構造のヒートポンプで、深夜電力でお湯をつくり、それをパイプで床下に送り、土間コンクリートを温め、蓄熱させます。この住宅は通常の在来工法の住宅より、3~4倍の木材が使用されているため、建物全体として熱容量が大きく、一度温めると冷めにくい構造になっています。深夜電力で1/3の電気代で、ヒートポンプ方式でさらに1/2の電力使用効率でお湯を作るため、灯油より割安のランニングコストですみます。
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対面式のキッチンから見た、居間食堂玄関方向を見た写真です。
この住宅一軒の木材で釜石地方の森林整備が1ヘクタール進むことになります。


杭基礎再び

今、国交省の先導技術開発事業の助成で、将来予測される大震災で必要となるだろう応急仮設住宅の改善提案を考えています。今の応急仮設住宅は松杭であり、本来2,3年毎に沈下量を計測し、対策を講じる必要があります。4年までとされる仮設住宅が、実際は十年近く使用される可能性があります。松杭の基礎では限界があり、それに代わる基礎を考える必要があります。かといってコンクリートでは撤去費用が嵩みます。
また、今後、高台移転用の造成がなされ、再建住宅が一斉に始まった場合、今まで以上に基礎やさんとコンクリートの不足が予測されます。そのようなことを考えたとき、抜き差ししやすい鋼管杭を考えることでそれを解決できないかとも考えています。

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写真は軟弱地盤やコンクリート等の重い建築の基礎のコンクリート下に通常使用される鋼管杭で、その杭の先端に羽を付けて支持力を大きくした杭です。
応急仮設住宅の場合は、建設主体が国交省ではなく厚労省なので、建築基準法が厳格に適用されませんので、何とかなりそうですが、恒久住宅の場合は、基準法に基礎はコンクリートの布基礎またはべた基礎、となっていて、単純に杭の上に直に建物を乗せるわけにはいきません。杭には、基礎下で荷重を支持する杭と、数多く打ち込んで地盤改良材としてカウントできる単管等の細い杭とがあります。

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写真はその細い単管の先端に羽を付けて、地盤改良材でなく、撤去が容易な支持杭として、応急仮設住宅に使用できないか研究している杭です。恒久住宅には可能かどうかわかりませんが、少なくとも構造性能を確認し、建築センター等の機関で評定を得る必要があります。