カテゴリー: FSU工法

信州花フェスタ2019

信州大学の山岳部OB山岳学士会が寄贈する部室(山岳会館)の建込みに立ち会った帰り、松本市で開催された信州花フェスタ2019に立ち寄ってきました。解体移築が容易な建築が展示してあるということで、見てきました。

外観を見た限り解体容易には見えませんでした。

内観を見てもどこが容易にした工夫なのか自分にはよく分りませんでした。でも今はやりの屋上緑化がされてありました。

関係者に解体を容易にする工夫をどこにしてあるのか、聞いてみても、正直よく分らず、どうやら想像するに、解体後、移築して使ってくれる先を決めてあるとことで、開催者が展示後の後始末に余計な手間と費用がかからないということのようで、確かにそれはそれで主催者には解体容易な建物となります。

せっかく来たついでに松本ドームの展示を見に行きました。そこから次回のブログに掲載する球体変遷に続くものを見ることになるとは夢にも思いませんでした。


信州大学山岳会館(部室)建築

去年から信州大学の山岳部の部室(13.5坪)の更新(建替え)のお手伝いをしています。ようやく建込みの段階に入ったのでブログに上げられます。これまでの部室は約半世紀前に当事学生であった卒業生が自力で建てたもので、老朽化がひどく、見るに見かねた卒業生が、建て替えてあげようということで検討してきたようです。最初費用削減のためプレファブでとなったそうですが、決して安くなく、山岳部の部室が軽量鉄骨?となり、山岳部の卒業生の自分の高校時代の友人が、応急仮設住宅を思い出してくれて、FSU工法を打診してきました。

色々なことを経て、私たちの工法で建てることが決まり、山岳部OB会である山岳学会の、ヒマラヤ遠征の予定等、すごいことを話している会議の最中に説明させて頂きました。信大の山岳学会は日本のトップクラスの登山家たちの集まりなんだと知りました。その会議の中で、当初杉材で予定しましたが、信州大学の卒業生が関わった演習林の唐松で建てようということになりました。

基礎配筋です。

建込みが始まり、柱が建てられました。

柱間に壁パネルが建てられ壁ができていきます。建てた壁パネルの上には横架材(梁)が載せられます。

周囲の外壁が一通りでき、妻側の壁の建込みが始まりました。

屋根が載せられた内部の空間です。

屋根も乗った南側外観の写真です。ここまで通常1日ですが、初めての工法ということで慎重にやられたせいか、二日かかりました。この建て方は県内でも初めてということで、学生さんや建築や林業木材関係者に案内を出して、工法の説明会をさせて頂きました。

その説明会で配布した資料がこちらになります。

≪信州大学山岳会館 ~fsu工法と可能性~≫(PDFデータ 6ページ)

 

 


ラグビーW杯 釜石の施設完成

結設計で設計・監理を担当した、釜石市のラグビーW杯用の木造施設が完成しました。
釜石鵜住居復興スタジアムの「やぐら」と呼んでいる鉄骨フレームの中に8棟の木造の部屋を作りました。ラグビーワールドカップの大会用の運営本部やインタビュールーム、放送記録室等です。

釜石市は、山林が多く林業が盛んです。その釜石の杉を使って木造施設を作りました。
木をふんだんに使ったので、W杯だけではもったいないですね。大会の後もいろいろなことにつかえる、夢がある建物になったと思います。


幕状の白い屋根を支えている鉄骨フレーム「やぐら」の中に木造の建物を建てました。


そのうちの1棟、TGPラウンジと呼んでいる施設です。


内部の様子(ピッチ側を見たところ)


ピッチの反対側 ガラス越しに、やぐらの木製ルーバーが見えます。


大きいガラス窓がある明るい空間です。


奥にミニキッチンやトイレがあります。



19年ワールドカップラグビー釜石スタジアム工事途中


19年ワールドカップラグビー釜石スタジアムの遠方からの写真です。
私共のお手伝いは、事務方の木質諸室とトイレ棟の設計・監理をさせて頂いています。

事務方のエントランスブリッジの入口に位置するトイレ棟の状況で、下がその外壁の外側の二つのエントランスを繋ぐ廊下です。

木質諸室は、下の鉄骨のフレームの中にこれから作られます。

スタジアムの観客席で、座面も釜石産の木で出来ています。
釜石地方森林組合の方々が、釜石の木を使おうと、関係者に働きかけて、このような木質棟などの使用が実現できています。バークレー校の人材育成事業として林業用人材スクールを開講したり、火災で焼失した森林の再生や燃え残りの木々で、グッツを作って応援者に配ったりと、彼らは今、日本で一番頑張っているのではないかと思われます。


新しい年になりました。今年もよろしくお願いします。

写真は拡大すると端の山の上の雲間にかすかに富士山が小さく見えます。めでたさも遠さも見えにくさも、今年の当事務所としてはこの程度かなと思います。

昨年までの数年は、東日本の被災地で開発提案した(FSU)工法の手前、定着するまではということで、個々の住宅や事務所等の復興のお手伝いの出稼ぎ(出張)が多くありました。それで忘れられたのか見放されたのか、関東方面の本来の在来工法の仕事が少なくなってきていました。それもいよいよ昨年暮れ、そのFSU工法で作るということになった、19年ラクビーワールドカップ釜石スタジアムのドーピング室等の木造諸室の設計がほぼ終わり、今年半ばに工事が完成すれば、お払い箱となるかと思われます。

これまで新しい工法に力を注いできて、いくつかわかってきたことがあります。職業柄、被災地で何らかの役に立ちたいという意識から始まりましたが、過酷な状況と地域特性からくる要請に答えようとしているうちに、設計者としての中途半端な我は見直し、建築を作るということの意味を改めて考えさせられました。例えば、当たり前のことながら建物そのものがすぐにも欲しい方には、いたずらに時間や費用をかける設計やデザインは、殆ど重きをなさず、工事を早く安くしてあげることの方が大事な場合が多いということです。それと林業や流通事情が建築工事の仕方や価格だけでなく、設計デザインにも大きく影響を与えうる可能性を秘めている、というようなことです。それゆえ設計者が関わるからには、それなりの意味と価値のあるものが何かも、わかってきました。

葉っぱの裏にも表にもめしべのような芽があるのが分かります?

さらにこの工法は、今後の木造建築の職人不足や工事費の高騰にいずれ対応する有効な手法になりうるということもみえてきました。

被災地での(建築)事情は人口減少を含め、日本の数年先を具現化しています。今、関東でのリフォームは人口減少で生じた空き家のせいか、リフォームブームになっていて、解体してみないと中がわからないからと、見積もりを高く出しても通る、美味しい仕事に思われ、各産業から多くのリフォーム屋さんが参入してきています。職人不足とオリンピックということで、工事費はうなぎ上りに高騰し始めています。新築よりも高いのでは、という話をよく聞きます。当然新築にもその余波は来て、今後オリンピックや消費税アップで職人不足がさらに進み、工事費のコストコントロールは益々難しくなりそうです。

その時、岩手で試みて色々わかった中で、新しい工法は現場職人をあまり必要とせず、殆どを工場で加工して持ち込んで作る木造建築の手法の核になりうる可能性を秘めています。現場での職人の数が少なくて済み、2日ほどで建込、屋根下地までいき、屋根を葺き、サッシ等を取り付け、設備を備えれば、それだけでも住めなくもない木造スケルトン(躯体)ができあがります。自分で仕上げたい(DIY)方や店舗あるいは別荘等にはうってつけです。またそれなりのレベルの住宅を望む方には、その後じっくり丁寧に仕上げて引き渡すこともできます。

岩手県では、施工を一緒にやっていただいていた工務店さんは、もう自分らだけで設計施工ができるようになり、依頼も多く、待っていただいている状況です。躯体建て込みだけの依頼もあり、その方が収益も高いとのことです。

関東では殆ど知られておらず、リフォーム等、他に収益のある依頼があるため、新たな工法はやりたがらず、この工法で見積もりをお願いしても、通常と同じようなものしか出してもらえません。それでしばらくは、店舗や別荘等で、岩手県と同じように多少遠方でも、忙しくない工務店さんを説得し、この工法で施工できるところを増やし、市中で高止まりしている工事費に、見直しを迫る手段にできないかと考えています。


練馬の二世帯住宅見学会開催

2017年12月9日(土)10時~14時までの間

練馬区の二世帯住宅で見学会をさせて頂けることとなりました。

木造FSU工法で建てられた住宅で地下1階、地上2階建です。

通常の木造在来工法とは構造が少し異なり、壁を杉の角材をボルトで連結したパネルでつくっており、壁内に空洞がありません。

そのため棚をつくったり重いものを掛けるフックを付ける際下地が必要なくどこにでも造作が可能なため、結設計ではDIYやハーフビルドを楽しみたい!という方にオススメしている工法です。

この家の建て主さんも室内に壁の杉材をアラワシで使ってご自身で塗装をされたりして無垢材の壁を楽しまれております。

地下室の床張りや洗面所のタイル張りなど、引き渡し後にご自身での作業を予定されていますので、今後の変化も含め大変楽しみです。

1階親世帯はフローリングの床+白い和紙を貼った壁+小幅板天井のリビング、

2階子世帯は畳の床+FSU工法アラワシの壁+白いクロスの天井のリビング

異なる2種類のリビング空間を見て頂ける面白い住宅です。

今までの結設計で手掛けてきたものとは少し違った楽しみ方を持った住宅となっております。

DIYに興味のある方や木のぬくもりを存分に感じたい方、是非お申込みをお待ちしております。

用途:専用住宅
構造:木造FSU工法 地下1階、地上2階建
延床面積:244.85平米(74.07坪)

■開催地:練馬区立野町
■日時:2017年12月9日(土)10:00~14:00
■最寄駅:JR中央線荻窪駅より南善福寺行バスに乗車

■申し込み方法
見学ご希望の方は、下記申し込みフォームか、結設計宛にメールにてお申し込み下さい。
お申し込みの際には、「練馬の二世帯住宅見学会希望」と明記して頂き、住所、氏名、連絡先、参加人数をご記入下さい。
参加申し込みのご連絡を頂いた方のみに、詳しい住所などをお知らせいたします。

■申し込み先
事例案内申し込みフォーム
e-mail: office@yui-sekkei.co.jp
FAX:   03-5651-1934
[お申込み締切]
12月8日(火)15:00まで

※ご不明点、ご質問等ございましたらお気軽にお問い合わせください。

 


伊丹の家ストーリー4

「伊丹の家」エピソード4
伊丹の家の事例紹介のため、植栽の葉が芽吹いた頃、写真撮影することになっていました。最近居間食堂の床を畳にしたいという若い建て主さんが3人連続していましたので、畳の住み心地を改めて伺いたいと思っていました。

そのお願いをしようとしていたら、建て主さんから、海外勤務になるという連絡がはいりました。またびっくりして、よくある、家を建てると転勤を命じられる、というやつですかと聞いたら、そうではなく、関西で家を建てようと決める前から、海外勤務を希望されていたとのことでした。
ゴロゴロできる畳の生活にとても満足していたので、それが出来なくなることだけが残念だとのことでした。新居はどうされます?と伺ったところご両親が時々住んで頂けるということでした。

とにかく家づくり物語のエピソードの多い方でしたので、今度は海外でも家を建てるぞ、と言われても驚きませんのでと、海外に行く前の挨拶をさせて頂きました。
家づくりストーリーは未だ未だ続きそうで、海外からの報告写真がエピソード5になるかもしれません。


伊丹の家ストーリー3

伊丹の家・エピソード3
 「伊丹の家」は私たちが開発して来たFSU工法で創られています。この工法はプレカットと壁パネルの製作が妥当な価格と品質で出来るかということと、始めての工法に意欲的に妥当な見積価格で取り組んでくれるいい施工者がいるかどうかがポイントになります。下が今回のプレカット工場。

関東では毎回それに苦労していて、思った程普及が進まず、数棟にとどまっています。実は伊丹の家の建て主さんが設計依頼の時、今やられている工法でやっても構いませんよ、と言って頂きました。関西でもやってみたいと思っていた時でもあり、その壁パネルを製作してくれるところと、いい工務店に巡り会えるかが鍵で、初めての地、そう簡単に見つからず苦労すると思っていました。それがたまたま、関東で屋根パネルの製作を専門としている会社の方が、プレカット会社を紹介して頂き、そこにたまたまSE工法という新しい木造ラーメン工法を開発した会社にいた方が転職して来ていて、私どもの工法に関心を持ち、渋る会社に強く推してくれたので、請けて頂くことが出来ました。建て始めと一階北側壁が終わった時点の写真。


そこが紹介した施工者がこれまた優秀で、パネル製作に、自社の大工をプレカット工場に派遣して壁パネルの製作までしてくれました。その工務店の社長が遠方の設計者だから簡単には来てもらえないと、先々を読みながら仕事をしてくれたので、私共の足りない部分も事前にカバーされ、うまく出来たと言っても過言でないところがあります。二階壁完了し屋根垂木が乗った段階。

なぜかうまく運ばないときは、次々と障害が生じます。うまく運ぶときは多少の問題があってもトントンと進みます。出会いの重要なところです。今回の施工は新しい地にもかかわらず予想以上にうまく運んだ例ではないかと思われます。
工事途中に、塞ぐはずの妻側の桁上の三角の欄間を、建て主さんから明り取りにしませんかと提案され、それにも工務店さんは快く応じてくれました。

工事中も遅くまで頑張ってくれました。デッキから中を見た夜景写真


家づくりストーリー「伊丹の家」2

「伊丹の家」エピソード2
関西に引っ越し、しばらくは賃貸のマンション暮らしでいいと考えていたところ、千葉の家がすぐ売れてしまいました。戸建ての家の方が性に合うということで、土地を探し、手頃なところが見つかり、誰とつくるか、設計者をどうするか、と考えている時でした。その土地近くを歩いていると、何となく見たことがあるような家があり、結設計の家に似ているけどまさかこんなところにある訳ないと思いつつ、私どもを思い出し、関西まで来て設計してくれるか聞こうとなったそうです。
 設計者にしてみたら、二度も依頼される、しかも遠方であっても、ということは、設計者冥利に尽きるというもので、喜んで引き受け、敷地を一緒に見にいきました。色々見た帰り道、歩いている方向とは異なる左の折れ曲った道路の向こうを何気なく見たら、どうも見覚えある住宅の玄関付近と外壁や屋根の一部が眼に入ってきました。
確かに18年程前に関西に転勤を余儀なくされたTさんが、関東在住の時に転勤先の地に住宅を建てたいということで、2000年頃設計させて頂きました。伊丹市であることは覚えてましたが、だいぶ前で、場所までは確認して来ませんでした。建て主さんともその話はしておらず、又、らしい家を見たという話も聞いてませんでした。当時と付近の状況は様変わりしていて、街の様子も忘れてました。

驚いてそっちに勝手に歩き出していました。じつは建て主さんもそれらしいと感じた家だったということを後で知りました。表札を見たらやはりTさん宅でした。
ドアホンを押しましたが、その日は留守でした。もちろんその後、工事監理中に、ご主人が玄関から出ておられる時があり、一緒にお尋ねし、双方の家と人柄を紹介させて頂きました。ホームページで事例紹介始める前の家でしたので、建て主さんも事前知識なく、あり得ないと思われる地方で、私達が設計した家ではないかと、感じて頂けるということは嬉しい驚きでした。
その家の建築当時の南側外観です。今では周りが建て込み撮影不能です。

そっとお見せいたしますが、その家の建築当時の居間の写真です。