月: 2009年11月

ブログ考

私のブログがだいぶ間を空けてしまいました。所のメンバーから事務所が元気ないみたいじゃないですかと叱られています。書けるテーマはたくさんあったのに書けずにここにいたっています。
9/29、30は宮崎の林業試験場の見学に行っているし、10/31、11/1は関西の建築家達と建築見学ツアーをしています。その間、上棟式が二件あり、色提案があったり、竣工建物の引き渡しがあったり、基本設計の最初の計画や提案があったり、実施設計も終わって、工事屋さんに見積もり依頼をするものもあったり、これから建てようとする方の敷地拝見で都内だけでなく、静岡や福島にも出かけたり、竣工物件の撮影で浜松に行ったり、家づくりの会でのカフェや学校の講師役で話す機会もあったり、30年ほど前に設計した集会施設と再会し、その増改築の件で自冶会と何度も会合を重ねたり、既存住宅の増改築の依頼で現場の可能性を調べたり、もちろん現在監理中の現場にも数回通っています。個人的にも句会があったり、旧友のしのぶ会や同郷同級の勉強会があったりと、書きたいテーマに事欠かなかったはずです。元気なくはないのです。しかられて当然です。
 同業の設計者のブログをみると毎日きちんと書き続けていて感心してしまいます。よくそんな時間を生み出せるものだと私には不思議でなりません。住宅の設計事務所は小さな雑事の積み重ね業務で、スタッフ無しでは成り立たない業務です。それでも純粋に設計で検討し、創造的に考える時間に割ける割合は3割ないないかもしれません。そんな中毎日書かれている方はどうやって時間をひねり出しているのでしょう。私には謎です。よく考えないでは設計しているのではないかと疑いたくなってしまいます。
そこで不器用な私としては言い訳のため、なぜ書けないのか考えてみました。そういえば昔から私は日記が長く続いたためしがありませんでした。写真での記録も、面白かった時ほど撮った数が少ない気がします。どうも後を振り返って記録するということに、まめさが欠けている気がします。その時その時やっていることに夢中になり、記録に残すということを忘れてしまい、また表現するとなるとどうしても考え込み、腰が軽くない、要は苦手ということです。でも心を入れ替えてまめに書くように努力をしようと思います。


構造材アラワシ

上棟式のご報告から早3ヶ月以上経ってしまいましたが、飯能S邸の現場も着々と進んでいます。こちらの住宅では、構造材である木をそのまま見せるデザインを室内でも屋外でも取り入れています。写真右側がダイニングの天井で、2階の床を支える根太を直接見せています。天井の高さと仕上げを変えて、それぞれ違う雰囲気の居間とダイニングとして、それらが庭を囲んでL字型につながる構成となっています。半屋外空間の工房や、こだわりのキッチンの様子がわかるようになりましたらまたご報告します。

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フランスの建築 2 THIS IS IT(番外編)

街中にあった「THIS IS IT」の広告塔

パレ・ド・トーキョーのMJモニュメント

2回目にして番外編となってしまいますが、時期的なこともあり現在公開中のドキュメンタリー映画、マイケルジャクソンの「THIS IS IT」について。

丁度フランス滞在中に公開となったこの映画ですが、フランスでも初日には劇場に長蛇の列が出来ておりました。当初2週間限定というもったいぶった打ち出し方をしておりましたが、好評ということで2週間の公開延期となりました。ご覧になられた方も多いかと思いますが、いよいよ来週27日(金)で上映終了となります。インターネット予約が可能な劇場でも既に最終日まで結構予約が入っているところもあり、まだ観ていない方は早めに良い席のご予約をお勧めします。

私自身2箇所の異なる劇場で観て来ましたが、多少の物足りなさもあるものの、全く素晴らしい出来でした。私はYouTubeの登場の頃からマイケルジャクソンが好きになったので比較的浅いファンでありますが、彼の死によって受けた喪失感は相当なものだったと改めて思い知らされました。この映画の持つ感動的な側面は、彼の死によって倍増されているのは間違いありませんが、作中に見える本番への思いや相手を尊重しながら出来を良くしていく工程、そしてリハーサルながらも存分に感じられる完成度などからは、恐らく彼が存命中だったとしても十分な感動を得られたことでしょう。

出来ることならば、現在DVDで発売されている「ライヴ・イン・ブカレスト」や、何ならYouTube等でも良いので80年代後半から90年代の絶頂期のライブ映像を頭に焼き付けてから映画を観ると、より一層楽しむことが出来ると思います。50歳という年齢でどこまで当時の動きに迫れるかという緊張感を気持ち良く開放してくれるでしょう。また、歌詞の意味もある程度把握しておけば感動は一層深まります。これもYouTubeで「(曲名) 歌詞」で検索すればだいたい出てきます。80年代から「CHANGE」を題材として歌い続けた不世出のエンターテイナーからの最後のメッセージを是非大画面で受け取ってください。可能であればIMAXシアター(関東だと川崎や埼玉など)の真ん中付近の良い席で観ることをお勧めします。鑑賞後は自然と拍手が湧き出ると思います。


フランスの建築 1 Alexandre Gustave Eiffel

エッフェル塔遠景

エッフェル塔見上げ

先週1週間お休みを頂き、フランスへと行って参りました。

英語圏ではない欧米国に行くのは初めてで、それなりの緊張感を伴いながらも充実した休日を過ごすことが出来ました。期間が短いということもあり、またリフレッシュにもならないので近代建築には目を向けなかったのですが、おきまりの観光コースで目にした誰でも知っている建築物についてレポートしたいと思います。

最初はエッフェル塔です。
ご存知の方も多いと思いますが、エッフェルというのは設計者の名前で、フルネームはAlexandre Gustave Eiffelと言います。パリにはエッフェル塔の他にもガルニエ宮(旧オペラ座)など、設計者の名前を冠した建物がいくつかあるようで、設計者に対する敬意が感じられます。さて、当のエッフェル塔ですが、あまりに有名で写真、映画など様々な媒体で目にしていることもあり、見てもそれほど感動するとは思っておりませんでした。が、いざ目にしてみると、そのディテールの繊細さや様々な角度からの鑑賞に堪えうるプロポーションの見事さなど、あまりの格好良さにすっかり虜になってしまいました。

生で見るのとメディアを通して見る印象が違うというのは当たり前ではありますが、これほどまでに事前のイメージを凌駕した建物は初めてでした。皆様も、パリを訪れる際には是非忘れずにエッフェル塔を堪能してきて下さい。