幣串 (へいごし、へいぐし)

13日は成田市で棟上げ式がありました。棟上げは何度立ち会ってもなぜかうれしいものです。頭の中で描いていたイメージの骨格が具体的に目の前で出来上がっていくものですからやはり感動してしまいます。それに建築は軸組みの構造だけの方が余計な飾りや仕上げもなく潔い美しさある気がします。

写真は棟に幣串(へいごし、へいぐし)を飾っているところです。これは棟上げ祭りの時に本来棟に飾った棟札、幣束(串)、弓矢(破魔矢)の一つです。最近は棟札や弓矢は省略し、幣束(串)に御幣(ごへい)を取り付けただけでそれに棟上げ期日と建て主名及び工事者名を書き入れ、棟札代わりにして完成後にも天井内に取り付けたまま建物が解体される末代まで保存しておきます。

その後直会(なおらい)といって建てた軸組みの下で工事者を慰労すべく乾杯し簡単な小宴となるのですが、最近は殆どの職人さんが車で通って来ていることが多く、交通規制も厳しくなって酒類が飲めず盛り上がりに欠けます。建て主と職人さんがまさに直に会う最初の機会でもありちょっとさびしいものがあります。このようにどんどん省略され簡素化しながら時代は変わっていくものなのでしょうね。(藤原)