投稿者: 藤原昭夫

地球環境を考える一歩

STAY HOME週間のゴールデンウィークが明けても、まだまだ新型コロナウィルスの情報が駆け巡っています。今年の高速道路の様子がテレビで流れ、車の減少風景に驚き、そして少々心が躍りました。命を救うために医療現場も、経済活動も、変わらず逼迫している状況ではありますが、この動かない状況だから生まれるなにかもあるのではないかと。封鎖されたイタリアは、観光客の出すゴミがなくなり、水上交通量もほぼ皆無となったことでベネチアがきれいなエメラルドに澄んだ運河を取り戻しているそうです。

高速道路の映像を見て、気になっていたことを検索してみました。昨年と比較して、今年は温室効果ガスが16億トン減少する見込みのようです。これは約3億5000万台もの車が減ることに相当するとのことで、地球環境に大きな影響を与えそうではありますが、危険な気候変動を避けるためには10年間で毎年22億トンずつ減少させなければならないこと。まだまだ減少の手立てが必要だということを実感させられます。

住宅に関しても、地球環境問題に対応するべく、長期にわたって使用可能な質の高い住宅を形成する目的で制定されている手段に、長期優良住宅があります。『長期優良住宅』多くの方が耳にしたことはあるのではないでしょうか。

長期優良住宅は、①劣化対策、②耐震性、③維持管理対策、④省エネルギー対策の4項目が条件となり、それぞれ①劣化対策等級3以上、②耐震等級2以上、③維持管理対等級3以上、④断熱等性能等級4以上と、クリア条件が設定されています。合わせて集合住宅の場合は、可変性とバリアフリー性も条件となります。

これらの条件をクリアすることで、快適で長寿命な住まいを手にすることができるだけでなく、受けられる補助金や、税の優遇措置、住宅ローンの金利引き下げ等の対象となることがあります。是非着工前に確認しておきたい重要な項目となるのではないでしょうか。

通常建築する際に必須の確認申請とは別に、各条件項目に対してクリアしているかの検討と申請が必要となるため、別途申請費用や、条件項目をクリアするために仕様変更を要する場合は建築費用もアップしますが、取得しておくことによる大きなメリットは得られるでしょう。借入金額等各種条件や補助金実施時期にもよりますので、検討時のご不明点はお問合せください。

新型コロナウィルスに対する対策や情報の収集は引き続き重要ではありますが、現況が落ち着いたあと、どんな生活を送るべきなのかを考える時期なのかもしれません。新型コロナウィルス同様、地球環境問題も個人ひとりひとりの責任と行動が問われ、それが結果につながるのではないでしょうか。まずはできることから少しずつ。(岡坂)


新型コロナウィルスで考えたこと9 予測能力でこの事態は変っていた?

つつじが花盛りです。お陰様で、住まいの近くの季節感を満喫する日々です。

非常事態措置をいつどうなれば解除するのか、根拠となるデータを示せなかった政府の、指定感染症に指定したことや、クラスター対策に絞ったことなど初動のまずさや後手後手の対応が批判を浴びています。韓国や台湾を見れば事態は対処で変わることが見え、無理もありません。内閣が官僚の人事権を握る仕組みがこのような結果を招いたのではないかとも言われています。それもあるでしょうが、内閣も担当の官僚も一人一人は真剣に働いていて、こんな事態を招いたが、自分は間違ってない、悪くない、と誰もが思っているのではと推察されます。

 ここで政府の批判をするつもりはなく、このような事態は他人事ではなく、社会の各組織、自分らの建築の業界でも色々な現場で生じている現象ではないかと思ってのことです。これは仕事の意識や捉え方が変わって、仕事をするということは、優秀な人ほど決められたことを勝手に変えることなく、指示された作業を遂行することだと認識していています。昇進する人が優秀と言われる職場では、職制を気にして職能意識が薄れるようになります。例えば、昇進する人は、上司の意向に沿うように務め、自分の仕事の究極の目的は、自分ではなく上司が見定めるものと捉え、自分で考えることを避けるきらいがあります。上司も、部下を成長させるべく任せて仕事をさせているつもりでいます。うまくいっている通常の組織では、業務がマニアル化やルーティング化し、上司も部下も職制を気にして、仕事(職能)の対象である現場の状況に鈍感になっていきます。

そんな中、新たな事態で予定していないことが起こった場合、誰も自分の仕事として捉えようとせず、押し付け合い、対応できない仕組みとなりがちです。職能としての仕事の究極の目的を意識している者なら、領域を広く捉え、ちょっとした現場での違和感も敏感に感じ取り、その違和感が重大な問題を引き起こすかどうかの予測ができ、打つべき時には早急に手を打とうとします。でもそのような事態で打つべき手は、誰もわからず、わかっても自分の判断が許される領域からはみ出し、越権行為になりがちです。上司に報告しても、予測能力のない上司では、余計な問題を持ち込むな、となり、重大な事態になるまで放置されかねません。

解りやすい評価の高い事例は、有名な国連難民高等弁務官の緒方貞子さんのイラクのトルコ国境の難民キャンプ地での、立場を超えた支援判断です。このような判断は、予測能力が高く、経験ゆえに見えるところも多く、また業務の守備範囲を広く捉えられるから変わってくるもので、今回の国の対応まずさも、設計者にとっては他山の石とすべきものかと思います。

 今回の新型コロナウィルスが社会のあらゆるところに、新たな事態を生みだし、そこでの対応は、まさに予測能力が問われることになると思われます。

写真のような穏やかな凪がいつまでも続いて欲しいのですが。


八十八夜


夏も近づく八十八夜♫【茶摘み】
5月になりました。今日は八十八夜です。お茶ではありませんが、庭の小さな畑に小さな葉が出始めました。
立春から数えて八十八日目にあたる今日は、茶摘みだけでなくお米をつくるうえでも重要な時期のようです。例年ゴールデンウィークは一斉に田んぼに青々とした苗がきれいに並んだ光景が見受けられます。
夏の始まりを感じる時期です。

鯉のぼり 泳ぎて八十八夜 越す(平畑 静塔)
大人たちは学校に通えない子供たちの今年度の行方が大変気になるところですが、そんなことは関係なく子供達は日々成長しています。
昨年の背くらべの印から何センチ大きくなったかな。大黒柱ではありませんが、我が家は子供達の身長を家に残しています。今年はとうとう息子に背を抜かれてしまいました。本当に小さかった、やっと立てる頃の印を見るのも、懐かしいものです。まだまだお子さんが小さなご家庭にお勧めです。
しかし、そんな成長を祝う子供の日も、今年はSTAY HOMEです。

テレビ番組では、過去のドラマやバラエティ番組の再放送が多くなっています。
ドラマはストーリーがわかっていても、つい懐かしく見てしまうものもあります。
今は過去に生まれた宝に再度注目して、未来に生かすことができる時期です。

これまでの弊社の宝も、ぜひ少しだけでものぞいてみてもらえたら嬉しいです。
↓↓↓

設計事例

住まいは人々の命と健康をまもります。
家にいる今だからこそ、子供の成長と大切な我が家を考えるゴールデンウィークにしてみてはいかがでしょうか。(岡坂)


用心堅固

緊急事態宣言が発令されて2週間以上経過しても、まだまだ緊迫な状況が続いています。

そんななか、先日バケツをひっくり返したような雨が降り、夏の夕暮れのような雷が鳴りました。いくつになっても、光と音の間隔が狭まってくると「近い・・・」と思ってしまいます。
雨上がりの夕方、いつもは子供達が遊ぶ公園が湖になっていました。
逆さ富士を連想させるような、水に映り込む風景に感嘆をあげながら、同時に不安も過りました。

今。
もし去年のような洪水被害や大地震がきたら・・・
避難せざるを得ない状況になってしまったら・・・
考えただけでもぞっとします。大雨の最中、ほんの一瞬停電になっただけで危機感を覚えました。
しかし、ただ不安や心配をしているだけでなくできる範囲で準備しておくことが大切だと気付き・・・
まずはすっかり出番が少なくなった自家用車にガソリンを入れておきました。
少しだけ備蓄っぽく食料も購入しました。
用心に用心を重ねておいても無駄なことはありません。
特に今はなんとか自力で生き抜くことを考えておく必要があります。

建築業からも防災を考えられないか・・?
命をまもる建築で、万が一に備えることができるはず。
防災専用でなくても、別の場所を確保できたら?
さらに、それを自分で建てることができたら・・いかがでしょう?
ちょっと興味のある方は是非お問合せください。

『いつもの日常』『変わらない生活』がとても幸せなことだったんだということを再認識させられています。ほんの小さな光に可能性を抱きながら・・・(岡坂)


新型コロナウィルスで考えたこと8    ウィルスは人工的に作成された?抗体は?

新型コロナウィルス感染に抗体を持つ人がいるのでは、という情報に、WHOが抗体の有無や効果はまだ解明されていない、という声明を出されました。

 今回のウィルスの特徴が症状の出ない感染者の存在にある、と言われ、正直ウィルスが完全に無くならない限り、他者と会うことは、感染の加害者または被害者になる危険性を常に孕むということになります。ということは、人と会うことを自粛しよう、という措置はいつ解除されるのかと考えると、有効なワクチンが出来て、殆どの人が抗体を持つことができたときでしょうか。あるいは、すでに抗体を持っている者のみ、人に感染することも、させられることもないということで、自粛を解かれ、社会活動が許されるのでしょうか。有効なワクチンができるまで半年から1年以上要すると言われています。

と、こんなことを書いていたら、友人から、さらに友人からの情報だということで、ノーベル賞を受賞した、リュック・モンタニエという博士が、新型コロナは、エイズのワクチンの研究途中に人工的作られたものではないかという論文が発表されたという情報のメールをくれました。

「COVID-19は増殖の過程で必要な宿主との間のゲノムの組み換えを通して感染力が急速に低下するだろう。そうでなくともヒト細胞のゲノムとの組み換えを通して弱毒化する可能性が高い。」

 この情報の真贋は自分には判断できませんが、紹介してくれた友人は、遺伝子の研究で世界的にトップクラスの大学で教授をしていたので、情報の見立ては確かと思われます。感染が拡大していく中で、人工的に加工されたウィルスが無毒化していずれ消滅していくだろうとのことです。また、どうもアジア系の人間には感染力が低いのでは、とか、抗体は殆ど出来ないのでは、との情報もありました。リュック・モンタニエ博士や武漢説を検索すれば情報は検索できます。ただし、無毒化するまでにどれだけの期間を要するのか、どれだけだけの犠牲を払うことになるのか、ということはまだ推移を見ないとわからないとのことです。

この新型コロナウィルスの感染が引き起こしている事態は、前回のブログでも書きましたが、私たち建築設計者はもちろんのこと、世界中の経済活動や地球環境に対して人類の一人一人がどう対応するのか試されているような気がしています。(藤原)


家事ミッション


満開だった桜は、いつのまにか夏にむけて葉桜となっていました。
例年なら通りすぎてしまう葉桜を、今年はジッと立ち止まって見てしまいました。
新型コロナウィルスの影響で、これまでにない状況の社会が続いていても、時は流れていて季節が移り変わっていくことを感じさせてくれました。

そういえば。
子供たちが入園する前は24時間ずっと一緒で、何が起きたか全てわかっていることが当たり前でしたが、いつのまにか親の知らない時間が多くなっていました。
それが昨今の生活により、久しぶりにあの時の感覚を否応なしに取り戻しています。
・・・が、当時よりも大きな体になった子供たちにはミッションを課してみました。おかげさまで家事の育成強化期間となっています。

私自身専業主婦の時期もありましたが、正直家事はあまり好きではありません・・しかし、これまで子供たちにやらせてみることなく自分でやってきてしまいました。
ゆえに教育?躾?という名の『家事育成期間』でとても助かっています。これを機に生活力を少しでも生活力を身につけてくれたら嬉しいです。

子供達の様子を見ていると、同じ家で生活をしていても、それぞれのやり方やテンポの家事を目の当たりにして、いつのまにか私の家事は、(おそらくあまり好きでないことから)いかに短時間で仕上げるか!を基本にやっていたことに気づきました。

家事は、それぞれのやり方や順番や癖、気になるポイント等、違いがありますよね。
でもきっとそれらは全て正解で、自分のやり方に準じた配置になっていることで、やりやすさが断然異なります。

だから私は毎回奥様の家事が気になります。
もちろん家事が好きで、全く苦にならない方にも。毎日のことで、年月を経過することによる家族の変化も含めてお話することにより、より暮らしやすい住まいになるのではないかと考えるからです。

家の中の生活を他人に話すのはとても抵抗あるとは思いますが、家を建てるときには、そんなことはとっぱらって・・・
是非親友にも話してないようなお家事情や、生活での細かなことを設計士にお話することをお勧めします。

多くの設計士は、少しでも希望を叶えるべく頭を捻ることでしょう。
きっとその場面も建築設計を生業としている者には生きがいを感じる瞬間です。
みなさんの生きがいは何ですか?

命あることが当たり前ではないことを切々と感じる今だからこそ、1日を大切に生きなければと感じます。
今日もお疲れ様でした。(岡坂)


新型コロナウィルスで考えたこと7「朝三暮四」

薫風の中、新緑が最も美しい時期

今、外の新緑がとても美しい。なのに世界は新型コロナウィルスの感染拡大阻止のため、一刻も早く対策を講じようと懸命になっています。少しでも遅れると、その後のダメージが倍々ゲーム以上になってしまう、という危機感を共有して、世界の殆どの国々が非常事態宣言を出しました。医療従事者はじめ関係者ともども誰もがこの戦いを乗り越えようと努力しています。私たちの事務所もリモートワークでなるべく在宅に努め、要望されるお客さんとはスカイプでの打ち合わせも始めました。このウィルスを押さえ込められない場合、半年先、1年先に人類が被る大打撃、というより自分が被る被害を国民一人一人が容易に想像でき、多くの方が非常事態措置に応じています。

桃の花の空遠く、月が地球がどうできるか眺めています。

 翻って、地球温暖化に対する手立ても、今すぐに必要な対策を施さなないと2050年、2100年には地球や人類がとんでもないことになるということは世界中の主だった人たちは皆知っています。それなのに、そんなに急がなくても、そこまでしなくても、いろいろな事情があるから、まだ少しいいだろう、などと対策を先送りしてきました。被害が及ぶのは自分ではなく、次の世代やよその国だからでしょうか。それとも想像力がそこまで及ばないからでしょうか。

 中国の春秋時代の有名な話で、サルの給餌をしていた宋の狙公という者が、経費削減で餌の栃の実を少なくしようと、サルたちに、夕方に4個あげるから朝は3個でどうだと聞いたところサルたちは怒り出したので、それなら朝4個夕方3個ならどうだと聞いたところ、サルたちはそれならいいと喜んだという話です。つまりサルたちは今この時、自分たちが良ければ、夕方になってどうなっているかに対する想像力が働かない、という話です。人類も時間概念が確立するまでは似たような状態であったようです。時間経過に伴った想像力が働くようになったのは文字の発明からでではないかと言う事です。つまりそれまでの伝承は口伝継承だったので時間概念が生まれず、文字での記録で時間の経過が視覚的に認識できるようになったとのことです。人間はどれだけ先のこと(時間)まで、どれだけ広い範囲の世界まで、リアリティーを持って想像力を働かせられるかが文明文化、いや人間の成熟や進歩のバロメーターなのかもしれません。設計もどこまで広くどこまで多様に、どこまで先を読むかで、出来の確かさを決める仕事なので、それが良くわかります。

 今私たち人類はどれだけ想像力があるか試されているような気がします。新型コロナウィルスの発生原因は諸説ありますが、直感的想像力を働かせると、SARSやMARS、エボラと数年おきに新たなウィルス感染症が発生していることから、人間中心の文明の発達が地球温暖化や異常気象を生み出し、自然との関わり方、今回は動物ですが、大きく変わってきていることに起因しているような気がします。自国ファースト、自分ファースト、と自分周辺にしか気が回らず、遠い国々のことまで思いやる空間的想像力が働かなっかったから、感染症があざ笑うかのように軽々と国境を越えて世界中に蔓延してしまいました。つい数ヶ月前までインバウンドだ、我が国に来い来い、と言い合っていたのが、今度は来るなという。感染症でとんでもない犠牲を払い、ひどい目にあってようやく、自国だけでよくても世界は成り立たない、地球は一つの器であることへの、空間的想像力がリアリティーを持って働き始めた気がします。同じことで、これまで先送りしてきている異常気象や地球温暖化、あるいは脱プラスティック等で、次世代への時間的想像力が働かず、未だいいだろう、それよりも今の経済発展だと言ってきた、我々人類はサルからあまり進化していなかった、ということなのでしょうか。

 生活に多少の変容が生じたとしても、もし曲がりなりにこのウィルスとの戦いを乗り越え、平常を取り戻すことができれば人類が一体となって問題を克服できる、という自信になって欲しい気がします。それによって人類も、自分さえ、今さえよければという狭い想像力から、次の世代やよその国の危機にも思いが至るようになり、しかも一体となって問題に当たらなければ克服できない、という広い想像力を身に付け、地球温暖化に対しても、経済回復を兼ねて足並み揃えて早期に対策を講じられるようになるのでは、などと希望を持ってリモートワーク、自宅待機を過したいものです。(藤原)


新型コロナウィルスで考えたこと6「アベノマスクと裸の王様」

 日本の全所帯に布マスクを2枚ずつ配布する、という国の長たる総理大臣の自慢ありげな発言が、様々な批判や冷笑を浴びました。確かに目の粗い布マスク2枚で何の効果を期待するのか、400億円以上もかけて、そんなことより国がやるべき重要なことがたくさんあるでしょう、という批判のようです。それはいうまでもないのですが、ここでは専門家でもないのでその是非は口にしませんが、あのようなことを、てらいもなく発言する安倍さんは、やはり裸の王様になっていることをここでも露呈したように思われます。まともな忠告や諫める側近や官僚がいないのか、誰の意見も聞こえなくなったのか、益々不安になりました。

 それと批判している側の立ち位置も気になりました。批判する自分は観客席にいるのか、グランドに立ってするのかで違ってきます。どちらもアベノマスクの非をあげつらうのは同じですが、観客席から批判する人は被害者としての物言いで、簡単に突き放すだけですが、グランドに立っていう人は、プレーヤーとして、グランドで起こっていることはなんであれ、自分にも責任があるとのではという思いがあり、非を上げつつもそのような長を生み出しているのは自分等であるという、加害者の観点というか、忸怩たる思いがそれとなく感じられます。職業柄自分には加害者側に立ってしまう傾向があります。

 設計者は建築の出来上がりに関してはどんな問題であれ、逃げられません。直接の因果関係での責任はないにしても、出来上がっていく全てに関わらざるをえなく、そのような結果を生み出した加害責任の一端は必ずあります。このような職業に関わってきたせいで、何の場合でも、何がいけなかったのか、どうすべきだったのか、とつい加害者の視点に立って見てしまう性壁があり、アベノマスクへの批判も、自分などがどうにかできるわけでもないのに、どうするのが最適だったのか等、ついしょうもないことが気なってしまいました。


『鴻雁北(こうがんかえる)』

雁が北へむかって出発する季節となりました。ようやく春の不安定気候が落ち着いてくる時期となるのではないでしょうか。

(そんな遠距離飛ばなくても、日本にいればいいのに)と思ってしまいますが、渡り鳥が遠距離を渡る目的は子育てのようです。体内時計を駆使して、食べ物を入手しやすく、ヒナを育てやすい場所へ命をかけて移動します。

また、群をつくってV字で飛ぶ雁は、先頭にいる鳥のおかげで、後方の鳥たちは一羽で飛ぶより7割も遠くまで飛べるそうです。

 

今。

新型コロナウィルスに対して先頭に立ってくれている人は誰でしょう。医療関係者、政府、知事、公務員の方々・・・初めての事態への対処に「それは違うだろう・・・」と思うこともありますが、先頭にいる雁が道なき道を進んでいるのは事実です。後方にいる以上、今は批判ばかりより協力がとても大切だと感じます。そして今もっとも協力できることは、人との接触を最小限にして家にいること。

 

さて、コロナ騒動で久しぶりに子供との時間が急激に増えております。今家にいなければならない時間を利用して、子供のために場所を探す雁を見習い、子供の成長を促す場所づくりの時間にしてみてはどうでしょうか。新生活・新学年に合わせた家づくりです。毎日の生活を再確認しながら、物の配置・勉強エリア・くつろぎエリア・・・ちょっとした仕掛けで、もしかしたら子供の成長、自立の手助けになりながら、私たち親も笑顔の子育てになるかもしれません。

今年お子様が入学されたご両親の皆様、ご入学おめでとうございます。子供の成長を感じるとてもうれしい時期ですよね。特に環境を整える絶好のタイミングです。今、この時期をどうか大切に・・・

家づくりは毎日の生活と健康が直結します。住まいづくりで何かお困りのことがありましたら、どうぞお気軽にお問合せください。(岡坂)


新型コロナウイルスで考えたこと5「変革待ったなし効果もある」

新型コロナウイルスが世界中を震撼させています。都市封鎖がいつ始まるかと気にしながら仕事しています。この影響で、私共にも、工事の延期や計画の見合わせが2,3件と影響がでてきました。

社会全体に与える被害は計り知れませんが、考えようによっては、改めなければと思いつつ、ぐずぐずしていたところに、変革を待ったなしに迫る効果もあるのかもしれません。

いくつかの国では医療従事者の不足に獣医学の従事者が協力を申し出ていましたし、オンライン授業を本格的に始めようとする学校が現れたり、自動車等各種生産工場の部品供給の中国一国頼みを見直すか、国内に戻すとか、大なり小なり変革が始まっているようです。

私らも産休明けのスタッフようにテレワーク勤務を始めていましたので、全員のリモートワークも模索しています。「新型コロナウイルスで考えたこと4」でも述べましたが、賃貸マンション等に住まわれている方でも可能な別荘づくりの建築の仕方の提案も考え始めました。
新型コロナウィルス渦の中、建築しようとする方は少ないだろうと思われます。本当は今、仕事が少なく工事費も安く、建築を考えるのが最適なのですが、なかなかそうなれないでしょう。

そこで私等が提案しているFSU工法の売りの一つに建築の解体容易、壁部材等の再使用、があるのですが、普段ですと誰もが「フーン、そうですか」という程度で、興味を持ってもらえませんでした。確かにこれから建てようとする方が解体を考える気にはならないのが当然です。しかしこの時期、時間もできそうですし、誰も振り向いてくれなかった、この工法の移築や部材の再使用容易の特徴を徹底的に生かす、「モラトリアム建築」という建築の仕方を提案をしてみようかと考えています。

つまり、新型コロナウイルスでリモートワークや自宅に閉じこもるしかない社会になるのなら、住まいの改善だけにとどまらず、庭先のガレージオフィスや、人込みを避け自然の中で過ごす必要性の再確認用に、簡易型別荘など、建築をするなど考えてもみなかった方でもできる建築の仕組です。多岐にわたって数多くの住宅を手掛けてきた私らゆえに、予算のかけ方の優先順位のアドバイスができる故に、これまで予算的に無理と諦めていた方に何から作っていけばいいのか、その後どういう展開が可能か、イメージ提案ができるかと思います。

最初はただの空洞空間をつくり、必要な段階に部屋を建て増したり、設備を付け足したりと、変えながら、成長変化ができ、場合によっては移築も容易な建築です。FSU工法でないとできない建築で、たぶん木造ではどこにもない仕組みです。これまで極めようと思いつつ留保してきた、プロに手伝ってもらいながらユニックでも建て込みが容易にできるDIY型の建て方や、解体再使用が極めて容易なディテールなど、色々考えてみようと思います。

この際、都市封鎖になってもテレワークで、こんな時だからこそできる、私どもなりの変革提案ができればと考えています。(藤原)