カテゴリー: お知らせ

三鷹H邸 プチ見学会のお知らせ

来る2018年10月27日(土)に建主様のご厚意により、三鷹のH邸をご案内する機会を頂きましたのでお知らせします。

建物は、外壁を通気工法の外断熱とし、屋根は外断熱の上に通気層を設け、夏場の壁・屋根内の熱を逃がすようにしています。また、基礎蓄熱式暖冷房を入れており、家全体がほぼ同じ室温になるので、ヒートショックになりにくい家になっています。

なお、見学は予約制でご案内する人数は数組のみとさせていただきます。 ご興味のある方は、お問い合わせフォーム、またはメールにて、お名前・ご住所・ご連絡先・参加人数をご記入の上お申し込みください。
お申し込みをしていただいた方には追って詳細をご連絡致します。

■住所 :東京都三鷹市大沢
■日時 :2018年10月27日(土) 午後(13:30~16:00)
■最寄駅:JR中央線 三鷹駅からバス17分+徒歩6分
        京王線 調布駅からバス12分+徒歩4分
■申し込み先
 お問い合わせフォーム
 e-mail: office@yui-sekkei.co.jp


キッチンと、食堂の小幅板天井とコーナー窓


キッチンは、製作したオリジナルキッチンです。オープンキッチンで、天板はステンレスのバフ仕上です。 最近フルオープンキッチンのご要望が多くなってきました。


BOSCHの食洗機が入りました。


「間取り再考」ワークショップ開催

先日武道館で合気道大会が開かれていました。設計も武道と同じで、要望と、敷地などの建築条件との間に大きな乖離や矛盾が少なからずあるものです。その矛盾を矛盾のまま行って、矛盾なく満足できる結果を導き出そうとすることが建築設計です。日頃の鍛錬がものを言います。

間取り再考ワークショップ開催
本来「間取り」を決めるということはどういうことか理解していただくためにチェックシートを用意し、前回のブログで公開しました。間取りをチェックしてみて、気になるところが露わになり、自分だけでは修正が難しいという方が、一緒に集まって互いに検討し合う「間取り」再考ワークショップを開催します。新築だけでなく、リフォームを考える方の現状の間取りについても、どう変えられそうか、一緒に考えてみたいと思います。それら持ち込まれた具体的間取りを遡上に、どんな不満を覚えているかを伺います。又その間取りで気になることや、それに対応する建築手法などを、当事務所の「設計作法」や著作本「美しい住まいのデザインルール」等も引き合いにしながら解説し、ご自分の間取り修正の参考にしていただきます。そしてその後に検討が必要な事項についてもアドバイスします。多くの方に参考になりそうな間取りは、匿名で公開することを条件に、ホームページで発信し、家づくりで後悔する方を少しでも少なくする活動にしていきたいと思います。しかしあくまで社会への還元活動であって、通常業務の妨げにならない範囲内で秘かに行うもので、自分で修正しようとする方への支援(補佐)でしかなく、決して代わって修正してあげるものではないことをご了承ください。また、実際に悩まれている方と切実感を共にできる方たちで一緒に考えたいので、勉強等だけの方は遠慮ください。資料コピーや茶菓代として有料といたします。

「間取り再考」ワークショップ開催のもう一つの理由

昨今、AIが職を奪う、と言われ、住宅設計もそうか、ということが設計者仲間でよく話題になります。規格型の住宅設計では当然AIになるでしょうが、価値観の違いが大きい個人の注文建築ではどうか、特に各個人の特殊性に合わせる設計はどうなのか、検証してみたいと思っています。たぶんその特殊性の捉え方、合わせる内容への各個人の意向や状況の読み取り方、その意向への答え方や空間化の技量で、設計の価値が露わになると思っています。AIとの違いがでるとすればそこになると考えています。間取りワークショップはそれらを研究する意味で貴重なケーススタディーになると考えたことが、もう一つの理由です。

参加希望の方は「間取り再考」ワークショップの開催要領をよく読んで、必要資料を事前に送付の上お申込み下さい。

穏やかな生活が何よりです。


間取りに感じる不安の解消

信州上田城の外堀跡です。関ヶ原の戦いに行く途中、徳川家忠が数万の兵を引き連れ、数千の真田軍を簡単に落城させて参戦するはずが、よく練られた真田軍の防備にてこずり、結局落とせず、数日足止めされて参戦し、家康にこっぴどく叱られた、という逸話をもつ外堀です。何事も事前の検討と対策が威力を発揮するという見本です。

前回のブログで述べたように、間取りに悩まれている方に少しでも軽減していただくためと、部屋の仕切りが決まった程度の間取り図で、検討すべきことが済んだかのように思われている方が多くいる状況に、私どもなりにそれを再考していただくため一石を投じてみることといたしました。

間取りから次に進む際、建築主として間取りに関連して全てを検討した、という確信もつため、当事務所のクエスチョン式間取りセルフチェックシートを提供いたします(無料)。当ホームページからご自由にダウンロードして活用ください。

これは、決して悩みの解決案や間取りを考える際に参考となる建築手法を述べたものではなく、あくまで検討すべき項目を列挙したものでしかないことをご承知の上活用ください。 <p>「間取り」の次に進むということは、そこに含まれる全てを自分が了解したことを意味します。例えチェックが素人には難しいと思っても、建主がいいと言わない限り家づくりは前に進めない建前になっています。不安であれば自分が納得できる間取りや計画内容になるまで設計者と話し合うしかありません。そのためのチェックシートです。建築屋さんがいい人だから、いい工務店だから、というのは、他人である以上自分にとって適切なものになるという保証にはなりまません。

間取りセルフチェックシートは

生活のあらゆる行為を想定して、動線や各諸室のスペース(広さ)、方位や道路、敷地境界と開口部、時代に即した設備機器の配置、収納や装備との関係、その上で構造的バランスや断熱等の性能、広さと予算と仕様のグレード、駐車場などの屋外の扱い等々を考えます。その上で、工事での作業性や費用対効果、将来の生活変化への対応、気に入った魅力ある内部と外観等々を吟味しながら自分に適切なものか考える上で、項目に漏れがないかチェックできるツールです。これらは敷地や人それぞれで事情が異なり、優先順位も違ってきます。しかしこのチェック項目でで考えるべきことはすべて考えた、という実感が不安を解消してくれるはずです。

間取りセルフチェックシートの提供にあたり

 最初にお断りしておきますが、間取りのセルフチェックは簡単にできるものではありません。建築の専門の方と一緒でないとチェックしきれない部分がいくつか含まれています。またチェック項目も、適切か、とか、自分なりに納得や吟味したか、という質問が少なくありません。建築は敷地条件や使用する人が違えばチェックの判断基準や重要度も違ってくるため、使用する建て主が判断すべきものだからです。もし判断しきれないところがあったら、その間取りの提案者に相談して見て下さい。説明に納得いかなかったらセカンドオピニオン等に求めるしかありません。参考までに当ホームページの設計作法は、クエスチョン式のチェック項目に対する、私共ならこう設計しています、という、一つのアンサーにもなっています。

チェックシートは間取りを決定する前に、不明のまま進めるのでなく、検討すべきことの、気づきを促し、漏れを少なくするためのものです。又、不明なところの検討記録であり、設計者(または建築施工者)との打ち合わせ資料でもあります。

セルフチェックしても不満が残る場合

 さらに、全てをチェックして納得して不安は消えても、不満が残る方も少なくないはずです。その場合はその計画が自分の状況や価値観に合ってないからです。建築の計画は95%論理的に考えられ、論理だけでは誰が考えても、多くの場合似たものになりがちです。チェックだけでは論理以上にはなりません。その段階を超えた満足を得るのは、残りの5%部分で、個人的感性や価値観、あるいは発想や構想力に負うところが大きく、誰がどう計画したかで違ってきます。

不満を残さない計画にするには、言葉で表現できない要望と建築条件の間にある矛盾をブレークスルーする必要があります。その仕方は設計者によって異なります。全てチェックして論理的に納得しても、不満が消えない場合は、自分の感性に合った設計者を探し出し、その設計者の提案に賭けるしかありません。

チェックシートの提供は、設計があらゆることを検討する行為であり、その重要性を理解していただくためのものです。さらに真に満足いく建築とするには論理を超えた段階まで行く必要があり、それには、誰でも同じではなく、私共である必要はありませんが、住宅設計を専門とする、感性の合う設計者に委ねる必要があることも、理解いただきたくての提供です。

上田に住む方が、すべて再使用材を使用して、茅も自分で刈ってきて、自分で作った茅葺の庵です。自分が納得できればどんな家も都です。


練馬の二世帯住宅見学会開催

2017年12月9日(土)10時~14時までの間

練馬区の二世帯住宅で見学会をさせて頂けることとなりました。

木造FSU工法で建てられた住宅で地下1階、地上2階建です。

通常の木造在来工法とは構造が少し異なり、壁を杉の角材をボルトで連結したパネルでつくっており、壁内に空洞がありません。

そのため棚をつくったり重いものを掛けるフックを付ける際下地が必要なくどこにでも造作が可能なため、結設計ではDIYやハーフビルドを楽しみたい!という方にオススメしている工法です。

この家の建て主さんも室内に壁の杉材をアラワシで使ってご自身で塗装をされたりして無垢材の壁を楽しまれております。

地下室の床張りや洗面所のタイル張りなど、引き渡し後にご自身での作業を予定されていますので、今後の変化も含め大変楽しみです。

1階親世帯はフローリングの床+白い和紙を貼った壁+小幅板天井のリビング、

2階子世帯は畳の床+FSU工法アラワシの壁+白いクロスの天井のリビング

異なる2種類のリビング空間を見て頂ける面白い住宅です。

今までの結設計で手掛けてきたものとは少し違った楽しみ方を持った住宅となっております。

DIYに興味のある方や木のぬくもりを存分に感じたい方、是非お申込みをお待ちしております。

用途:専用住宅
構造:木造FSU工法 地下1階、地上2階建
延床面積:244.85平米(74.07坪)

■開催地:練馬区立野町
■日時:2017年12月9日(土)10:00~14:00
■最寄駅:JR中央線荻窪駅より南善福寺行バスに乗車

■申し込み方法
見学ご希望の方は、下記申し込みフォームか、結設計宛にメールにてお申し込み下さい。
お申し込みの際には、「練馬の二世帯住宅見学会希望」と明記して頂き、住所、氏名、連絡先、参加人数をご記入下さい。
参加申し込みのご連絡を頂いた方のみに、詳しい住所などをお知らせいたします。

■申し込み先
事例案内申し込みフォーム
e-mail: office@yui-sekkei.co.jp
FAX:   03-5651-1934
[お申込み締切]
12月8日(火)15:00まで

※ご不明点、ご質問等ございましたらお気軽にお問い合わせください。

 


表彰状を頂きました

結設計で設計監修をおこなっておりますFSU工法で建てた釜石地方森林組合事務所と陸前高田森林組合事務所が[いわて木材利用優良施設コンクール]にて会長賞を頂きました。

釜石地方森林組合事務所 平成28年 会長賞

陸前高田市森林組合事務所 平成29年 会長賞


FSU工法 現場見学会のお知らせ

3/23(木)に、FSU工法で建築中の木造住宅の現場見学会を開催します。
2月に開催した構造見学会の後、現場を見たいとの問い合わせがあり、今回施工途中の現場見学会を開催することになりました。
FSU工法は、結設計以外のいろいろな方にも使用していただけます。スケルトン(構造躯体)のみを提供する方法も用意できています。

参加のお申込みをお待ちしております。

建築中の建物は、変形敷地に合せた形の2階建ての住宅です。
用途:専用住宅
構造:木造FSU工法 2階建て
延床面積:111.33平米(33.67坪)

■開催地:茨城県牛久市
■日時:2017年3月23日(木)
■最寄駅:JR常磐線牛久駅より車で8分程

■申し込み方法
見学ご希望の方は、下記申し込みフォームか、結設計宛にメールまたはFAXにて下記までお申し込み下さい。
お申し込みの際には、「牛久のFSU工法現場見学会希望」と明記して頂き、住所、氏名、連絡先、参加人数をご記入下さい。
参加申し込みのご連絡を頂いた方のみに、詳しい時間・住所などをお知らせいたします。

■申し込み先
事例案内申し込みフォーム
e-mail: office@yui-sekkei.co.jp
FAX:   03-5651-1934
[お申込み締切]
3月22日(水)19:00まで

※ご不明点、ご質問等ございましたらお気軽にお問い合わせください。


FSU工法 新建ハウジング掲載


FSU工法について新建ハウジング(平成29年2月20日号)に掲載されました。
全16ページの新聞のうちで、最終面の1ページ丸ごとFSU工法について掲載されていました。
FSU工法の概要、これまでの実績、工法のメリット、工法のオープン化等について取り上げていただきました。

FSU工法は、たくさんの方に使っていただきたいので、オープン化していきます。品質管理と施工管理・部材管理の為ルールを設けています。そのルールを守っていただければ、自分の裁量でこの工法を使っていただくことが出来ます。
工法のオープン化については、一般社団法人FSU工法普及協会で運営していきます。


FSU工法構造見学会のお知らせ

来週2/22(水)に、FSU工法で建築中の木造住宅の構造見学会を開催します。
実物の建物の構造見学と、1.2m程の高さに詰めた実物模型で、解体再使用の原理を実演しながら同工法の説明もする予定です。
FSU工法は、結設計以外のいろいろな方にも使用していただけるよう整備しているところです。
今回の見学会は、FSU工法に興味がある方であれば、一般の方でも建築関係者の方でも、どなたでもご参加いただけます。
お申込みをお待ちしております。

建築中の建物は、変形敷地に合せた形の2階建ての住宅です。
用途:専用住宅
構造:木造FSU工法 2階建て
延床面積:111.33平米(33.67坪)

■開催地:茨城県牛久市
■日時:2017年2月22日(水)14:00~16:00
■最寄駅:JR常磐線牛久駅より車で8分程

■申し込み方法
見学ご希望の方は、下記申し込みフォームか、結設計宛にメールまたはFAXにて下記までお申し込み下さい。
お申し込みの際には、「牛久のFSU工法構造見学会希望」と明記して頂き、住所、氏名、連絡先、参加人数をご記入下さい。
参加申し込みのご連絡を頂いた方のみに、詳しい住所などをお知らせいたします。

■申し込み先
事例案内申し込みフォーム
e-mail: office@yui-sekkei.co.jp
FAX:   03-5651-1934
[お申込み締切]
2月21日(火)19:00まで
※まだ申し込めるかとお問い合わせがありましたので締切時刻を延長しました。

※ご不明点、ご質問等ございましたらお気軽にお問い合わせください。


「住まいの3Dしくみ図鑑」掲載

「住まいの3Dしくみ図鑑」エクスナレッジ出版に、印西の家(P.075)、永山の家(P.076)、善福寺の家(P.077)、大きな軒をトラスで支える(P.100)、床を下げてオーディオルームをつくる(P117)が、掲載されました。
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過去の建築知識の特集記事を再度まとめなおし書籍化されたものです。
一般の方向けではないのですが、詳細図が立体化されるなど、分かりやすくまとまっています。
書店で見かけたら是非手にとってご覧ください。


木造躯体顕わし60分耐火試験クリアー

FSB工法での、木造準耐火60分構造外壁及び耐火区画壁の耐火試験に、(一社)岩手県建築士事務所協会及び岩手県森林組合連合会並びに結設計が連携して、(公財)日本住宅木材技術センター試験機関にて、林野庁の助成金活用で2016年9月合格することが出来ました。ようやくという感じです。異常気象等を始め地球環境をどんどん異常な状態に押しやっている現代文明において、正常に近づける作用をする建築の工法としては、このような、CO2の吸収固定を増進して廃棄物を削減する、部材のリユースを前提とした工法にせざるを得ない中、現実的で完成形に近い工法技術でクリアーできました。この試験結果をもって国交省に60分耐火壁としての認定を受け、年内には下りると思われます。

耐火試験を行う炉です、炉の各穴から1000度近い炎で吹き付けます。046

炉の内部ではこれだけ激しく燃えています。055

燃焼試験が行われる壁の内部側の燃焼前の躯体顕わしの壁面です。047

木造躯体顕わし準耐火構造(60分)耐火試験に合格と言っても、殆どの方はそれがどうかしたの?、という感想ではないかと思われます。このことは、如何に建築が法律でがんじがらめに拘束され、木を現して使える領域が少ないかを知っている者には分かって貰えますが、そうでない方には、猫に小判、馬の耳に念仏かも知れません。

市街地の殆どには防火のために、外壁を防火構造や準耐火構造に、又、面積や用途によって不燃材にしなければならない規制があり、木造で建てようとしても、その木を内外に顕わしに出来ないことが多いのです。木造三階建てでも同じです。

通常の木造建築は柱間が空洞になっているか断熱材が充填されてあるため、躯体を内外サイディングや石膏ボード等の新建材で包むことで、30分や60分の耐火性能を満たし、内外に燃え抜けがない様にします。この方法ですと現実の建築では手間や材料費が嵩み、鉄骨造等で建てた方が安価になることも多く、しかも木材を顕わしに出来ず、木造で建てる意味やメリットがなかったのです。

耐火試験をクリアーしたFSB工法の壁は、柱と同寸の杉の無垢材で充填されているため、空洞がなく、角材間に隙間を生じさせなければ、燃え抜けない様にすることが可能です。試験した壁の内部は木造躯体を顕わし、外部には断熱材を貼り、杉の仕上げ材(下見板や縁甲板等、殆どの木材の仕上げを可能とする条件)を貼った105mm角の柱を含んだ構造外壁です。さらにもう一種類、内外に仕上げも断熱材も貼らない躯体だけの、120mm角の角材の内外同一仕様の壁(耐火区画や間仕切り用の構造外壁)の二種類です。

柱を太くすればより容易にクリアーすることが可能ですが、それではその分コストが嵩み、普段使いがしにくくなり、どれだけ小さな構造柱でクリアーさせるかが勝負所なのです。試験でクリアーした柱は外部仕上げタイプが105角、耐火区画壁は120mm角で、どちらも240mm角まで使用できる条件でクリアーしました。

この二種類の60分耐火壁によって、木造躯体現し(石膏ボードやサイディング等の新建材使用が削減)の準耐火構造建築が可能になり、これまで通常材料使いの木造では難しかった、延べ床3000平米の建築や三階建ての幼稚園や老人ホームなどの福祉施設や公共建築が、FSB工法でなら可能になるのです。通常材料での木造の活用領域が、工事単価の割り増しなく大幅に拡大します。しかもこの工法では建物の使用期間が終わって解体されても、断熱材以外廃棄処分に困る新建材は殆ど使用せず、壁パネル等は他の建築物の壁として再使用できます。

耐火試験をクリアーした方法としては、木材が持つ、木は燃えると炭化して燃焼速度を遅滞させる性質=燃え代耐火性能を活用しています。それで一定時間内の燃え抜けを阻止し、断熱材以外全て循環型素材の木材の活用で、特殊防火材や薬剤等は一切使用していません。木は1mm炭化するのに1分間程時間を要します。60分耐火構造壁の試験では60分間以上、900から1000度の炎で、3m×3.6mの大きさの壁の片側で燃焼させて、その壁の反対側にピンホール等の穴であっても、一瞬たりとも火を見せず、熱を伝えず、かつ構造的に必要な載荷重に耐え続けるかを試験します。しかも試験は偶然性をなくすために、同じ仕様で同じ方向からの燃焼試験を二体づつ行います。つまり外壁の場合は内からと外からそれぞれ二体づつ計4体、耐火区画壁は内外対象形なので、一方向からの計二体、合計で6体の燃焼試験を行いました。

私たちの壁は柱を立て並べた壁ですから、ただ並べたら一本一本の間に火によるねじれ等で隙間が生じる可能性があり、そこから火が燃え抜ける危険性があります。あるいは土台や梁(桁)の間も隙間が生じて燃え抜ける可能性があります。これらをどのようにして燃え抜けないようにするかが重要な技術的ノウハウですが、詳細は記載しきれないので省略します。

燃え抜けない様にするだけなら色々な方法があり、材を太くしたり、複雑で緻密な構造や燃えにくい耐火シール材等を挟んだりするやり方もありますが、それでは制作費や工事費が嵩み、工事施工や壁パネルの解体後の再使用時にも余計な手間がかかり、結局予算の少ない通常工事では採用できない工法になってしまいます。しかも柱は構造体であり、必要な荷重を担う必要がありますので、燃焼して太さが細くなると、座屈といって、柱が折れ曲がって載荷に耐えきれなくなります。これらの問題を全て60分間耐えられる構造壁でないといけないのです。

30分耐火は一昨年既に、内外躯体顕わしで試験をクリアーしていましたので、どのような接合詳細にする必要があるかはだいたい予測できていました。しかし60分となると105角の柱材では炭化が60㎜近く進み、残り45㎜では座屈に耐えられないことが容易に予測されます。外壁仕上げ方向からの燃焼試験の場合は仕上げ材による時間稼ぎに期待できそうですが、内部からの燃焼の場合は確実に座屈を生じます。かといって120角の材にした場合、材積の違いで工事価格にそれだけの差が生じ、特に30分耐火の性能(防火構造)でもよい場合に120角を使用せざるを得なくなるのは工事費のことを考えると避けたいところです。そのため105角の材で座屈せず、燃え抜けないよう、色々と技術的工夫と苦労を重ねることでクリアーしました。間仕切り用の壁はそれもあって最初から120角にしました。

外壁は躯体だけで国交省の耐火認定を取得した場合、外部の仕上げを施した仕様では建築確認申請での是非は、審査機関の建築主事が判断することになっていました。しかし殆どの主事はその判断を避ける傾向があります。そこで今回の外部専用タイプは断熱材貼りの外部仕上げを施した仕様の試験としました。30分と60分の両方の試験をした場合は費用が倍かかるので、60分でクリアーできれば30分にも使用できるので、外部仕上げの仕様では105角で60分の耐火試験をクリアーしました。多分無垢の木を丸鋼材で緊めただけの躯体壁で105㎜角柱での60分耐火をクリアーした事例は、世界でもまだ聞いたことなく、ギネスものかもしれません。お陰で貴重な技術的ノウハウの蓄積が出来ました。

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炉に壁を取付け、時計が示す様に耐火試験開始30分後の外部仕上げ側の様子です。壁にいくつかの線が張り付いているのは温度変化を測るためです。実は炉の設置面上部等からうっすらと煙が生じています。これは試験体の壁の仕様の問題というより、設置の仕方の問題ですが、でもここから壁そのものに類焼しても試験は失敗となります。30分はクリアーしましたが、これでは60分はもたないだろうと半ば諦めの心境になりました。

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燃焼試験50分の段階で、何とか45分はクリアーしてくれましたが、もう無理かなと思いつつ、後10分頑張ってくれと、手に汗握っているところです。

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上部の煙が増えてきましたが、とにかく60分クリアーしました。

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炉の中の炎の吹き出しは止め、壁を炉から取り外す瞬間です。壁の向こう側は未だ燃えています。

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取り外した壁の燃焼側の様子です。これに放水して消化します。

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消化して下に置いた、燃焼試験した壁です。柱部分は炭化して削ぎ落ちているところがあり、その原因も判明しました。座屈寸前ではなかったかと思われます。

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炭化した部分を掻き出して、105㎜厚の中央にあるボルトのナット部分を露にしているところです。ボルト付近までは炭化していましたが、落下までは至りませんでした。どう燃えるのかがよく分かりました。

耐力試験の報告は又次回。