月: 2007年1月
冬のつくばにて
昨年末、約1年ぶりに「扇居?せんきょ?」(つくば市)を訪問しました。広い敷地の大半を畑と殖栽のスペースとして計画したその庭には冬期ながら様々な野菜やハーブが育てられていました。レンガで曲線状に仕切られた花壇は建主さんお2人で造園された傑作です。風も無く穏やかに晴れたこの日は庭先で建て主さんお手製のお昼ご飯を頂きました。庭を眺めながら夏頃に畑の葉が青々と繁った様子を思い浮べてほのぼのとした幸福感に浸れたのはアルコールのせいばかりでは無かったと思います。(中嶋)
幣串 (へいごし、へいぐし)
13日は成田市で棟上げ式がありました。棟上げは何度立ち会ってもなぜかうれしいものです。頭の中で描いていたイメージの骨格が具体的に目の前で出来上がっていくものですからやはり感動してしまいます。それに建築は軸組みの構造だけの方が余計な飾りや仕上げもなく潔い美しさある気がします。
写真は棟に幣串(へいごし、へいぐし)を飾っているところです。これは棟上げ祭りの時に本来棟に飾った棟札、幣束(串)、弓矢(破魔矢)の一つです。最近は棟札や弓矢は省略し、幣束(串)に御幣(ごへい)を取り付けただけでそれに棟上げ期日と建て主名及び工事者名を書き入れ、棟札代わりにして完成後にも天井内に取り付けたまま建物が解体される末代まで保存しておきます。
その後直会(なおらい)といって建てた軸組みの下で工事者を慰労すべく乾杯し簡単な小宴となるのですが、最近は殆どの職人さんが車で通って来ていることが多く、交通規制も厳しくなって酒類が飲めず盛り上がりに欠けます。建て主と職人さんがまさに直に会う最初の機会でもありちょっとさびしいものがあります。このようにどんどん省略され簡素化しながら時代は変わっていくものなのでしょうね。(藤原)
冬の散歩道
地元の公園(池)です。ここは私が通っていた小学校の隣にあってザリガニやクチボソを採った遊び場であり、当時苦手なマラソンをさせられた苦い思い出の場所でもあります。今も当時と変わらぬ風景で渡り鳥が集まり、近所の人が散歩をする姿が見えます。久しぶりに老夫婦に混じって散歩してみましたが”散歩をする年代になってしまったなぁ”とつくづく感じてしまいました。気が付くと通っていた小学校も一部デイケアセンターになっています。最近古い住宅街では子供が減ってしまい小・中学校でクラスが編成できず1・2クラスしかない様な学校もあると聞きます。一方新興の住宅街や巨大マンションが立ち並ぶ街区では教室が足りずプレハブ校舎で授業してたり、保育園・幼稚園に入れず順番待ちをしている地域もあるそうです。人の住む街も大量生産・大量消費・使い捨て(ゴーストタウン)、人生そのものである生活もその場しのぎ・行き当たりばったりの行政に振り回されているようです。本当に住みやすい居心地のいい街・生活をまじめに考え直さなければいけない時期に来ているようです。いつまでもこの公園を楽しく散歩できるように。(石井)
「教科センター方式」
今日は集成材の現場を見学に来られた、若手建築家の小口亮さんから大変興味深い話を伺う機会がありました。「教科センター方式」(生徒がホームベースから毎時間クラスの時間割にそって、それぞれの教科ブロックに移動して学習するのシステム)を取り入れた学校の設計に携われており、ソフト面、ハード面、システム面から、教育の現場を変えていく方法についてです。中でも興味深かったのが、教室から教室への導線を複数用意するだけで、移動の時間を人とずらしたり、どこかに寄り道したりと、生徒の行動パターンがかわってくるという話。おとなしかった私は(?)、短い休み時間に何をするわけでもなく、なんとなく居心地悪く自分の席に座っていた覚えがあるので、そんな学校に通いたかったなあ、と何十年も前のことを思い出すのでした。公共の場所での人の心理や行動と空間のあり方の話は新鮮で、改めて建築にできることを考えさせられました。(青島)
漆にかぶれて
FM工法建込み
仕事始め
深沢の家
明けましておめでとうございます。
結設計のホームページを更新しました。
設計事例に「深沢の家」を追加しました。
閑静な住宅地に位置するこの住宅では、プライバシーを保ちながら東側道路向いの隣地に立つ桜を借景としてどう取り込むかが計画の第1歩となりました。高さや面積に制約のある中で、より広く感じさせる為の工夫を随所に取り入れています。居間からデッキ越しに見える桜は一年を通して四季の移ろいを気づかせてくれる事でしょう。
是非ご覧下さい。
本年も結設計をよろしくお願いいたします。