太陽光を住宅設計でどう考えるか その2

太陽光ブログ
その1 太陽光発電、これまで強いて奨めなかった理由】(4/29up) 
その2 太陽光発電、現在はお奨めするか…】(5/16up)
その3 太陽光についてのレポート~発電利用編~】(5/19up)
その4 太陽光についてのレポート~給湯利用編~】(5/24up)
その5 太陽光活用設計手法~住宅の蓄電池化~】(5/30up)

太陽光発電、現在はお奨めするか…

パネル施工業者が事前に決まっており、直接ビス打ち固定することが事前にわかっていたため、アスファルトシングル葺を採用した例。アスファルトシングル葺きは屋根材が自体が柔らかいのでビス固定に追随しやすく、金属葺に穴をあけられてしまうよりは漏水リスクが少ないと判断した。

前回のブログその1 太陽光発電、これまで強いて奨めなかった理由では、強く推奨しなかった理由をお話ししました。それでは、私どもが懸念していたことが、現在はどう状況が変化していたかお伝えしたいと思います。

1 初期の太陽光パネルは、設置後に生み出す電気量の7年分ほどをそのパネルの生産に消費していました。使用素材や製品構造にもよりますが、現在の太陽光パネルは、2年分ほどの電気量で製作できるように進歩しているようです。

2  太陽光パネルの設置費を電気代で回収するのに10年かかるにもかかわらず、発電と蓄電能力は数年でかなり減衰すると言われていました。今も、太陽光発電パネルの設置費を「売電利益」+「太陽光発電したものを自家使用し他から電気を購入しなくてよくなった金額分」で割ると、やはり10年はかかります。設置費用は年々安くなっているのですが、売電価格もそれに伴い年々安くなっているからです。逆に言うと大体10年間で回収できるように売電価格が調整されていて、その間売電価格は一定であることが保証されています(FIT制度)。この点については、今も昔も条件は変わらないということです。
一方、パネル自身の発電能力は上がってきており、15年程度なら殆ど減衰せず、8~9割に減衰するのは約25年経過したころだそうです。ただし、太陽との角度が効率よく発電できる状態での設置という条件付きではあります。

3 太陽光パネルの取り付け方として、パネルメーカー指定業者の施工で、金属葺の屋根面に直接ビスを打ちシールで雨水を止めるやり方には雨漏りに対して不安があったのですが、今もそのように施工されていることもあるようです。ですが、屋根にビスで穴はあけず、掴み金物を屋根材に挟み込んで支持補強材を取り付けるやり方も増えてきています。取り付け方をどうするかは、設計段階からよく吟味すれば雨漏りのリスクはクリアできそうです。

金属葺きの屋根に穴をあけることなく、つかみ金物でソーラーパネルの支持補強材を取り付けた例

4 建築全体の予算が限られている場合、建物完成後でも施工可能な太陽光パネルより、建設時でないと施工できない重要な他の仕様を優先していました。それはパネルは金銭的な余裕が出来た段階でも後乗せ可能と考えていたからです。しかし最近は建設時に太陽光発電用のパネルを初期費用をかけずにリースで設置する方法も出てきました。約2.5万円/月のリース料を5年かけて支払った後は、建主に無償譲渡される仕組みです。最初から導入するのであれば、太陽光発電と相性のいい建築を計画することができます。予算の面でもやり方によっては検討できることが分かりました。

  発電量(kWh/月) 設置費用(千円) 25年間の保守費用(千円) 設置費用の回収にかかる期間(年)
自己設置 609 1,740 225 10~11
リース 600 1,537 318 12~13

↑ 6~7kW出力のパネルのリースと自己設置との比較。発電能力や設置コストにさほど違いがないのが分かる

これを機に太陽光について調べていくと、いろいろなことが分かりましたので、次回のブログ【その3 太陽光についてのレポート~発電利用編~】(2022年5月19日アップしました)では、そこで分かったことをレポートしてみたいと思います。導入を検討する参考になれば幸いです。