カテゴリー別アーカイブ: 雑記

外装の色使い

いつも通勤で通っている道のそばのマンションの外階段です。改修時に階段を塗装し直し、鉄骨階段を濃い焦げ茶色に、柱の色をアクセントカラーの赤にしていて、なかなか大胆な色使いですが、決して軽薄ではなく、結構目を引きます。

東日本大震災の応急仮設住宅では予算が厳しく、素材感を前面に出すと安っぽい感じが露わになりがちですので、内壁は木造躯体の自然な木の素材を露わにし、外壁は角波鋼板程度しか使えなかったので、下の写真のような濃いブルーにして素材感が気にならないようにしてみました。

色の扱いは難しくいつも悩みます。たとえばよく使う木の下見板一つでも色によってだいぶ感じが違ってきます。岩手の復興住宅で最初使っていた色は素直に木の色を強調してこんな感じでした。

その後下のような濃いグレーの色も使うようになってきました。同じ濃いグレーでも、日が良く当たるところや、建物の規模が大きいとさほど濃く見えない場合もあります。

下の写真は上の写真よりかなり薄いグレーを使っていますが、光の当たり具合や面の大きさの影響で似た色に見えます。

下見板でなければ、同じ木ですが、下のような色使いもあります。

いずれにしても色の道は奥が深くて、なかなか手ごわいです。

桃の花と芝桜

桜だけが花ではない。桃の花が美しい。後ろに青空があればなお美しい。

美しいのはほんの一瞬の時期かもしれませんが、それだけに美しいです。いや一瞬ゆえに美しいのかも。

花は上だけに咲いているわけではない。このように足元にも咲いています。

赤と白の芝桜です。

説明不要、眩いばかりの美しさです。連休前の写真です。時は残酷で、今はもうありません。

 

 

しばらくぶり!

12年ぶりの再会でした。子供室に計画時予定していた間仕切りを設けたいという相談で、はるひのの家を久しぶりに訪れました。多少北側の壁面が汚れた部分もありましたが、元気な姿で建っていました。当初構造的無理をさせたかな、と思っていたところも問題なく健気に迎えてくれました。間仕切りの相談はその方法を話し合い決めてすぐ終わり、その後一通り当時の監督さんと内外を見て回り、気にされているところの症状についても説明して、その家を後にしました。

昼時だったのので、多摩センターで環境計画という造園事務所を営んでいる、友人を尋ねました。やはり15年ぶりぐらいの再会でした。永山や聖蹟桜ヶ丘の現場に時々来ていたので、その内寄るといっておきながら、友人も予定があったりとかで、結局寄らずじまいでしたので、今回は朝電話して午後行くと予約しての訪問でした。事務所でしばらく話をして、帰り、送っていくということで、多摩センターの団地内の公園を歩きながら駅まで送ってくれました。

多摩の団地は日本の団地の環境計画で成功した数少ない例だ、と言う説明を彼から聞きながら気持ちよい公園内を散歩出来ました。

建築的にも、下のアングルの写真は大高正人という建築家の設計で、当時私にも強く印象が残っていて、改めてシャッターを押しました。

土曜だからと、駅前のパブで3時頃からビールを飲みながら6時近くまで昔話に花を咲かせてきました。

大正7年築の神谷伝兵衛別荘の驚きの工夫

千葉市稲毛に,日本のワイン王と言われた、明治の実業家神谷伝兵衛が大正7年に建てた別荘が無料で一般公開されています。浅草の「神谷バー」や茨城県牛久のワイン醸造場「シャトーカミヤ」の創始者としても有名です。

日本初期の鉄筋コンクリート造で関東大震災にも崩れることなかった洋風建築ですが、数多くの建築上の工夫がなされていて、驚きの工夫は最後に掲載しました。


二階内部は和室になっていて、床の間もそれなりの贅を尽くしています。


木製の丸窓ですが、ちゃんと開閉いたします。


この猫間障子の材料はタガヤサンという木材だそうです。確かに高価な木材で、大工としては使ってみたかったんでしょうが、障子の桟としては木目が荒く、同じ建築屋としては、どうなんだろうかという気もします。


建築の細工としてはなかなか遊んでいます。


透かし彫りに蜂も飛んでいます。


照明の吊具は木製とのことには驚きです。


階段コーナーの漆喰の飾り棚ですが、よく見ると棚上の壁は直角で棚下は円弧を描いています。


上って行く時の視線の高さに合わせた位置に棚を設定しています。

そこで見つけた超現代的網戸です。地下室があるからできた工夫です。電力は使用せず、自重と重しとのバランスで構成されているようです。現代でも使えそうな工夫です。


神谷邸と並んで千葉市民ギャラリーが併設されていて、そこでは、特殊鉋や大鋸などの木工刃物が展示されていました。(刃物展は1月15日までとのこと)

神谷伝兵衛にあやかるつもりではありませんが、彼が始めた「カミヤシャトー」のある牛久市で、私たちが工夫したFSU工法の住宅が、1月27日から建込が始まります。その工法で岩手、栃木、兵庫で、すでに計十数棟建っていますが、東京近在では初です。この工法技術を公開し、多くの建築關係者に使っていただこうと思っていて、現場説明会も2月22日に予定しています。もし建て込みそのものに興味ある方はご連絡いただければ、その時と場所をお知らせします。

 

 

年末

クリスマスも無事に過ぎいよいよ年末ですね。
ハロウィンが終わった11月始め頃から街がキラキラと光り始めて
そんな雰囲気もとても好きなのですが
私が好きで良く行くのが夜の浅草寺。
昼間は人が溢れ返ってまっすぐ歩くことも困難な仲見世通りも
この通り、走り抜けられます。
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12月半ばの写真ですが世の中はこれからクリスマスだという賑わいの中
浅草寺はブレずにすでにお正月の飾りまで。
昼間では見られない、閉じたシャッターには浅草草創からの歴史と四季折々の伝統行事を繰り広げる「浅草絵巻」が描かれています。
ぼんやりとした光のなかに浮かぶ賑やかな絵が、閑散としてるのにウキウキさせます。
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宝蔵門を抜けると本堂です。
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結設計では毎年、新年初日に全員で事務所近くの七福神巡りをおこないます。
お願いしてばかりではいけませんので
今年一年間もいろいろありましたが大きなケガもなく、事務所も乗り切ることが出来ました感謝の気持ちを込めて。
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本年はどうもありがとうございました。
結設計は2016/12/29(木)~2017/1/4(水)までお休みを頂きます。
その間頂いたお問い合わせ等へのお返事が遅くなってしまいますがご了承ください。
来年もどうぞよろしくお願い致します。

七弦琴と玉堂・春琴・秋琴in鞘堂

千葉市美術館で18日までやっている、浦上玉堂・春琴・秋琴父子の芸術展を見てきました。

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上の写真は、浦上玉堂父子の芸術展を見に行った際、玉堂が演奏していたと言う七絃琴(胡琴)の実演奏後の写真です。残念ながら演奏があると言うことが分かったのは、帰る時で、急いで聴きに行ったのですが、終わっていて、七絃琴の説明をしていた時撮影させてもらったものです。現在 日本で弾ける人は百数十人ほどしかいないそうです。七絃琴はなかなか興味深そうな楽器でしたが、長くなりそうなので、ウイキペディアででも調べていただくこととして、今日は玉堂について。

玉堂は岡山県の鴨方藩のエリート武士として勤めた後、50歳で脱藩して、七絃琴と画筆を携えて17歳と10歳の息子達を連れて自由を求めて文人として全国を遍歴して歩いたとのことです。その息子春琴と秋琴の画も同時に展示してあり、当時の文人として生きるということがどういう事であったかが分かる展覧会でした。この時代の文人というのは昔の中国の白居易など、琴棋書画に代表されるような芸能を遊戯として嗜んだ、多芸に秀でた芸術家たちで、このほかにも、詩や篆刻などが文人の芸としてあげられるようです。今で言うシンガーソングライターのようなものかも知れません。文人たちは各地の豊かな商人や支配階級の集まりに呼ばれて芸を披露したりしていたようです。今でいう文壇など優秀な芸術家たちが集まって談論風発して楽しんだ仲間づきあいも盛んだったのだろうと思われます。玉堂自身は画より40歳から始めた琴(筝)を演奏する事に強く惹かれていたものと思われます。それでなければ自分や息子の号に琴という字を使わないのではと思われます。

学生の頃この玉堂も何も知らない時、彼の奔放な画に魅せられ墨絵を少しだけ描いたことがあって、チャンスがあれば見たいと思っていた画家(文人)でした。それが今回の展覧会で父子共々の画と生き方を展示してあり、三人を同時展示することで、一応意匠設計者という表現者の端くれとして、教えられるものが色々ありました。

玉堂の自由奔放な絵に、息子春琴は何とか父のような画家のなろうとして励んだものと思われ、実に美しく緻密な画を描いていました。技量は玉堂を凌いでいるように、私には思われました。春琴より7歳下の秋琴は、早くにその画才を発揮したようですが、絵の道には進まず、堅実に藩の行政の実務家として過ごし60過ぎてから再び画を気まぐれに描いたようです。私の想像ですが、春琴は玉堂を追い越そうとして努力を重ねて、職業画家としても当時は春琴の方がもてはやされていたかのようです。確かに技量は上回ったかもしれませんが、うまくなればなるほど玉堂の画ほどには惹かれるところまではいきませんでした。芸術というのはうまいから惹かれるというものではないという典型のように思われました。玉堂の画はある意味いい加減というか、天才的で自由闊達というか、絵に囚われてないかのような画なのに魅力的でした。たぶん七絃琴の方に重きを置いていたのではないかと推察しました。だから奔放な画を描けたのではないかと思われます。しかし春琴の父の演奏姿を描いた画は、自由さと穏やかな温かみがあり、最も好ましい気がしましました。秋琴は父と兄をみて、どっちにも行けない、別の道を選んだ方が賢明と判断したものと思われます。兄も父も意識しなくなって再び気ままに画を描く気になったのはよくわかる気がしました。

この千葉市美術館は下の写真のように古い旧川崎銀行千葉支店の建物を保存・修復し、さらに現代の文化活動に対応できるスペースとして、改修され、それを部分的に残し、現代的建築で鞘堂として包み込んだ建物です。設計者は京都の国際会議場のコンペ当選者の大谷幸夫・沖種郎の二人のうち大谷(幸夫)研究室の方です。平成6年に竣工、建設省設立50周年記念事業「公共建築百選」にも選ばれているそうです。

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私ども著作の本が出ます

今月下旬に、結設計のこれまでの事例の中から84の住宅について、設計のポイントを抽出して「美しく住まいを整えるデザインのルール」という本が、エクスナレッジ(建築知識)という出版社から出版されます。
個々の住まいの特性をかいつまんで、間取り図や写真及び図面等で二ページに一事例を解説した本です。
取り上げられるページ数が本の構成上限られていて、正直取り上げた住まいの選択が、特性の解説として適切であったかどうか自信ありません。その住まいには他のポイントの方が価値あるものも多くあるからです。多くの家を設計させて頂き、似たような特性もいくつかあり、その家が最適というわけでもないからです。むしろ特性の説明がし易かったから取り上げたようなところもあります。
本屋さんで手に取ってみて頂ければ幸いです。

本カバー

南林間の家の写真公開

スタッフの鈴木です。先日ブログでも告知致しました南林間の家の見学会が行われました。 見学に来られる方に驚いて頂きたく今までリノベーション後の写真はあまり載せないようにしていたのですが、見学会も無事終わりましたので少し紹介させて頂きます。 まずは既存の玄関から 01 02 玄関扉を開けてすぐに上がり框があり、一間巾のなかに下足入れがあるのでとても狭く感じます。靴も納まりきっていなかったものがあふれています。 03 こちらが改修後。上がり框の位置を奥にずらし、土間部分をたっぷりとっています。 廊下の幅も壁をずらして広げ、下足入れがたっぷりあっても狭くありません。タイルを黒くし足元を引き締めることでメリハリのある玄関になりました。   こちらは改修前の浴室。 04 05 モルタル塗りの床に浴槽、腰までがタイル張りです。 06 改修後はハーフユニットバスに壁と天井は檜張りにしました。 旦那様からの唯一の要望であったお風呂からの眺めもとても素敵です。 07 次は洗面脱衣室です。 08 09 二畳ほどの空間に洗濯機と洗面台と収納が置かれ余りの空間がほとんどありませんでした。 10 こちらが改修後。 明るく収納たっぷりの洗面脱衣室になりました。洗濯機置き場は隣にしっかりと確保してあります。 実はこの鏡には一工夫ありまして、既存の大きな窓をふさぐことをせずに鏡を設置するためこの鏡は上下の溝のついたレールの間を動かすことができます。普段は中央に置けば引き違いサッシの中央の枠や鍵廻りを隠せてスッキリしますし、窓を開けて風を通したい時は端に寄せることが出来ます。   そして、今回何よりも問題となっていた孤立して暗かった台所と素敵な庭を眺めることの出来なかったリビングダイニング。まずは改修前から。 11 12 13 14 改修後はLDKどこからでも素敵な庭が見渡せ、オープンな空間になりました。 オープンキッチン。 15 キッチンの中 16 キッチンから洗濯機置き場や脱衣室へのアクセスも出来ます。 17 キッチンから庭への眺め 18 ダイニングテーブルを設置するカウンターにも大きな窓があります。 19 リビングのテレビ台。キッチンからもダイニングからもテレビが見れます。 20 大量の本の収納場所もたくさん確保しました。 22 主寝室にも造り付けの収納をたっぷり。 23 今回予算削減のため外壁廻りは今回あまりいじらなかったのですが、居間正面の窓とその上の庇をつくり変え、外壁の汚れをしっかり落としただけで外見もとてもスッキリしました。 リビングに通じたデッキもつくり、庭師さんがアプローチもとても素敵にして下さりました。 25 24 今回は防音工事も伴ったため床から天井、壁も剥がし吸音材を入れたりとかなり大がかりな工事となりましたが、いくつかの補助金を利用して建て主の負担を減らし、構造的にも不安な数値がでていましたが改善されました。 庭師の方が今回の改修工事の記念樹として桜の木を植えて下さったそうです。 内覧に来て下さった将来の施主様がお子さんと縁側で遊んでいる姿をキッチンから眺めていたら、キッチンから家族を見守る母親の気分になり、この景色に桜の花が咲いたらさらに素敵だなあと一人とってもほっこりしてしまい、ついシャッターを押してしまった私のお気に入りの一枚です。 26  

リノベーション事例、ご自分でも考え、現地比較してみませんか

 

今回は、ビフォアアフター風に、楽しい内覧会を企画いたしました。

リノベーションは住まいの溢れかえる“もの”を何とかしたい、と考え始めることが多いものです。今回の計画も大量の本と暗くすみにくい家を何とかしたいというところに、防衛省の防音工事助成金等を上手に活用すると1000万円近く出そうだということで、40年前に建てた住宅の内部も、もう1000万円足して生まれ変わったように新しくしたい、ということで始まった計画です。生まれ変わったようにするには、何に着目してどう計画したかを推量していただけるよう、敢えて片づけを放棄した段階での古い写真を、建て主さん了解のもと、使用させていただきました。
まずは居間に溢れ変える本と本箱、でもこれはほんの一部でした。尋常な手段だけでは収まりません、何か特殊な手を打たないと行けません。

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下の写真はテレビのある居間ですが、北側の窓からは多少の光と冷気が入ってきて、南には窓がなく日中全く日が差さず、暗くて閉鎖的です。これも根本的なところからかえないといけません。当然耐震改修も考えなければならないようです。

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同じような状況のキッチンです。7.5畳と広さは十分ですが、食卓を置くには狭く、このままでは使いにくく、閉じ込められた空間で何とかしたいところです。

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同じ洗面所と洗濯機置き場です。窓側に洗面台を置くと鏡で窓が塞がれ、鬱陶しい洗面所になるということで、脇の壁際に置いていますが、やはり使いにくく物で溢れかえっています。何とかしたいです。

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同じくリフォーム前の浴室で、40年前にはよくあった内焚き釜ころのままのです。たぶん土台もだいぶ腐っていると思われます。まさに一新したい浴室です。できれば朝風呂もできるよう明るく、窓から樹木でも眺められたら最高です。

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ベランダを後付で足した以外殆ど変えていない外観写真です。後付けのためベランダを瓦の上に置いたため、二階の部屋からは50センチ程段を上らないと出れません。そのため殆ど使っていません。樋も外れて雨が溢れ出ます。屋根の形もすっきりせず、何度か外壁の塗り替えだけはしたものの、一階窓上の染みなど、気になるところが多々あります。

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他に玄関も狭く使いにくく、二階トイレには手洗いも欲しく、寝室もすっきりさせたいです。一階トイレの和風便所も何とかしたいところです。とにかく冬は床下から底冷えする程寒く、ファンヒーターを焚きっぱなしで、空気も汚れ、光熱費も馬鹿になりません。予算は無尽蔵にあるわけでなし、何から何まで直していたらきりがありません。子供達の部屋はもう大人だし、二人の娘は外に出て暮らしているので、帰って来た時に泊まれるようになっていれば良いと考えているとのことでした。

このような住宅はどのように変えられるものか見てみませんか。正直新築よりリフォームの方が難しいと言われていますが、全くその通りです。設計者によっても内容や雰囲気に大きく違いが出ます。ためしに皆さんも自分ならどうリフォームするかを考えてみませんか?7月30日に予定しているリフォーム後の内覧会前に、皆さんも下のリフォーム前の平面図でリフォーム計画をして見て下さい。その方が内覧会を楽しめること受け合いです。下の平面図を自分なりにリフォーム計画し、その平面図(スケッチ)を私どもに送っていただければ、当日講評アドバイスいたします。あるいはご自宅の平面図のリフォーム計画も周辺や内部写真と一緒に送っていただければ、私どもなりにそれにもアドバイスもいたします。

市川邸ブログ用図面

こちらより計画用の平面図を印刷し、計画してみて下さい。

内覧会では、防音工事助成金は活用次第で、使用できる金額が大きく違ってくることや、防音工事関係者達は独特の村社会を形成していて、慣れない設計者や工事屋さんは極めて入りにくく、戸惑い失敗させられることが多いこと、大量の本の収納の方法、既存住宅の断熱化の難しさ、リフォームでの抜本的暖房工事など、リフォームだけではない盛りだくさんの話も予定しています。

内覧会情報                                                                                                            日程:2016年7月30日(土)                                                           場所:小田急線 南林間駅 徒歩5分                                                      場所・時間等の詳しい情報はお申込み頂いた方にメールでご連絡させて頂きます。                                     こちらの事例案内申し込みフォームよりお申し込み下さい。

家によって生活が変わる

スタッフの鈴木です。私事なのですが先月引っ越しをしました。
地域(最寄駅すら)も変わらず外に出れば何も変わらない生活をしているのですが、今回の引っ越しにより家の中と家での過ごし方は大きく変わりました。
なんせ今の家は前の家の1/10くらいなんです。といっても今の家が異常に狭いわけではなく、前の家がシェアハウスだったからです。
ただ、シェアハウスといってもほとんどの方が想像出来ないほど斜め上をいった変わった家だったんです。
だからこそ?家を設計している人間としてどうしても…一度そこで生活をしてみたくなってしまったのです。
そこでの生活を詳しく書くほど「???」が浮かんでしまうと思うのでざっくりと書くと、大空間にそれぞれの個室がありその個室が木の箱なのです。箱の底には車輪がついていてその箱は移動可能。
シンプルといえばシンプルなのですが、その箱の角度を変えたり移動することで大空間の「余り」の空間が変化し大きい空間にも狭い空間にも、共用部にも個室空間にも変化します。
さらにこの家、DIYやり放題!(現状回復なし)こんな家なのでクリエイティブな職業の人ばかり。彼らにかかればこの空間、可能性は無限大です。
私の部屋も一部に壁紙を貼り、上部はペンキで塗って友人に絵を描いてもらいました。まさか部屋の壁に友人に絵を描いてもらう日がくるなんて…なかなか出来ないですよね。
ここでの生活は概念を崩されることばかりでした。
快適とは?プライバシーとは?集中できる空間とは?広いと感じる?狭いと感じる?人との距離感は?生活の優先順位は?
いろいろなことを感じさせられました。一見住空間として落第点をつけられてしまいそうな空間なのですが、なぜだかどことなく、でもしっかりとそれらをクリアしてしまっているように感じるのは、きっとハッキリ区切られていないからこそ見えない壁や境界線をより個人が意識するようにさせる空間だからなのではないかと。それもまた一つの空間設計。
今は引っ越しをして、また違った「住む」と向き合っております。
不便な空間を体感したが故に一つ一つ意味や便利さを理解し、提案できるのだなあと日々の生活で感じております。生活に合わせて家が変化してくれれば良いですが、実際は家に合わせて自分が生活を変えるしかありません。もちろん一から自分に合う空間をつくれたら最高ですが自分が住みながら生活しやすい空間に変えていくのもまた一つの楽しみです。その家の良さと悪さを理解した上でのリフォーム工事も魅力の一つ。長年住んでいる家であれば不便さや汚れにも思い入れが出来たりしますし、逆に生活していると忘れていた魅力に改めて気づいたり。
南林間の改修工事も残すところと新しくするところ、その境界はとても悩みましたが、変化した生活に合ったより豊かな生活が送れるような空間になったと願いつつ…もう少しで竣工です。南側の大きな開口の前に日当たりの良いデッキが出来上がりました。大変身した内部空間は竣工写真にて、ビフォーアフターを楽しみにお待ち下さい。

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