日本の森林の危機

ブログでは時事に関する話題になるたけ近寄らないようにしていましたが、5月30日毎日新聞連載のニッポン密着「ヒノキ中国人が大量買付け打診」はとても気になり、取り上げることにしました。その記事の前に「奪われる日本の森」と言う本を購入して読み出していたところでしたので、なおさらでした。 詳しくはネット等で調べていただきたいのですが、ここでは自分の感じたことを要約します。

 今、日本の林業はCO2削減ということで話題になることは多いのですが、現実は安い外材に押され採算がとれないため、林業事業者は激減していて、従事者も少なく、かなりの面積の森林は放置されているようです。せいぜいところどころ補助金で伐採や手入れをしているところが多少ある程度のようです。

それは去年三陸木材高次加工協同組合さんの伐採現場を見学した時あらためて感じさせられました。住宅設計の際でも、自分の山の木を使ったら建築費を安くできるのではと言われることがよくあります。しかし実際は、山の木を無料で手に入れることができても、それを伐採し、製材し、乾燥させ、住宅に使用しようとすると、量をふんだんに使用できると言うことはあっても、全体の工事費が安くなると言うことにはなりません。むしろ割高になることさえあります。半世紀ほど前から日本中が孫の代のためにと、こぞって植林した森林が、手入れもされず放置され、その子孫がむしろ固定資産税や相続税の支払いに困っている状態なのです。

 日本の檜、杉、松などの森林は、最近こそ手入れはされていないとはいえ、建築用材としては世界的にみてもかなりの価値のあ材であることは確かです。世界的にもまれなことに、なぜか日本では山林の売買は農地と違って制限はありません。だれでも購入できます。そんな状況に、森林が伐採しつくされ、経済成長が著しい中国の木材関連企業が放っておくとは思えません。固定資産税程度の、ただ同然で手に入る山林を購入し、中国人労働者を連れてきて、伐採し、丸太ごと中国に持ち込み、本国で製材し、商品化して利益を上げるということは十分考えられるのです。中国人が直接購入しようとすると売る人が抵抗覚える場合は、日本人の名義を借りて行うのはお手のものではないかと思われます。伐採後売却してもいいのです。いずれにしても発展途上国の者には日本の森林はチャンスなのです。しかも放置されている山林は過疎地であることが多く、そのような伐採が行われていても目立たず、気がついたら故郷の山々が丸裸になっていて、崩落や洪水の多発地帯になっていたと言うことは当然の成り行きのようにありえるのです。

 日本の森林は単に建築用材としてだけでなく、製薬会社の新薬開発用の多様な遺伝子の宝庫としても注目を浴びているようです。製薬会社にしてみればただで遺伝子の宝庫を手に入れられるわけですから、これもおいしい話です。木が伐採されてないからと、気がつかないまま日本の要所要所の殆どの山林が海外企業の所有になっていたと言うこともありえます。

そうなるともしかしたら、世界中で起こっている水争奪戦の真っ只中に引き込まれ、水資源としての山林が海外企業に押さえ込まれ、ただだった水が数十年後の日本では高額の配給水として飲んでいたと言う恐ろしいこともありえます。

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